婦人科の病気.

骨粗鬆症

骨粗鬆症

日本では骨粗鬆症の方が約1000万人おられると推定されています。大まかに言えば国民10人に1人という事になります。 また、大腿骨頚部の骨折の方は全国で約8万人と言われております。 この大腿骨頚部骨折は一度おこると約40%の方が退院出来ないと言われております。 このまま寝たきりになるとその後の生活に大きな影響が出る事になりますね。 骨粗鬆症にならないような予防や、治療などを考えていきましょう。

骨は新たに作られる作用と破壊される細胞の綱引みたいなものです。

年令は骨が破壊される方に運動や食事はそれを防げる方に働きます。 若い方は骨を作る方が優勢です。 骨の量の目安になる骨密度でみると、この骨密度は普通の方でだいたい20才位までで最大値になると考えられ、40才位までそのままのレベルが保たれると考えられています。 その後少しづつ骨密度が減少する事が分かっています。

女性の場合、2つの点で男性と異なる点があります。 1. 女性の方が骨粗鬆症が多いと考えられています。 2. 女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少すると骨量が低下します。→更年期近くになると、自然に骨量が少なくなるのが普通です。 3. 妊娠や授乳の際、多くのカルシウムが必要になります。これは赤ちゃんの成長のためです。この結果、妊娠や授乳を経験された方はカルシウム不足→骨量の低下がおこりやすくなります。 4. あまり過度のダイエットは骨粗鬆症やその予備軍になる事があります。本来ダイエットは体重が増えすぎる事で何らかの病気が予測される時に行われるべきものです。医療の場からみてダイエットの必要のなさそうな方でもダイエットされている方が多いようです。過度のダイエットをせず骨の美人になりましょう。 コラム 現在でも栄養が十分ではない国では、出産後若い女性の骨折があるとの事です

女性の場合、2つの点で男性と異なる点があります

  1. 女性の方が骨粗鬆症が多いと考えられています。
  2. 女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少すると骨量が低下します。→更年期近くになると、自然に骨量が少なくなるのが普通です。
  3. 妊娠や授乳の際、多くのカルシウムが必要になります。これは赤ちゃんの成長のためです。この結果、妊娠や授乳を経験された方はカルシウム不足→骨量の低下がおこりやすくなります。
  4. あまり過度のダイエットは骨粗鬆症やその予備軍になる事があります。本来ダイエットは体重が増えすぎる事で何らかの病気が予測される時に行われる べきものです。医療の場からみてダイエットの必要のなさそうな方でもダイエットされている方が多いようです。過度のダイエットをせず骨の美人になりましょ う。
コラム
現在でも栄養が十分ではない国では、出産後若い女性の骨折があるとの事です。

骨粗鬆症の検査

検査には2つの大きな考え方があります。

  1. 脊椎の骨の部分のレントゲン検査
    • 骨のレントゲン検査では骨の構造をみる事で骨粗鬆症の有無が分かります。
    • また自覚的な症状のなかった、骨粗鬆症が原因の骨折を見つけることが出来ます。
  2. 骨密度の測定
    • 骨密度測定とは、超音波やX腺で骨の中のミネラルの成分を測るものです。ある一定の単位の中にこのミネラルがどの程度入っているかで骨粗鬆症を判断しようとするものです。骨密度は大たい骨の強さを表すものと考えて良いでしょう。
    • 測定した骨密度が、20〜40才の最も骨密度が高い時と比べて80%以下の時は骨減少と言われ、70%以下の時は骨粗鬆症と言われます。
    • 骨密度が低くなると、それに応じて骨折の可能性が高くなると考えられています。
    • 実際の検査方法は幾つかあります。
      1. レントゲンを利用する方法
      2. 超音波診断装置を利用する方法
        測定する部位も機器により異なる事があります。このため1つの医療機関で骨粗鬆症と言われても別な病院では大した事がありませんと言われる事があります。調べる場所や検査方法が違うと結果も違って出る事があると言うことですね。
        出来れば1つの医療機関で定期的に調べると、骨量の年齢的な変化が分かります。
    • 尿や血液で検査する方法…骨代謝マーカー検査といいます。

      骨密度を測定するものではありませんが、骨が破壊される(吸収されるといいます)指標や、骨がつくられる指標を血液や尿の検査でみる事が出来ます。
      X線や超音波検査ですでに骨粗鬆症と言われている方は、骨代謝マーカーの異常が出た場合に将来の骨折の可能性が推測されると言われております。

    • 骨吸収マーカー
      • NTX 法
      • DPD 法
      • CTX 法 などがあります。
    • 骨形成マーカー
      • BAP 法 があります。

        それぞれ基準の値があります。異常な値が出ると医師から症状に合わせたいろいろな治療がすすめられる時があります。
        例えば骨形成マーカーが正常だが、骨吸収マーカーが高い時は骨吸収を抑えるお薬など。

これらの値を測定する事で、症状に合わせた適切なお薬を選択する事が出来る可能性があります。また、お薬を使った後の効果も知る事が出来ます。

症状

  • 骨粗鬆症そのものは自覚的な症状はあまりないのが普通です。 しかし次のような症状のある方は注意しましょう。
    1. 腰痛がある時
    2. 猫背になってきた時
    3. 特に転んだ等の記憶がないのに骨折していると言われた時
    4. 40代以上の方で骨折した時
    5. 身長が2㎝以上短くなった時
  • 骨粗鬆症に気をつけた方が良い方がおられます
    1. やせすぎの方
    2. 月経不順がつづいている方
    3. 早くに閉経になった方
    4. タバコをたくさん吸う方

      1〜3の条件がある方で、タバコを沢山吸われる方はより注意が必要ですね。

  • 他の病気があって骨粗鬆症になり易い時があります。しかしこれらの病気になったからと言って必ず骨粗鬆症になる訳ではありません。心配な方は専門医の所で骨量の測定をうけるようにしましょう。
    1. 糖尿病
    2. 甲状腺機能亢進症
      代表的なものにバセドー病があります。
    3. 肝臓の悪い方
    4. 腎臓の悪い方

骨粗鬆症にならないために

1.食事

1.カルシウムの多い食事をとるよう心掛けましょう。

日本人の1日のカルシウムの摂取量は平均500㎎といわれています。これを800㎎までにするのが良いとされています。現在の6割増やすという事ですね。

カルシウムの多い食品

  1. 牛乳 ヨーグルト プロセスチーズ
  2. 海老あられ ひじき 桜えび
  3. 小松菜 切干し大根 ほうれん草
  4. 高野豆腐 木綿豆腐 納豆
  5. 白いりごま

2.骨密度を高くするミネラルであるマグネシウムやカリウムを摂取する事も大切です。

マグネシウムの多い食品カリウムの多い食品
納豆里芋
ほうれん草さわら切り身
バナナさつまいも
ひじきバナナ
つぼぬきいかほうれん草
木綿豆腐納豆
あさりじゃがいも
さつまいも牛乳
茹アズキ缶ひじき
だし昆布小松菜
粉ピーナッツキウイフルーツ
枝豆

3.各種のビタミンも大切です。
ビタミン(ビタミンB、C、D、Kなど)に富んだバランスの良い食事をとるようにしましょう。
野菜や果物など根気よく続ける事が大切です。
ビタミンDは腸からカルシウムが吸収されやすくする作用があります。
骨粗鬆症の治療薬としてビタミンDがある程です。
ビタミンKは骨の中にある蛋白質(オステオカルシンといいます)の働きを良くして骨の形成を助ける作用があります。やはり治療薬としてビタミンKが使われる時があります。

ビタミンDの多い食品ビタミンKの多い食品
鮭切り身納豆
にしん小松菜
さんまほうれん草
うなぎブロッコリー
黒がれいにら
さば切り身キャベツ
きくらげ(乾)カットわかめ
鶏卵大根菜
豚レバーきゅうり
しめじ
干椎茸
生椎茸

4.骨粗鬆症を予防するための食品の食べ方にも気をつけなければいけない所もあります。

  • 乳製品からカルシウムをとる事はとても効果的なのですが、牛乳だと脂肪分やカロリーが余計な時があります。高脂血症の方やカロリーのとり過ぎに注意が必要と言われている方は気をつけましょう。そういう時は豆腐や小豆あるいは野菜などからとるようにしましょう。
  • バランスの良い食事の摂り方が大切です。
    例えばカルシウムの多い食品だけでなくカルシウムの吸収を助ける食品などもあります。 良質の蛋白質など
  • サプリメントの形でとられた方が手っとり早いと考えられる時があります。
    確かに貧血の時には鉄剤を内服する事、カルシウム不足にカルシウムのサプリメントをとる事は効率が良い事は確かです。
    しかしとりすぎに注意しなければいけない時もありますから注意しましょう。
  • ビタミン類もバランスの良い食事をとる事で摂取するようにしましょう。
    食事はバランスのよさが大切です。1日単位、1週間単位、1ヶ月単位でどうかといった長期的な見方をされると良いですね。

2.嗜好品 

  1. タバコ 女性は特に注意が必要です。

    タバコはカルシウムの吸収のジャマをします。
    また女性では閉経を早くする可能性がある事から、女性ホルモン不足→骨粗鬆症になり易くなるという可能性があります。

  2. コーヒー

    コーヒーを多く飲むと尿からのカルシウム排泄が多くなるという研究があります。(Suzuki T.ら Bone 21;461-467 1997)しかし今のところ、そうでもないという研究もあり、程々であれば良いのではないかと考えられています。

  3. アルコールとタバコの両方とも好きな方は注意しましょう。

    アルコールは量が多く、アルコール中毒と言われる程でなければ骨量に影響しないと考えられています。但しアルコールとタバコの組み合わせは骨粗鬆症を進行させる事があります。

  4. 清涼飲料水に注意しなければいけない製品があります。

    清涼飲料水の中には、カルシウムを外に出してしまう成分が入っている時があります。(ポリリン酸といいます。)

3.運動


骨密度を保ったり骨折を予防するためには運動が大切です。 運動は日常の動作だけでは少し足りないかも知れません。意識して運動量を増やす事が必要と考えられています。
高齢者でゲートボールを愛好している人は骨密度が同じ年齢の方より20〜30%高いという研究結果があります。
林 泰史、骨粗鬆症と運動、日本医師会雑誌 104;1175,1990

運動に関しては、運動に制限がある方と制限のない方に分けて考えなければなりません。
また身体に無理のかかる運動、つらいと思うのに無理に行う運動はかえって良くない事があります。


  • 運動に制限のある方
    • 心臓や血管に負担がかかり過ぎるといけないと言われている方は注意しましょう。
    • 医師と相談の上、自分に適した運動の種類あるいは量を考えるようにしましょう。
    • 既に骨粗鬆症のある方、骨折した事のある方は、医師、理学療法士など専門家の指示をうけ、リハビリなど専門治療をうける事が大切です。
    • 日光浴も骨粗鬆症対策には良いものです。また日差しを浴びながらお部屋の中を歩くだけでも効果が期待できます。
  • 運動制限のない方

    運動は積極的に行いましょう。
    既に骨粗鬆症と言われていても、十分に回復する可能性があります。

    • 日常の運動ではウォーキングをおすすめします。
      1日10000歩が目標です。なかなか時間がとれない方は、1週間に3回、30分位のウォーキングが出来れば良いですね。
      なお散歩中は時々身体をねじる様にしながら歩くと良いと言われております。
    • お掃除は意外と運動になります。
      きれい好きは身体にも良い!
    • ラジオ体操、テレビ体操の活用
    • 水泳は今ブームです。
    • 学生時代にやったスポーツを思い出すのはどうでしょうか。
      ダンス、水泳、卓球、テニス、ママさんバレー、ゴルフ、太極拳、日本舞踊など
阿波踊りは本場ではかなり練習されるとか。もしかすると徳島県では骨粗鬆症の方が少ないかも知れませんね。
4.転倒を予防しましょう。
骨粗鬆症の方や、その予備軍の方で一番心配なのは転倒による骨折です。
若い方は何かあってもバランスがとれますから転ぶという事はあまりないかも知れませんが、お年寄りはそうはいきません。
転倒→骨折→長期臥床につながりかねませんので気をつけましょう。
  1. 転倒外来・転倒教室があります

    転倒しやすい理由がある時があります。例えばバランス感覚がおちている、筋力がおちているなど。
    これらを強化したり、訓練すると転倒する回数が大幅に減る事が分かっています。

    整形外科、リハビリテーション科にお問い合わせ下さい。
  2. ヒッププロテクター

    転倒した事がある方、その恐れがある方は大腿骨頚部骨折を予防する効果のあるヒッププロテクターという器具を使用されると良い時があります。

    整形外科をはじめ専門家と御相談下さい。

    太っている方は意外と骨折しにくい
    太っている方は、やせている方に比べ転倒しても骨折する確率が低いという研究が意外と多く出されています。
    脂肪が身を守るのか、筋肉の量が多いのでしょうか。
    でもだからと骨折予防だからと言ってどんどん太るのは良くありませんね。

    骨粗鬆症の治療の1番の目的は骨折の予防です。

治療

  1. 骨粗鬆症の疑いがある時、将来骨粗鬆症になる可能性が高い時などは医師から食事や運動療法がすすめられます。
  2. お薬がすすめられる時があります。

    お薬にはいろいろな種類があります。


骨が破壊されるのを予防するお薬

  • 女性ホルモン剤(HRT療法…ホルモン補充療法として知られています)

    卵胞ホルモン剤(エストロゲン剤)が用いられます。
    内服するお薬とはり薬があります。内服薬は1日1〜2回内服、はり薬は2日に1回あるいは週2回はり替えるのが普通です。このお薬は子宮内膜癌の予防のために黄体ホルモン剤と一緒に使用される事があります。しかし長期間使用で、乳がんの発生率が高くなったり、心血管系の病気になる確率が高くなる可能性があると言われているため、漫然と長期間使用する事は避けるようにすすめられるようになっています。

  • カルシトニン

    ウナギやサケが原材料です。
    お薬の種類によって1週1〜2回の筋肉注射が用いられます。
    腰痛などの痛みがある時には特に有効と言われています。

  • ラロキシフェン(SERM-selective estrogen receptor modulator)

    骨に卵胞ホルモンと同じように働きますが、卵胞ホルモンのように乳がんが起きる可能性は少なく、むしろ発生する可能性を低下させると考えられています。また心臓や血管系にも副作用は及ぼさないと言われています。
    副作用は肝機能障害がおきる可能性がある事、静脈血栓症が起こる確率が高くなる事があると考えられています。

  • ビスホスネート剤

    比較的最近出たお薬です。
    骨の破壊を抑える作用はかなり強力です。現在の所、骨折防止薬としては最も明らかな証明があるお薬と考えられています。
    胃腸の副作用が出る事があります。

主に骨をつくるように働くお薬

  • ビタミンK2剤

    他の薬剤と一緒に使用される事が多いお薬です。

  • 副甲状腺ホルモン(PTHといいます)

    PTHは骨形成作用がある事が分かっていますが日本ではまだ使用許可が出ていません。

その他のお薬

  • カルシウム剤

    カルシウムそのものを内服する方法ですが、今の所骨粗鬆症にどれだけ効くか明らかな証拠がないという研究もあります。
    しかし日本人のカルシウム摂取量が少ない事は確かですから、内服していて悪い事はないでしょう。

  • 活性型ビタミンD剤 腸からのカルシウムの吸収をよくするお薬です。
お薬ではありませんが大豆イソフラボンお薬として扱われていませんが、大豆の中に含まれるイソフラボンに骨を形成する作用があるという事から健康食品の形で市販されるようになっています。

お薬の副作用

  1. 一般的には骨粗鬆症のお薬は長期間用いられるのが普通です。副作用が出る確率が低いお薬でも、もともと心臓や血管に合併症をもっておられる方の場合、注意しなければいけない副作用が出てくる時があります。何か心配な点があれば医師と相談しましょう。
  2. 個々の副作用については、それぞれのお薬の箇所をご覧下さい。 なおお薬の副作用は、比較的多く出てくるものから稀にしか出ないもの、その時の体調や個人の体質によると考えられるものまで、いろいろな出方があります。また他のお薬と使う時は注意しなければならない時もあります。
    このためお薬の使い方について心配な方は医師や薬剤師とお話をしましょう。

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