食と健康

すまぴーの健康レシピ

調理の科学と美味しさ

 こだわりの食材があふれ、「食べたい」と思ったら簡単に手に入る・・・そんな今だからこそ、一流のシェフ達は、食材だけでなく調理法にもこだわることで、彼らの店でしか食べられない一品を提供しようと、日々工夫を重ねています。
 その手助けとなっているのが科学です。今回は、美味しさにつながる調理の科学を、少しだけご紹介したいと思います。

 ヒトは、生命を維持するために食べています。生命を脅かす食べ物を本能的に避けるようにできています。
 例えば、苦味という味覚には、危険を察知する役割があります。幼い子が苦い食べ物を嫌うのは、危険を感じるからです。大人になって経験や知識があっても、苦味だけだと不快に感じるのだとか。旨味や甘味といった心地よい味を強めにプラスして、ほどよく苦味を効かせるのがよいようです。
 また、塩分濃度は体液に近い0.8〜0.9%にするのが美味しく感じるコツだそうです。これも、細胞内の浸透圧を維持する働きと考えれば、納得ですね。

 同じ食感や味ばかりだと、単調に感じ、美味しいと感じないのは、栄養が偏らないようにする本能です。
 ごはんを毎日食べても飽きないわけは、じつは一粒一粒の味も食感も、微妙に違っているから。そんなごはんが主食の日本人は、とくに食感へのこだわりが強い傾向があります。加熱温度や時間によって、絶妙な食感を作り出すことが、美味しさのポイントとなります。
 例えば、肉や魚の食感は、火入れで決まります。肉や魚を構成するタンパク質は3種類(筋原繊維、筋形質、肉基質)。それぞれ凝固温度が異なります。シェフ達は、これらをどんな割合で含むかによって火入れの温度や時間を調節して、絶妙な食感を実現しているのです。

 味や食材の好みは、生まれや育ちなど経験によって、人それぞれという面も多くあります。ですが、ヒト本来が持ち合わせている「生きるための本能」に沿った美味しさは、万人に共通するうえに、健康にもよい調理法といえるのではないでしょうか。一流のシェフを参考に、ご家庭での料理にも、できることから取り入れてみてはいかがでしょう。

 
今月のレシピ:フランスはブルターニュ地方の郷土料理ガレット。本来は、そば粉や小麦粉で作った生地を円形に丸く焼くのですが、春巻の皮で代用してみました。具は一例ですので、みなさんお好みで工夫してみてくださいね。

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