カルチャーと健康

レッツ健康!!    (Dr.コラム)

帝王切開の利点と問題点

 帝王切開は英語でcesarean sectionと言います。
このcesareanとはジェリアス・シーザー(シーザの英語読み)が語源で、シーザーが
帝王切開で生まれたとお言い伝えから来ています。紀元前のお話ですから、本当とは思えませんが(実際違うようです)、それらしいお話です。

 さて帝王切開では、普通のお産-陣痛のストレスを受けながら下から生まれるお産-と違い赤ちゃんがお母さんのお腹を切って生まれてきます。
 分娩の方法が異なる事から、昔から帝王切開で生まれた子供と、普通分娩で生まれた子供に将来何か違いが出る事はないかとの議論が行われてきました。
 少し前のお話ですが、こんな研究があります。
陣痛というストレスを経験して生まれた赤ちゃんは、出生後もストレスに強いだろうと言う考えです。
 例えば、赤ちゃんが成人した後、何か危機に陥るような状態になった時に、陣痛を経験し普通に生まれた人は、この危機をのり越える能力が高いと言うものです。
 この説によれば、イギリスの諜報機関員のジェームス・ボンド、007は普通のお産だったに違いありません。

 さて最近、次の様な注目すべき調査結果が出されました(小児科の専門誌 Pediatrics 2015)。デンマークの医師達のデータです。
帝王切開で生まれた赤ちゃんは、喘息を始めとするアレルギー性の病気、膠原病、若年性の関節炎、潰瘍性大腸炎、免疫不全の病気、白血病などの病気が発生する確率が高いだろうと言うものです。
 日本を含め先進国では帝王切開が増えていますが、一方でこれらの国では喘息やアレルギー性の病気も増加しています。このため帝王切開とこれらの病気の関係を調べてみようと思って、この研究が始まったようです。
もしこれが事実なら、将来対策を考えるべき問題になると思います。
 帝王切開が増えたのは難産を防ぐためです。
この手術のお陰でたくさんの赤ちゃんの命が助かり、分娩後の後遺症から逃れる事が出来ました。
帝王切開はそれ程重要な役目を果たしています。
 しかしこの研究が本当なら、生まれてくる赤ちゃんに少し陣痛のストレスを経験してもらおうという考えも出てくる可能性があるでしょう。
今後さらに研究が進む事が望まれます。

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