カルチャーと健康

レッツ健康!!    (Dr.コラム)

パブロ・カザルスのユーモア

 パブロ・カザルス(1876~1973)は誰もが知っている音楽家です。
チェロ奏者として、教育者として、またスペイン内乱の時、ファシズムに反対した信念の人として、その高潔な人柄は今も人々の記憶に残っています。
日本人にもファンが多く、その名を記したカザスルホールもありました。
 さて、カザルスはとてもユーモアのあった人のようでもあります。
ここではその逸話を幾つか。

その①
 イギリスで、エルガーのチェロ協奏曲を録音しているとき、カザルスの伝説的な唸り声がマイクを通してあまりにもはっきり聞きとれたそうです。
このため、頭にきたレコーディング・エンジニアはとうとう我慢がならなくなって苦情を言いました。
「マエストロ、あなたの唸り声もみんな拾ってるんじゃないかと、弱ってるんです」
「だったら」とカザルスは落ち着きはらって答えた。
「レコードの値段を倍にできるね」

その②
 カザルス81才の時、
その時20才のマルタと結婚したそうです。彼の主治医は結婚する事で、彼の健康により重大な異常が起る事を心配し、警告したそうです。
「生死にかかわることになるかも知れませんよ」と主治医はいった。
 80代になってなお溌溂としたカザルスは、ゆっくりパイプをくゆらせながらこの難問をしばし考えていたそうですが、答えていうことに、
「私はこう思うのですが、彼女が死ぬのであれば、いずれ死ぬでしょう」

パブロ・カザルス 
鳥の歌
ジュリアン・ロイド・ウェッバー編
池田香代子訳 
筑摩書房


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