カルチャーと健康

レッツ健康!!    (Dr.コラム)

医師の簡単な話が病気の予防に効果が(1)

病院に行くと、いろいろな病気の予防のパンフレットがあります。
少し興味がある人はもらって帰りますが、実際の所、読んでとても役立ったという感想をもった人は多くないようです。

 しかし何らかの機会に病院に行った時に、医師から直接少しでも話を聞くと、その話が意外と頭に残って、健康には良いのだという説があります。

 今回は、1.脂質異常、2.急性アルコール中毒、3.妊娠中の禁煙のお話について。
なお、4.糖尿病については近々稿を改めてお話したいと思います。

1. 脂質異常(コレステロールの異常など)
脂質異常とは総コレステロールが高い人、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い人、LDHコレステロール(悪玉コレステロール)が高い人をいいます。
脂質異常のある人に、心臓や血管などに異常が出る率が高くなる可能性があると直接お話をすると、脂質異常が改善する率が高いそうです。

2. 急性アルコール中毒
急性のアルコール中毒などで、救急車で病院に運ばれた場合、治療後アルコールの怖さについてパンフレットを渡されただけの人と、短時間でも直接説明をうけた人に分けて、その後の効果を検討した調査があります。その結果、直接説明を聞いた人の方が、アルコールを止めたり減量する治療をうける気になる人が増えたとの事です。

3. 妊娠中の禁煙について。
妊娠中の喫煙は明らかに赤ちゃんに悪影響を与えます。流早産の増加、低体重出産などです。
私が総合病院在籍中に行った調査では、直接妊娠中の喫煙の危険性を伝えた人は、95%の女性が完全禁煙をしました。残りの殆どの人も喫煙本数の大幅の削減をし、結果的に禁煙による低体重の確率は60%に留まりました。

4. 同じ様に糖尿病についても、直接指導の効果が指摘されていますが、これについては次の稿でお伝えしようと思います。

1-3は、いずれも短時間のアドバイスで効果があった例です。
自分では何か心配な事があったら、直接医師から説明をうけるという事が、いかに大切かが分かります。

やっぱりカルシウムの摂取は骨折予防になる。

 将来の骨粗鬆症の予防は大切な事です。
ある年令以上の人が大腿骨の骨折をすると、寝たきりなる確率が高くなるという研究があります。
年をとってから長い事寝たきりになるのは、やはり嫌ですね。
 女性の場合女性ホルモンが十分に出ると、骨塩量の低下を予防し、その結果骨折を予防出来ます。
ホルモン補充療法などはその延長上にありますが、最近ホルモン補充療法の欠点も指摘されるようになり、一時に比べるとホルモン剤の使用量が減ってきている感じもします。

 ところで以前から使用されていたカルシウム剤やビタミンDは、どうやらこの骨粗鬆症の予防になる事を確かめる研究がいろいろ出ています。
ビタミンD単独よりもカルシウム+ビタミンDが良いとか。
またカルシウム単独でも良さそうだという研究があります。
ただビタミンDは最近がんの予防になる事でも注目されています。
カルシウムとビタミンDをとる事は試してみるべき事かも知れません。

因みにカルシウムの多い食材は
干しエビ モロヘイヤ ヨーグルト 
イワシの丸干 ダイコンの葉 牛乳 煮干し 菜の花
がんもどき 豆腐 シシャモ 利尻昆布

ビタミンDの多い食材は
ニシンのくん製 ピータン アンコウの肝 白きくらげ(乾) 紅サケ きくらげ(乾)
イワシの丸干 ウナギ蒲焼 シラス干

農薬とパーキンソン病

 農薬はその種類や、使用期間によっていろいろな健康上の問題が指摘されています。
日本でもポジティブリスト制度で、残留農薬についての検査や規制が始まっています。
 しかし農薬には短期的な作用の他に、長期的な作用についての検討も必要で、現在の時点での評価がむずかしい事があります。

 さてヨーロッパの農業大国であるフランスでは、農薬の影響と考えられる病気としてパーキンソン病が注目されている様です。
パーキンソン病とは進行すると歩行障害等が出てくる病気ですが、フランスの農民に多く、その原因が、農薬にある可能性があるそうです。
 特に有機塩素系殺虫剤による影響が強く示唆されたそうで、使用した人は(農民)は、そうでない人に比べ約2.4倍の危険率になったとの事です。
 
 これらの農薬は何と1950年-1990年代に主に使用されていたそうで、使用後も長期にわたって環境中に残留するそうです。
どうやら短期間の無・低農薬栽培や、無機農薬栽培だけでは片付かない問題がありそうです。

世界中で今乳がんと子宮頚がんが増えている

 今女性のがんの中で、乳がんと子宮頚がんが増えています。
今回この乳がんと子宮頚がんについてのレポートが出ました(Lancet 2011)

 子宮頚がんになる女性は1980年に37万8,000人だったのが、2010年には45万4,000人になり、年間の増加率は0.6%だったそうです。
ただし子宮頚がんによる死亡数は減少傾向があり、2010年には20万人超だったとの事です。
これからは、日本を始め世界中で子宮頚がん予防ワクチンが使用され始めた事から、子宮頚がんになる人が減少する事が予測されています。

 一方乳がんについては、世界187国のがん登録データを詳細に検討すると、1980年の64万1,000人から、30年後の2010年には164万3,000人に増加したそうです。
2010年の乳がんによる死亡者数は42万5,000人だったそうで、死亡者数は国によって著しい差があったとの事です。(Forouzanfarら、Lacell 2011)
 やはり国により、検査システムや治療の程度が違う事が関係するのでしょう。

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