レッツ健康!! (Dr.コラム)
ポリフェノールがアルツハイマー病予防になる
世界で最も権威のある雑誌の1つであるAmerican Journal of Medicineに最近興味のある論文が出ていました。
少なくとも週3回野菜あるいは果物のジュースを飲んでいる人は、アルツハイマー病になる確率が低くなるというものです。
これは週1回でも週2回でも効果が少なく、週3回だそうです。
これはジュースの中のポリフェノールの効果のようだと伝えています。
果物ジュースの場合は、メタボリック症候群の方は注意した方が良い時がありますが、野菜ジュースは悪くありませんね。
ポリフェノール→ワイン→ぶどうのジュースかなぁという連想が働きますが…。
美食の国フランスで心臓病の人が少ないのはなぜか?
美食の国フランスで心臓病の人が少ないのはなぜか?
これは赤ワインのポリフェノールのためだという考えがあります。
フランス料理と言えば、フォアグラ、キャビアがすぐ頭にうかんできます。国民の全てがこれらを常に食べている訳ではないでしょうが、他のヨーロッパ諸国に比べるとイタリアと並んで明らかに食事の内容が異なります。
いわば美食の国ですが、なぜか心臓病が少ない事が長い間謎とされてきました。
最近明らかになってきたのは、どうやら赤ワインの為という説です。
赤ワインの中のポリフェノールが、血液の中の悪玉コレステロールの作用を抑えるらしいと考えられるようになってきました。
ポリフェノールはいろいろ身体には良い作用がある事が知られています。
認知能力の低下を防ぐ、アルツハイマーの予防になるとの研究もあります。
このポリフェノールはアルコールと一緒だと身体の中で安定して、吸収される率が高まるとされています。
そういう意味で、赤ワインは身体に良いのでしょうね。
でももう1つ、飛行機でフランスの領域に入ると広々とした畑が目につきます。
そこで改めてフランスの農業の充実さを実感させられます。
豊富な農作物、特に野菜や果物が健康に役立っているのだと考えられます。
肥満の子供にはフルーツジュースより果物を
質問
子供を病院につれていく時、子供がむずかるのでジュースを持たせています。
先日義母に「そんなにジュースを飲ませていいの」と聞かれました。私は「100%ジュースだから、果物を食べさせているのと同じです」と言ったら、「そんなものかね」と言われました。実は私も少し疑問に思っていた所なのですが、どうでしょうか。
答
ジュース等の甘い物は小児はとても好きです。一部には脳の発達には糖分は不可欠との考えがあり、「おやつ」として与える事は有意義だと考えられます。
しかし、子供がむずかるので「ジュースで気持をそらす」というのは、病院に行く時など必要な時に限った方が良いかと思います。あるいは果物の摂取が足りないと思った時にあげるようにしたらどうでしょう。
100%ジュースは飲み易さ、甘さ、美味しさ等からどうしても過量になりがちです。特に体重が標準的な子供に比べ、大きいお子さんは注意が必要と考えられています。
摂取される事は良いとしても、1日の飲む量をきちんと管理された上で飲ませる事が必要でしょう。
米国小児科学会では、生後6ヶ月までは離乳食の中にジュースを含めない方が良いと指摘しています。
ジュースより果物を丸ごと食べる方が身体に良いという考えもあります。
これは果物を直接食べる方が繊維質が含まれているという点や、1つの果物でも部位によって食品成分にバリエーションがあるという考えがあるからです。
またジュースの原料や製造過程の情報が十分伝わっていないという考えも一部にあります。
カレーライスは健康に良い事が多い
カレーライスの中にはサリチル酸が多く含まれています。
サリチル酸とは、解熱、鎮痛作用があるアスピリンの構成成分です。このアスピリンは心筋梗塞や脳梗塞など血管がつまる病気を経験された方の再発予防としても使われるお薬です。
このアスピリンの原料となるサリチル酸が入ったカレーライスは、理論上は血管がつまり易い人にとっては予防効果がある可能性があります。
カレーライスは好き嫌いの無い食べ物の1つです。中年以降は健康のため、カレーライスをメニューの1つに加えてはどうでしょうか。
但し、1つ注意があります。アスピリンアレルギーつまりサリチル酸アレルギーの方がおります。特に子供の場合アスピリンアレルギーのある人は注意が必要と言われています。