食と健康

すまぴーの健康レシピ

糖質制限・ロカボ ~最新の食事療法に関する考察~

 前回は、栄養の摂取バランスについて、今までの常識を覆す研究結果をご紹介しました。
 驚くことに、その後ネットニュースでも同じ研究がとりあげられ、「糖質制限食が正しいことを裏付ける研究結果が権威ある専門誌に掲載された」と騒がれていました。

 ダイエットや生活習慣病(とくに糖尿病)治療に役立つとして、糖質制限食やロカボ(低糖質)食が注目を浴びていますが、実際のところは、どうなのでしょうか。

 米国糖尿病学会は、2013年の声明において、「糖尿病食に“one-size-fits-all”(全ての人に当てはまる・万能)な食事パターンはない」「栄養療法は不可欠だが、やり方は、専門家とともに個別のプランを構築すべき」としています。そのうえで、地中海食、低脂肪食とならんで、糖質制限食もあくまで「プランのひとつ」というスタンスのようです。
 
 日本糖尿病学会は、総エネルギー摂取量を制限せずに炭水化物のみ極端に制限することは薦められないとしています。その理由として、
① 長期的な遵守性や安全性を担保するエビデンスの不足
② たんぱく質や脂質の摂りすぎによる、健康上の問題が生じる可能性
③ 現在のエネルギー産生栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)バランスは、日本の伝統的・習慣的食文化を鑑み妥当
などをあげています。
 日本人がインスリン分泌能低下をきたしやすい体質なのは確かですが、肥満度も、欧米人とは異なります。日本人の体質を考慮しつつ、ひとりひとりの食生活、活動強度、病態に応じた食事療法をと、呼びかけています。
 
 糖質制限食やロカボ(低糖質)食に関しては、まだエビデンスが不足しているようですね。ただ今後、個別の食事療法プランのひとつとして、医師やわれわれ栄養士の指導のもとで活用していく可能性は、ありそうです。
 新しい方法が紹介され話題になると、わっと飛びつき大人気になりがちですが、慎重に、議論の行方を見守ったほうがよいかもしれません。今後の研究に、期待しましょう。

  
今月のレシピ:食糧を安定して確保するため、人類は様々な保存法を工夫してきました。乾物、発酵食品、缶詰、冷凍食品・・・私たちはいま、たくさんの食材に恵まれています。コンソメスープをたっぷり含んだ高野豆腐に、ナッツ、青魚、青菜、チーズを詰めて焼き上げました。外はカリッと、中からじゅわっと口の中に煮汁が広がります。

ログイン ID・パスワードを忘れた方