食と健康

すまぴーの健康レシピ

香りと健康

 ノートルダム大聖堂の火災は、大きな衝撃でしたね。歴史的・文化的建造物が心のよりどころとなっていると、あらためて実感した人々が多いのではないでしょうか。
 ノートルダム大聖堂は、私にとっても特別な場所。いままで何度も訪れていて、たくさんの思い出があります。よいかたちで再建されてほしいし、再び同じようなことが起こらないよう願っています。

 そんなフランスへの思いをこめて、今回は香りについて。ワイン、香水・・・、とかくフランスには香りにまつわる文化がありますからね。
 
 香りと健康に関して、興味深い報告があります。「食べ物の香りを感知できない生体は寿命が縮まるかもしれない」というものです。
香りを感知することによって生成される成分が、腸における細胞の再生を促しているそうです。よって、香りを感知できない生体は、細胞の再生が滞り、寿命も縮まるということのようです。
ふだん食べ物の香りを嗅いだだけで、リラックスしたり、唾液が出てきたりしますよね。そういった香りによる生体反応は、腸でも起きていて、細胞に影響を与えているのです。

 そんな香りの力を利用する新しいビジネスを、日本の企業が立ち上げ、世界から注目されています。香りを分析し、データ化することに成功したのです。「香りの可視化」です。
 データとして香りを表現することで、実際に嗅がなくても香りを的確に伝えることができ、酒や香水に限らずいろいろなものを実物がなくても販売すること(インターネットなどで)に結びつけることができます。
 また、香りの再現性を利用して、医療分野や、店舗開発など空間プロデュースの分野にも、広がりが期待できそうです。

 食べ物の香りと健康に、話を戻しましょう。
 うどの香り成分はジテルペンアルデヒドといって、自律神経を安定させ心を落ち着かせる作用があるそうです。木の芽の香りには、脳を刺激し内臓を活発化して代謝をあげる作用が、グレープフルーツの香りには、リラックス効果や脂肪燃焼を促す作用があるそうです。
 香りの持つ力について研究が進むと同時に、それを上手に利用する新ビジネスが発展し、私たちの健康寿命延伸に寄与してくれることを、願ってやみません。

今月のレシピ:人々に長く愛され親しまれているフランスのオープンサンド、”タルティーヌ”。スライスしたフランスパンにバターを塗り、好みの具をのせるだけ。春を感じる食材、うど、そらまめ、新じゃがをベースに、「まごたちはやさしい」食材で作る、いろどりよい3種をご提案します。(「まごたちはやさしい」は次回解説します、お楽しみに!)

万人に喜びと安らぎを 〜素朴なお菓子は万国共通〜

<作り方> 小麦粉を中心に生地を作る → 成形する → 加熱(茹で、焼き、揚げなど) → 味(甘味)をつける

 このシンプルな作り方でできるお菓子はいったい何種類あるでしょう。クッキー、パイ、ドーナツ、かりんとう、瓦煎餅・・・。具を入れるものも含めたら、シュー、饅頭、鯛焼・・・本当に、たくさんありますね。
 このように、小麦で作る甘いお菓子は、遠い昔から広く世界中で、愛されています。

 小麦は人類最初の作物といわれ、約15000年前にコーカサスから小アジア辺りで栽培が始まったそうです。粉末にし、加水して利用するようになったのはもっと後、エジプト時代のメソポタミア地方が始まりだとか。パンや菓子の起源もそこにあるようです。
 栽培も加工も容易な小麦は、世界中で利用されています。タンパク質グルテンの含有量によって加工性が異なるのも、幅広く利用される要因ではないでしょうか。
 
 砂糖の原料は2種類、さとうきびと甜菜です。さとうきびのほうが、歴史は古いです。もともとインドで利用されていたのをアレキサンダー大王が知り、そこから広まっていったのだそうです。甜菜は、ナポレオンが栽培をスタートしたとのこと。世界征服を企てた二人のおかげで、偉大な甘味料が世界に広まったとは、実に興味深いですね。

 先日、ウズベキスタン出身の女性に「チャクチャク」という手作りお菓子をいただきました(下記写真参照)。食感も味もかりんとうに似て、どこかホッとする懐かしいお菓子。遠く離れた国どうしなのに、図らずも似たお菓子があるのだと知り、驚きました。
 ウズベキスタンは中央アジア諸国の真ん中に位置し、シルクロードの中心として栄えた国です。起源の異なる食材や料理が、長い年月長い道のりを経て、人から人、街から街へ伝わったのでしょう。人々の心に喜びと安らぎを与える素朴なお菓子は、万国共通、言葉も文化も異なる人々を繋いでくれます。

 多くの方々が新しい旅立ちを迎える春が、またやってきました。別れ、出会い、楽しいこと、辛いこと、いろんなことがあるでしょう。そんなとき、素朴なお菓子を食べてホッとひと息、喜びと安らぎを得てもらえたらいいなと思っています。

今月のレシピ:シンプルな手作りおやつは、手軽、安心、そのうえアレンジ自在なのがよいところ。ココア味は揚げ焼きしてかりんとう風に、抹茶きなこ味は安倍川餅風に、食べだしたら止まらない素朴な美味しさに仕上がりました。

  手作りお菓子「チャクチャク」です。

食品の三次機能

 食品には、一次機能(栄養)、二次機能(おいしさ)、三次機能(生体調節機能)があります。栄養とおいしさに重点がおかれてきましたが、最近、3つ目の生体調節機能が様々な疾病の予防に活用できるのではないかと、注目を集めています。
 
 ヒトの身体には、健康を維持する様々な機能が備わっています。それらが狂うことで疾病が起こってきます。そこで、生体調節を司る成分を食品から摂取することで、機能を調節し、正常化をバックアップしようというわけです。
 6つの分野(循環器系、神経系、細胞分化、免疫・生体防御、内分泌、外分泌)があり、全てが連動しているので、各分野に効く成分を、いろんな食品から摂るのがおすすめです。

 例えば、生体調節機能を持つ成分の代表格「ポリフェノール」。複数の水酸基をもつ化合物の総称で、この世に数千もの種類が存在しています。強い抗酸化作用を持ち、それをベースに様々な角度から、健康をバックアップしてくれます。
 加工用トマトの果皮から発見されたナリンゲニンカルコンは、花粉症などアレルギーに効果があるといわれていますし、黒豆やブルーベリーの色素成分アントシアニンは、視力回復の他、内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドローム予防に効果があるという報告があります。
 
 摂取の際には、水溶性・脂溶性、加熱に強い・弱いなど、物性を把握して、効率よく摂ることが大切なポイントです。また、食べ合わせも重要です。肉や魚に多く含まれる亜鉛は、細胞分化に関わり成長や免疫力維持に寄与する栄養素ですが、ワインや紅茶に含まれる成分を活性化して、酸化ストレスから私たちの身体を守る働きがあることが、最近の研究でわかっています。
 
 生体調節を司る成分は、色、渋味、苦味、辛味などです。これらは本来、生物が子孫を守るために備わっているものです。食品の生体調節機能=子孫を守る機能、つまり生物として生き延びるためのかけがえのない成分なので、どんな食品にも少なからず含まれています。
 自らの命を守る成分で私たちの健康をバックアップしてくれるなんて、ありがたいことですね。大切にいただきましょう。


今月のレシピ:ブラジル料理のフェジョアーダにヒントを得たレシピ。ラムは脂肪代謝に必要なアミノ酸・L−カルニチンを多く含みます。ニンニクや玉ねぎに含まれるアリシン・シクロアリインといった含硫化合物はがんや動脈硬化予防に効果あり。見た目も味も作り方もシンプルな一品ながら、あなたの健康を強力にバックアップしてくれます!

新春の行事食、古今東西考

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 私(名古屋在住)は、今年も鏡開き(11日)に「ぜんざい」を食べました。いただきながら「松の内っていつまで?」「鏡開きは11日と決まっているの?」「ぜんざいとお汁粉の違いは?」なんて話題で盛りあがりました。皆さんはご存知ですか?

<松の内=歳神様がいらっしゃる期間>
 もともと15日までが松の内とされていました。いまでも関西では、15日までが松の内だそうです。
 ですが私(関東出身)は、「七草粥を食べたらお正月飾りを外すのよ」と母に教わりました。七草粥を食べるのは1月7日。したがって松の内は、7日までになります。なぜ関東では、7日なのでしょう。それは鏡開きと関係があります。

<鏡開き>
 鏡餅には歳神様の力が宿るとされ、それを開いて(割って)食べてお力をいただき、一年を無病息災に過ごすという行事が、鏡開きです。20日に行っていましたが、江戸時代に徳川家光公が20日にお亡くなりになったため11日にすることに。それに伴い、幕府から「松の内は7日まで」とおふれが出ました。そこで関東では、7日までが松の内、11日が鏡開きとなったのです。
 これが関西には浸透せず、松の内は15日のまま、鏡開きは15日に行うところと20日に行うところがあるようです。

<ぜんざい・お汁粉>

お汁粉ぜんざい
関東①汁気の多い餡の中に餅が入っているもの
(こしあん・粒あんの別は無し)
②餅に汁気の少ない餡をかけたもの
関西③汁気の多い「こしあん」の中に餅が入っているもの④汁気の多い「粒あん」の中に餅が入っているもの

 ちなみに、私が毎年いただくのは④です。関東出身の私は、皆がそれを「ぜんざい」と呼ぶことに違和感が(私にはお汁粉としか思えない)ありますが、名古屋は「ぜんざい」に関しては関西寄りのようですね。

 さて、2月3日は節分です。節分の行事食としてすっかり定着した「恵方巻」。これにも、歳神様や七福神にちなんだお話がありますが、それはまたあらためて。
 今年は新天皇が御即位し新元号となります。日本人の祖先である神様に思いをはせ、歴史をふりかえりながら行事食を味わう一年にするのも、よいのではないでしょうか。



今月のレシピ:亥年にちなんで、イノシシの子ども「瓜坊」と「瓜」をかけて、太巻きを作ってみました。緑・白・赤・黄・黒の五色が揃い、胡瓜5+まぐろ1+長芋1=七本の具を中心に「よろこんぶ」も入って縁起よく恵方巻にもぴったりです。


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