食と健康

すまぴーの健康レシピ

オリンピックイヤーに向けて<その2> 〜どうなる?HACCP(ハサップ)〜

 2020年にむけて、もうひとつ大きく動き出しているのは「HACCP導入の義務化」です。

「HACCP(ハサップ)」とは、1960年代に米国で生まれた食品衛生管理の手法。アポロ計画の時に、宇宙食の安全のために開発されました。宇宙食の世界が、私たちが日ごろ食べている食品に導入されるなんて、ちょっとワクワクしませんか?さて、順を追ってお話ししましょう。

1.HACCPってどんな方法?どこが優れているの?
H:Hazard A : Analysis and  C : Critical C : Control P : Point 
危害要因    分析  ・   重要    管理    点

 食中毒汚染や異物混入など危害の要因は何かを分析し、それらを全工程から無くす(または減らす)ために重要ポイント(点)管理するやり方です。
 従来のやり方は、最終製品の一部を抜き取って検査する方法です。ですがそれだと、全ての製品の安全を確認することはできません。問題のある製品が出荷されることをより効果的に防げるだけでなく、問題の原因を追及できるのが、HACCCPのメリットです。

2.どうやって導入するの?
今後のスケジュールとしては、改正食品衛生法が2020年6月から施行され、経過措置期間を経て2021年6月から、原則として全ての食品等事業者にHACCP導入が義務化されます。
具体的な導入方法は、「HACCPの7原則12手順」に沿って行い、それを繰り返していきます。繰り返しによって、衛生管理改善について、継続的な取り組みを行っていきます。

3.課題は?
 大企業での導入は進んでいますが、中小規模の事業者は大変です。スタッフの教育、設備の見直しなど、やらなければならないことが山積みなうえ、お金がかかります。製造している食品によって管理方法が異なる点も、難しいです。
 こうした課題を乗り越えるためにHACCP支援法をはじめ、様々な施策が講じられています。

4.日本の食品の未来は?
 EUや米国など多くの国々で既にHACCP導入が義務化されています。今回のHACCP導入により、よい広く世界の人々に我が国の食品が、愛され消費されるようになるといいですね。
 もちろん私たちにとっても、いま以上に安心して、安全な食品を食べることができるようになるのは、有難いことです。

今月のレシピ:頂上(金メダル)に向かって各国が競い合う、そんなイメージで盛りつけてみました。つゆが凍っているので麺が伸びにくく、最後まで美味しくいただけます。涼感をたっぷり楽しめるレシピです。

オリンピックイヤーに向けて<その1> 〜新しい食品表示制度〜

 2015年4月1日に施行された食品表示法。5年の経過措置期間が終わり、2020年4月からいよいよ新表示に完全移行です。本コラムでは新表示のなかから、「栄養表示」について、一部抜粋して、お話しします。

1.栄養成分表示の義務化(一般用加工食品及び一般用添加物)
 ①義務表示・・・エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)
 ②推奨表示・・・飽和脂肪酸、食物繊維
 ③任意表示・・・糖類、糖質、コレステロール、ビタミン類、ナトリウムを除くミネラル類、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸

 ①は、生活習慣病予防や健康の維持・増進に欠かせない基本5項目として、栄養成分表示をする場合は必ず入れなくてはならないとされました。②は、日本人の摂取状況や生活習慣病予防との関連から、表示が推奨されています。(ただし、添加物は②も任意表示)

2.栄養強調表示に係るルールの改善(一般用加工食品及び一般用生鮮食品)
 ①補給できることをうたう・・・たんぱく質、食物繊維、カルシウムなどミネラル類、ビタミンB1などビタミン類
 (表現例:高XXX、**たっぷり、**含有、XXX30%アップ)
 ②適量摂取ができるとうたう・・・エネルギー、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム
 (表現例:XXXゼロ、ノン**、XXX控えめ、**10%オフ)
 ③無添加であることをうたう・・・糖類、ナトリウム塩
 (表現例:XXX無添加、**不使用)

 今回、食品の国際規格“コーデックス”の考え方が導入されました。具体的には以下の通りです。
・①②において、強調表示をするための要件を変更
・①において強調表示に必要な数値の計算方法を変更
・③において一定の条件が満たされた場合にのみ強調表示できる

 食品をとりまく環境では、2020年に大きな変化が2つあります。その一つがこの新食品表示です。オリンピック開催にむけて、日本の食品が世界基準を満たしていることをアピールするのが目的なのかどうか、わかりませんが、少なくともオリンピックイヤーであることが、大きな変化のきっかけになっているかもしれません。
 次回は<その2>として、もう一つのトピックをとりあげる予定です。

今月のレシピ:“ところてん ところかわれば 味変わる”つるっとした喉ごしと冷たさで、暑い夏にぴったりのところてん。低カロリーで食物繊維豊富なのもうれしいですね。昔から、地域によってさまざまな味で食べられているようです。今回は、味噌ベースの軽食風にしてみました。

油脂いろいろ

 1992年、2008年に続いて今、3度目のタピオカブーム到来。「タピる(タピオカドリンクを飲む)」「タピ活(タピオカドリンクを飲む活動)」なんて言葉が生まれているみたいですね。さて3度目の正直、流行で終わらず定番になるでしょうか。

 流行→人気下火を経て人気が再燃し、いまや定番になる勢いの食品があります。亜麻仁油です。
健康に気をつかう40代女性をはじめ若者にも人気で、2018年度売り上げは前年度比66%増、食用油のシェア7%を占めるようになったというから驚きです。
 ひと昔前まで油は悪者扱いでしたが、今は、選び方・食べ方次第で正義の味方として活用する時代。とくに日本は他国に比べて、食用油の種類が豊富だそうです。特徴を知って上手に使い分けましょう。

 栄養素としての脂質は、脂肪酸とグリセロールの高分子化合物です。そして脂肪酸によって、性質や働きが異なります。店で買う時は脂肪酸名ではなく油脂名で選びますよね?ですから油脂名が一番左の表を、作ってみました。

オメガ3脂肪酸は魚に多く含まれているのですが、魚離れが進む現代の日本人には不足しがちです。そこで、手軽に生で摂取できる亜麻仁油やえごま油が、人気なのかもしれません。
酸化しやすい、高価である、などが難点なので、「酸化しにくく経済的な」オメガ3脂肪酸を、大麦・小麦若葉やケールなど農産植物の葉で作れないかという研究もあるようです。油脂からますます目が離せそうにありませんね。

今月のレシピ:生のグリンピース、しらす干し、あみえび、桜えびなど、いまが旬の食材を具に、がんもどきを手作りで。手作りがんもはとにかく美味しい!!オリーブ油で揚げるとくどくなくさっぱりといただけますよ。

5月〜6月にちなんでゴロ合わせ、そして和食と“五”のお話

 『ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版』が発売されました。国内でとりあげられた地域としては20、21、22エリア目だそうです。三ツ星は寿司店X2、日本料理店X1。やはり三ツ星は和食なのですね。
 平成25年12月、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されてから5年5ヶ月。令和初の5月〜6月にお届けするコラムは、和食を中心にゴロ合わせと“五”にちなんだお話を。

『まごはやさしい』
:豆類、 :ゴマなど種実類、 は(わ):ワカメなど海藻類、 :野菜、 :魚、 :椎茸などキノコ類、 :芋類
 バランスよい食事のために毎日摂りたい食品群を覚えやすくするため、食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱なさいました。どれも日本に昔からあり、和食に欠かせないものばかり。
 三大栄養素をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、自然とバランスがよくなるような組み合わせです。無形文化遺産としての和食の特徴(2)バランスがよく、健康的な食生活、を誰でも手軽に実践できる、見事なゴロ合わせです。
 た:卵、ち:乳製品を加えて、「まごたちはやさしい」とする考え方もあります。どちらも優れた食品ですが、アレルギーなどの心配もあるので、適宜組み合わせてもらえたらと思います。

『和食の“五”』
五手法:生物、焼き物、煮物、揚げ物、蒸し物
五味:甘味、酸味、塩味、苦味、うま味
五感:視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚
五色:赤、白、黄、緑、黒

 和食の特徴あと3つ
(1)多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用(3)自然の美しさの表現(4)年中行事との関わり
これらに、上記の“五”は欠かせない要素です。
 素材に合わせて手法を選び、調味料を選び、五感によって五味の調和が生まれます。日本人の特徴的な食べ方といわれる口内調味(味のない白いごはんとおかずを交互に食べて、口の中で味付けをするというもの。高度な技術であり、味の受容を広くするといわれています。)も、調和の一助となっているかもしれません。
 自然を活かした調理法や盛りつけ(「向こうを高く、手前を低く」の山水の法則など)、器選びや素材の切り方に季節感や行事との関わりを持たせる点は、和食が目で味わう料理といわれる所以でしょう。

 新年号、オリンピック、と続いて、海外からますます注目が集まっています。和食の素晴らしさを私たち自身があらためて知り、海外からのお客様に伝えられたらいいなと思います。

※和食の特徴(1)〜(4)参考URL: http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/

今月のレシピ:おからを大地(砂浜)に見立てて、海の幸と山の幸をいろどりよいサラダに。バルサミコ酢を煮詰めることでとがった酸味がとれ、まろやかなドレッシングのベースになります。盛りつけはもちろん“山水の法則”で。


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