食と健康

すまぴーの健康レシピ

代替タンパク源のおはなし

 昆虫食、スピルリナ、工場で作る野菜、といった新しい食品をこのコラムで紹介したのは、2018年の12月。そのころにはあまり知られていなかった2050年の食糧不足問題ですが、いまやすっかり、常識になりつつあります。
環境に負荷をかけず、地球にも人類にもやさしい、“持続可能”を目指した食品が、次々に開発され、世にデビューしています。

1 植物由来成分で作る代替肉・工場で作る肉

 この分野で先駆的存在である米国のビヨンド・ミートは、商品が次々に大手に採用され飛ぶ鳥を落とす勢いです。
 日本でも、市場は拡大中。伊藤ハムは今年3月、植物肉でできた家庭用8品を発売しました。モスバーガーには、期間限定ですが動物性食材を使わないハンバーガー登場。それを実際に買って食べてみましたが、パテの味・食感をはじめ普通のハンバーガーと全く変わらず美味しかったです(写真参照※1)。
 カップヌードルに入っている“謎肉”は有名ですが、あれこそ昔からある「植物由来の成分を使用して工業的に作った肉」といえるかもしれません(豚肉+大豆+野菜の成分を混ぜてフリーズドライしたものだそうです)。というわけで、その分野の先駆者として、日清食品HDは、東大の研究室と共同で、“塊肉”を工業的に作ることに取り組んでいます。噛み応えのもとである筋繊維を作ることが難しいようですが、もし塊肉が出来たら、次は風味や香り(血液や脂肪)の再現に挑戦するかもしれません。

2)植物由来の魚
 食品業界の世界最大手ネスレが、植物由来成分で作った人工のツナを開発し、いよいよ販売に乗り出したとニュースになっていました。植物由来の食品市場が急拡大するなかで、まだ他があまり参入していないシーフードの分野でいち早く覇権を、というわけです。
 肉と同じく、魚も、環境への負荷や、今後の安定供給への不安が叫ばれているので、非常に注目すべきことではないでしょうか。

 ただ、こういった代替タンパク源には課題があります。それは、価格面と栄養面です。
味や食感を追究し、安定した生産や流通まで考えると、どうしても価格が高くなりがちです(前述のハンバーガーも538円+税でした)。
 また、肉や魚は種類や部位によって栄養が異なりますよね。自然界で生まれたゆえに含まれる様々な栄養素、そしてそれらの複雑な組み合わせで生まれる効能、そうした面がどうしたら担保できるのかが、これからの課題のようです。

今月のレシピ:寒くなったと思ったら日中の気温が上がる日があったりと、寒暖の差が激しいこの頃。お腹の調子を崩す人が増えているようです。食物繊維たっぷりの温かいスープで、胃腸をやさしく労わって下さい。

写真参照※1

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