食と健康

すまぴーの健康レシピ

災害時の栄養摂取再考

 多くの尊い命が失われ、日本に甚大な被害をもたらした東日本大震災から今年で10年です。
 震災の際、人々の心と身体の健康回復のために何らかの行動をしたメンバー(医療者・ジャーナリスト・政治家など)は、命の尊さを思い、命の大切さを考え、震災に学んだことを風化させず災害に備えることを目的とし、「災害時医療を考える会」(Team Esteem)を立ち上げました。そして、3月11日を、“いのちの日”としました。

 栄養面で震災時に危惧されたことのひとつに、ビタミンB1不足があります。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンなので、糖質を摂れば摂るほどビタミンB1が不可欠。震災時の食糧は、大量確保、調理不要、配送と配布の容易さなどから、おにぎりや菓子パンなど糖質に偏ったものになりがちなので、その分だけ、ビタミンB1が必要となります。
 被災地のある施設で被災1週間後に提供された3日間の食事を調べた調査があります。それによると、摂取エネルギーあたりのビタミンB1摂取は、日本人の食事摂取基準推奨量の、約1/3だったそうです。
 ただ、それがすぐに脚気(ビタミンB1欠乏症)を引き起こす危険があったかというとそうでもありません。「エネルギー1000kcalあたりのビタミンB1摂取量が0.16㎎を下回ると脚気になる」という研究データがありますが、それよりも摂取量は、ほんのわずか上回っていたからです。とはいえ、もしも不足状態が長く続いたら、脚気になる可能性は大いにあったと考えられます。
 こうしたデータをみると、災害時の厳しい条件下でどうやって健康を維持するかは、ギリギリの攻防戦であるといえるでしょう。
 
 東日本大震災を教訓として、「おしゃれで美味しい非常食」や「野菜が摂れるレトルト」の開発、「乳児用液体ミルク」の採用、「非常食のサブスクリプション」など、いざという時の食糧事情はどんどん進化しています。これからも研究開発が進みますように。そしてあの経験を風化させることなく、ひとりひとりが日ごろから、備えておくよう心がけたいですね。

今月のレシピ:一年中でいましか出回らない生のグリーンピースを餃子に。豆の食感がなんともいえないアクセントです。豚肉+グリーンピースでビタミンB1摂取ばっちり、みつばの香りとレモンでさっぱりと召し上がってください。

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