食と健康

すまぴーの健康レシピ

食べ物の栄養素とプロモーション

 職業柄、食べ物の栄養素について、「何に効くんですか?」と聞かれることが多いです。そんなとき私は、「~に効く」「~によい」という表現は、できるだけしないようにしています。栄養素はそれぞれの働きと、一緒に摂る栄養素との組合せで複雑に作用するからです。
 「この商品は栄養素(の健康効果)をウリにしたいので、管理栄養士としてのコメントを下さい」と依頼されたら、誇張することなく淡々と事実をお伝えするようにしています。多少インパクトにかけても、長い目で見たら、消費者の信頼感を得るにはそのほうがいいと思うからです。

 先日、興味深いプロモーション事例に出会いました。アメリカのナッツ業界でのお話です。
 アメリカといえば、私も20数年前に住んでいた時にたくさんのナッツと出逢いました。なかでもピーナッツは、MLBの試合で7回に必ず歌われる“私を野球に連れてって”(Take me out to the ball game)の歌詞にも出てくる、とてもポピュラーなナッツです。
 プランターズは、アメリカにおけるナッツ(特にピーナッツ)の代表的ブランドで、ミスターピーナッツのキャラクターとともに国民的人気を博していました。ところが、他のナッツ(アーモンドやピスタチオ)の進出におされ、2006年くらいから販売量の減少に苦しんでいました。
 そのプランターズが、起死回生を遂げたCM、それが「ピーナッツの栄養素」を全面にアピールしたCMなのだそうです。ミスターピーナッツが、大きな会場のステージでスポットライトを浴びながら、ピーナッツの栄養素を挙げ、ピーナッツを食べると身体にこんないいことがあるよ!と、にこやかに伝えます。すると、老若男女、さまざまな人種、さまざまな体形の観客が、驚き、感動し、スタンディングオベーションしながら、座席に用意されたピーナッツを食べる、というものです。
 
 さて、最初のお話に戻りましょう。ピーナッツに含まれる栄養素として注目は、ビタミンE、ナイアシン、脂肪酸です。ビタミンEは、A・Cとあわせて「ビタミンエース」といい抗酸化作用が期待できるので、青菜のピーナッツ和えみたいに、A・C・Eを一緒に摂るとよいかもしれません。
 ナイアシンはビタミンB群のひとつです。B群は、単体よりまとめて摂るとよいので、B6を含むイワシやサバなどの青魚と一緒のメニューはいかがでしょうか。DHA・EPAも摂れますし。
 良質の脂肪酸を含む点はありがたいですが、酸化しやすいので注意しましょう。そして、味がついているものは塩分の摂りすぎに注意です。カロリーも高めなので食べ過ぎに注意ですね。

 最近は、様々な食べ物が「健康効果」をウリにし、プロモーションしています。それに踊らされるのではなく、上手に利用しましょう。そしていろんな食べ物を食べることを忘れずに。そうすれば無理なく、健康的な食生活が習慣づくのでは、と思います。

今月のレシピ:ピーナッツ、アーモンド、ピスタチオ、3種のナッツに料理で競演してもらいました。それぞれ相性がいい食材があるし、風味や栄養も異なります。いろんなナッツを食べて、違いや個性を味わってくださいね。

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