婦人科の病気.

子宮癌 −1.子宮頚癌

HPVワクチンが使用できるようになりました。 予め副作用についても知っておきましょう

■ HPVワクチンは2種類が使用可能になりました。1つは「サーバリックス」というワクチンです。 1.どんな人が対象になるか。 2.子宮がん全部に効くのか。 3.ワクチンを使ったら、もう子宮がんにならないのか。 4.今後の子宮がんの検診はどうしたら良いか 等、質問が沢山あると思います。 当ネットにも幾つかのポイントが出ていますので御利用下さい(女性の病気:婦人科の病気−子宮がん)。 なお詳しくは担当医からの説明をうける事をおすすめします。 今回は副作用の注意点を幾つかあげておきましょう。 1)・かゆみ、注射部の腫れ、痛み   ・吐き気、腹痛、下痢などの胃腸症状  ・筋肉痛、関節痛、頭痛、疲労感などが10%以上の人に起るという使用前調査があります。 2) 発疹、蕁麻疹、発熱、喉の風邪のような症状が出る可能性もあるそうです。    1〜10%位だそうです。 3) 注射した部分のピリピリ感、ムズムズ感などの症状が出る人も少数いたそうです。    0.1〜1%未満 4) 息切れ、息苦しい、動悸、失神等の症状が出た人も僅かにいたそうです。 このためワクチン接種後30分位は、病院で何も起こらない事を確認してから帰宅する事がすすめられています。

■ もう1つのワクチン「ガーダシル」も似たような副作用が指摘されています。 1)注射部の痛み、発赤、腫れ、かゆみがあった他、頻度は少なかったものの、出血や不快感もあったそうです。 2)漸進的な症状として、発熱(5.7%)、頭痛(3.7%)、倦怠感(1.2%)、四肢の痛み(0.5%)の他、腹痛(0.4%)、下痢(0.4%)、吐気(0.4%)などの胃腸症状が指摘されています。 3)1週間位経って痛みや、痒み、腫れの症状が出たり、蕁麻疹や眠たくなった、鼻閉や鼻水等の鼻の症状が出る時もあるそうです。 ■ なお最近ワクチン投与後の失神が問題になっております。 製薬会社から、ワクチンを投与する医師に注意情報が出ております。 医師の側から注意事項の説明があったり、注射後の経過の観察があると思いますが、帰宅後心配な事があった時は医師に連絡しましょう。

①子宮頚がんの最近の特徴

①子宮頚がんの最近の特徴


  • 子宮がんの約60%は子宮頚がんです。
  • 最近若い女性に多く見つかる傾向があります。
  • がんだけではなくその前段階と考えられる状態がさらに若い方から見つかるようになっています。
  • 子宮頚がんの原因にパピローマウイルスというウイルスが関与していると考えられるようになってきました。
  • 他の性感染症と一緒にパピローマウイルスが感染する可能性もあります。
  • 子宮頚がんには顕微鏡でみた形で扁平上皮がんと腺がんに分けられます。ここではまず割合の高い扁平上皮がんについてお話をしましょう。
■最近の特徴からどんな事をしたら良いでしょう。
  • 若い方でも(20才をすぎていたら)婦人科受診の機会があったら癌の検診をうけましょう。
  • クラミジアなど婦人科の感染症になったら一緒に癌の検診をうけられる事をおすすめします。

②子宮頚がんの検診方法

②子宮頚がんの検診方法


  1. 細胞診検査
  2. 膣拡大鏡診検査(コルポスコープ検査)
  3. 組織検査

    の3種類があります。

    細胞診検査

    1.検査方法

    子宮の出口の所のがんの出来やすい部分を綿棒やヘラでこすりとり検査します。
    ガラスの板に採取した細胞をこすりつけた後、染色して顕微鏡でそれぞれの細胞の顔つきを検査します。

    ※細胞の検査は細胞検査の専門家が判断します。

    結果大きく分けてクラスⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの5段階に分かれます。
    このうちⅢはさらにⅢaとⅢbに分かれます。
    これらがどんな意味があるか少し詳しく説明すると次のようになります。

    2.細胞診の検査は次のように出来ます。

    クラス分類
    異常ありません全く異常な細胞が出ていません。1年後の検診で結構です。
    基本的に異常はないのですが、炎症があったりホルモンのバランスがくずれて少し活動力のある細胞が出る事があります。多くは念のため6ヵ月後の検診がすすめられます。
    Ⅲa気をつけて現在がんが疑われる状態ではありませんが、やや活動力が出ている細胞が出ており、少し異型性が出てきた細胞と考えられる状態です。医師の指示に従い定期的な検診をすすめられます。自然にⅡやⅠになる事もありますが、いつもⅢaであれば精密検査をすすめられる時があります。
    Ⅲbがんではないものの将来がんになる可能性もある細胞と言えます。現在の所この状態の方は約20%が将来初期の癌になる可能性があると考えられています。精密検査をすすめられるのが普通です。
    がんの疑いあるいはがんと考えられる初期のがんが疑われます。
    進行したがんが疑われる状態です。

※さらに細かくクラスⅡがⅡとⅡb(あるいはⅡR)に分けられる時があります。
クラスⅡb(あるいはⅡR)は基本的にはクラスⅡの範囲ですから良性と考えられる細胞が出ている状態です。
ただ何らかの膣内の炎症があったり、ホルモンのバランスのくずれがあると、新陳代謝が盛んで活動力のある細胞が出てきて、Ⅲaの細胞と区別しにくい細胞が出てくる時があり、これをⅡb(あるいはⅡR)としています。
念のため3ヶ月とか6ヶ月後に再検査をすすめられる時が多いのですが、殆どがクラスⅡ以下に戻ります。

※活動力のある細胞って何でしょう。
身体のどの部分でも新陳代謝がすすみ、古い組織がはがれ、新しい組織にかわると、新しい組織は若々しく元気のよい(活動力のある)細胞の形で出てきます。
これを顕微鏡下で観察すると、若々しさがそのまま観察されます。
しかし元々Ⅰ、Ⅱのグループの良性の若々しい細胞と、Ⅲa以上の要注意の細胞では同じ若々しい活動力のある細胞でも、その形で明らかに区別が可能です。この段階で顕微鏡観察の専門家は良性と、そうでないものの区別を容易に判定するのです。
勿論ⅣやⅤの時の細胞も区別が可能です。


膣拡大鏡診


子宮の出口の癌の出来やすい部分を拡大鏡で観察します。 検査の時は痛くはありません。
※膣拡大鏡診の時はトレーニングをうけた医師が行うのが普通です。

組織検査


  1. 膣拡大鏡診にて異常と判断された部分を大きく削り取って検査する方法です。
    検査は痛みは殆どありません。
    検査後出血する事がありますが、この際止血処置をうける時もあります。
  2. 組織検査の結果
    組織検査の結果は大きく分けて次の3つに分類されます。(これを組織分類と言います)
    1. 異常なし
    2. 異形成上皮
      異形成上皮はがんではありませんが、異常な成長性をもつと考えられる細胞があつまった状態をいい、3つに分けられます。
      1. 軽度異形成上皮
      2. 中等度異形成上皮
      3. 高度(または重度)異形成上皮
    3. 癌 初期がん 進行がん

これを先の細胞診の結果と比べてみると大たい下の図のような関係になります。

細胞診クラス クラスクラス
ⅢaⅢb
 組織診  異常なし  軽度 中度
 異形成上皮 
 高度
 異形成上皮 
 癌 
 初期癌  進行癌 

※がん検診には3つの専門家集団が検査に関ります

子宮頚癌取扱
規約分類
正常異形成上皮(dysplasia)上皮内癌
(CIS)
軽度中等度高度
CIN分類正常123

CINというのはCervical Intraepithelial Neoplasia の略です。
従来から日本で使用され、一般的になっている異形成上皮(今癌ではないが、軽度〜高度に従って将来癌になる可能性に差のある上皮異常)と比べて
同じなのは、
   CIN-1は軽度異形成上皮    CIN-2は中等度異形成上皮
違うのは、CIN-3が高度異形成上皮と上皮内癌を合わせた状態を言います。 これには高度異形成上皮と上皮内癌が生物学的には非常に似たものであるという認識があるのかも知れません。

ベセスダシステムの御紹介 新しいがん検診の診断基準が出来ました。 子宮がんやその前の状態と考えられる状態(異型成上皮)がHPVというウイルスが原因と考えられるようになったため、子宮がん検診の新しい分類方法が採用されました。これをベセスダシステムといいます。 ベセスダシステムの考え方(分類方法)

結果NILMASC-US
(アスカス)
ASC-H
(アスカス-ハイ)
LSILHSILSCC
日本語の意味陰性意義不明な異型扁平上皮細胞HSILを除外できない異型扁平上皮細胞軽度扁平上皮内病変高度扁平上皮内病変扁平上皮癌
推定される顕微鏡レベルの異常腫瘍性の異常はない。炎症のある時がある。軽い扁平上皮内病変の疑い高度の扁平上皮病変の疑いHPV感染軽度異形成中等度異形成〜微少浸潤癌の疑い扁平上皮癌
従来のクラス分類Ⅰ、ⅡⅡ〜ⅢaⅢa〜ⅢbⅢaⅢa、Ⅲb、Ⅳ、Ⅴ
これらの結果が出た時は場合によりHPV検査をすすめられる事があります。検査をうける意義、メリット等については医師と相談しましょう。 なお、新しい分類システムですが、今までの分類から急にかわると検診をうけていた方が混乱する事があります。 このためしばらくは両方の分類を合わせてお伝えする場合や、以前の通りでお伝えする場合もあります。 子宮がんの検診では(他の部分のがん検診もほぼ同じですが)
細胞診検査 細胞をみる専門家 膣拡大鏡診 トレーニングをつんだ婦人科医 組織検査 病理診断医
の3つの部門でそれぞれの専門家が独立して判断をするシステムになっています。それぞれの部門で(3つの部門で)チェックを行い間違いをそれだけ少なくしようという働きがあります。 ベセスダシステムについて 詳しくは

ベセスダ分類

こちらをご覧下さい。

③子宮頚癌とパピローマウイルス

現在の所子宮頚がんの原因になる可能性のあるパピローマウイルスは100種類以上ある事が分かっています。 この中で将来癌になる可能性のあるハイリスクグループと、それだけでは癌になる可能性のないローリスクグループに分かれると考えられています。 最近このパピローマウイルスの感染があるか、ハイリスクかローリスクかが分かる様になりました。 またどのタイプ(タイピングと言います)であるかという、より詳しい検査も可能となってきました。 現在の所、ヒトパピローマウイルス検査(HPV検査)の検出の感度はとても高いと考えられています。 一方で癌検診の最初のステップである細胞診検査は100%の精度をもつものではありません。このため、この2つの検査が同時に出来れば癌検診としては大きな力になるのは分かっているのですが、今の所幾つかの問題点があります。

  • HPV検査で陽性と出ても、それだけで将来癌になるとは限らないと考えられている事、この点は将来さらに研究が進むと、明らかになる事が増えるでしょう。
  • HPV検査が1度陽性と出ても、次に消える事があるため、今の所HPV検査だけに頼らず、他の検査も必要であろうという事。
  • 保険が効かないため、健康診断としてはやや費用がかかる点などです。


    ◆HPVウイルスとワクチン

      (1)はじめに HPV(ト ピローマ イルス)は今腟内に約40種類位感染する可能性があると考えられています。 この中で将来がんになる可能性のあるハイリスクと考えられているウイルスがいます。 なかでも16型と18型は悪性になる可能性が高いと考えられています。 欧米では、16型・18型が多く 日本では、16型・31型・58型などが多いと考えられていますが、日本でも若い女性を中心に18型が増えてきているようです。 (2)現在考えられている子宮頚がん関連HPVの型 16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、69、73、82型など (3)検査法と費用 幾つかの検査法があります。 細胞診検査という子宮がん検診と同じ方法で行われる事が一般的です。 1. 検査の結果 • 結果が、16型・18型など型が出てくる検査法があります。 • 型は出ないものの、ハイリスクかローリスクかが分かる方法があります。 • その中間のタイプがあります。 2. 費用は結果がどの様な形で出るかによって、つまり検査法によって違います。保険が効きませんので、だいたい数千円〜1万円台の所が多いようです。 (4)HPV検査結果が出たらどうしたら良いでしょう。 1. ハイリスクの中でも16型や18型が出た場合は要注意です。今、細胞診検査でⅢaやⅢb、組織検査で軽〜高度異形成上皮が出ている場合は、円錐切除を含めた手術をすすめられる場合が多いようです。 今細胞診等の検査で異常が出ていなくても、専門医のアドバイスを聞く事が大切です。 2. 16型や18型以外のハイリスクでも、今細胞診、コルポ診、組織診で異常が出ている人は、やはり専門医との相談が必要です。 細胞診Ⅲbの人は精密検査を、組織診高度異形成上皮の人は、やはり円錐切除を含めた手術をすすめられる事があります。 3. ローリスクであっても、細胞診に異常が出ている時は安心してはいけません。医師のアドバイス通り、定期的な通院が必要です。 4. 今のところ、初期のがんになった人でも100%HPVが検出出来ている訳ではありません。まだ未知のHPVがいたり、別の原因でがんになる可能性が完全に0とは言えません。このため今までの癌検診は必要と考えた方が良いでしょう。 5. 但しがん検診にHPV検査を併せて行うと検診の正確度が極めて高くなると考えられています。(因みに日本の細胞診検査の精度は高いのですが、外国では50%位の精度しかないという調査があります。これにHPV検査を加えると100%近くになるという調査があります) 6. HPV感染が2種類以上ある時、特にハイリスクが2種類以上ある時はより注意が必要と考えられるようです。 (5)ワクチンの種類と投与回数 ワクチンには2種類あります。 1. 16型と18型に効果があるタイプがあります。 日本ではこちらが先に使用可能になります。 このワクチンは、1ヶ月後、6ヶ月後に3回の注射が必要です。 2. 16型、18型、6型、11型に効果があるワクチンがあります。 6型と11型は尖圭コンジローマという良性のイボ(性病と考えられています)に効果があります。 こちらは投与した月、その2ヵ月後、6ヶ月後の3回投与です。 (6)ワクチンはどの位効いているのでしょうか。 ワクチンを製造している会社のデータからは4年間の効果は、はっきりしている様です。 また、研究者によるデータでは多分7〜8年の効果の持続が推測されていますが、どれだけ持続するかは、直接担当医とお話をしておいた方が良いと思います。 2009年の段階で、使用されて7年しか経っていませんので、長期のデータが集まっていません。 (7)費用はどの位かかるでしょうか。 今の所このワクチンは自費治療です。 3回合わせて数万円(5万〜6万円)かと考えられていますが、ワクチンを投与している病院に予め問い合わせた方が良いでしょう。 (8)HPV16型、18型の人にもワクチンを投与する意義はあるでしょうか。 HPV16型と18型の人に効果のあるワクチンですから、16型や18型に既に感染している人には理論的には直接の予防効果がありません。しかし、このワクチンは16型や18型の感染が持続する作用を減らすという研究があります。その意味では、16型や18型が長期に存在して、将来がんになるという事を、予防するかも知れません。 また、ウイルスが一度消失した場合(自然、手術後など)にワクチンを接種すると、再感染を予防出来ると考えられています。 これをcatch up接種といいます。 (9)このワクチンは他のHPVには効かないのですか。 HPVウイルスは似たような性格をもったタイプがあります。このため16型、18型を対象としたワクチンでも、他のタイプに効果があると考えられています。しかし16型、18型を完全に抑え込む程の力はもっていないようです。 (10)ワクチンの副作用はどうでしょう。 これまでの開発段階での副作用調査や既に使用されている100ヶ国以上のデータをみると、次のような副作用が指摘されています。 1. 発熱(13%位) 2. はき気 3. 鼻咽頭の炎症症状 4. めまい 5. 下痢、嘔吐、筋肉痛、咳などだそうです。 しかしまだワクチン接種が始まって7年しか経っていませんので、長い期間による副作用については分かっていない事もあります。 (11)妊娠中のワクチン投与は−1− 妊娠中のワクチンの接種は認められていません。まだ副作用のデータが集められていないからです。 (11)妊娠中のワクチン投与は−2−  子宮頚がん予防のために、HPVワクチン投与をする事が広がりつつあります。 日本でも諸外国にならって、地方自治体で公費による小中学生のワクチン投与が始まっています。  さて、このワクチンは妊娠中の投与は勧められていません。 アメリカのFDA(食品や薬剤の安全性に関する専門機関)では、カテゴリーBに分類されています。 これは、動物実験では胎児に異常を起こす事はないけれど、人間では実験が行われていないという意味です。  最近アメリカの産婦人科専門雑誌OB-GYに相次いで妊娠中のHPVワクチンの影響についての論文が出ました。 ワクチン投与中に妊娠と分かった人 517人を調べた調査では、①自然流産の比率も ②胎児奇形の比率もワクチンを投与しなかった人達に比べて差はなかったそうです。  またワクチンの効果や副作用についての試験を行っていた時の調査では、ワクチンを投与中に1796名の人が妊娠したそうですが、やはり自然流産率、胎児死亡率、奇形率に差がなかったそうです。  ただし、これらの数だけでは、まだ結論的な事は言えないとの事です。 妊娠中に使用した経験がもっと集まらなければ、科学的な証明とは言えないからです。 今の所、 1. 妊娠中のワクチンの投与は勧められないという事は変わらないようです。 2. また3回目のワクチン投与後1ヶ月間は妊娠しない方が良いとされています。 3. しかしもし妊娠した時は、妊娠中絶をしなければならない理由はないとされ、この事は日本の産婦人科の専門医の会でも確認されています(日本産婦人科医会)。 (12)男性のワクチン投与は 今のところワクチン投与の対象は女性だけで、男性への投与は考えられていません。 (13)ワクチンが出来た以上、HPVの治療薬は出来ないのですか。 ウイルス性の病気に対する、抗ウイルス剤はいろいろな病気に対して開発されています。 例えば、尖圭コンジローマ、ヘルペス等々です。 HPVに対する抗ウイルス剤も研究中のようですが、今の所まだ完成していないようです。

  • HPVワクチンが使用できるようになりました。 予め副作用についても知っておきましょう。

     HPVワクチンは2種類が使用可能になりますが、まず「サーバリックス」というワクチンが使用可能になります。 1.どんな人が対象になるか。 2.子宮がん全部に効くのか。 3.ワクチンを使ったら、もう子宮がんにならないのか。 4.今後の子宮がんの検診はどうしたら良いか 等、質問が沢山あると思います。 当ネットにも幾つかのポイントが出ていますので御利用下さい(女性の病気:婦人科の病気−子宮がん)。 なお詳しくは担当医からの説明をうける事をおすすめします。 今回は副作用の注意点を幾つかあげておきましょう。 1)・かゆみ、注射部の腫れ、痛み   ・吐き気、腹痛、下痢などの胃腸症状  ・筋肉痛、関節痛、頭痛、疲労感などが10%以上の人に起るという使用前調査があります。 2) 発疹、蕁麻疹、発熱、喉の風邪のような症状が出る可能性もあるそうです。    1〜10%位だそうです。 3) 注射した部分のピリピリ感、ムズムズ感などの症状が出る人も少数いたそうです。    0.1〜1%未満 4) 息切れ、息苦しい、動悸、失神等の症状が出た人も僅かにいたそうです。 このためワクチン接種後30分位は、病院で何も起こらない事を確認してから帰宅する事がすすめられています。

    ④子宮頚癌と診断されたら、次はどういう検査をうけるのでしょうか。

    a)癌が実際どの程度進行しているか判断をうける事が大切です。

    1. まず婦人科の診察で癌がどの程度進行しているか推測します。
    2. MRI、CT、PET検査を参考にして癌の進行度を確認します。
    3. 膀胱鏡などでさらに詳しく調べる事もあります。

    癌の進行期分類と前に述べました細胞診検査のクラス分類(Ⅰ〜Ⅴ)を間違えられる方がおられます。細胞診のクラスⅡといったら癌の2期とは違いますので御注意を。

    b)癌の進行はどのように分類されるのでしょうか。

    進行度分類といいます。
    癌の進行の程度を顕微鏡による検査や婦人科診察、MRIやX線検査などで判断します。

    • 0期 上皮内癌
      がんが子宮の一部に限局しているもので、周囲への広がりや転移がないものを言います。
    • Ⅰ期
      がんが子宮の出口の所(膣部)にとどまっているものを言います。Ⅰ期はさらに詳しく下のように分かれます。これらは手術方法の選択と深い関係があります。

    • Ⅱ期 がんが子宮の出口の部分(子宮膣部)をこえて、膣の方に進んだが膣全体の1/3に達していないもの。あるいは骨盤の方に進んだがまだ1/3に達していないものをⅡ期といいます。
      Ⅱ期はⅡa期とⅡb期に分かれます。
    • Ⅲ期 がんがⅡ期をこえ、膣の1/3以上こえたもの、骨盤の方に進んで1/3をこえたものを言います。Ⅲ期はⅢa期とⅢb期に分かれます。
    • Ⅳ期 がんが女性の臓器のある所(子宮や卵管、卵巣…これを小骨盤といいます)をこえて進行したか、あるいは子宮の前後にある膀胱や直腸に進んだものを言います。Ⅳ期はⅣa期とⅣb期に分かれます。

    ⑤0期、Ⅰa期(Ⅰa1期、Ⅰa2期)、Ⅰb期の違い

    子宮頚がんは初期の段階でみつかる方が多いので、ここでは0期とⅠ期のがんについて詳しくみてみましょう。


    • 0期 顕微鏡検査のレベルで基底膜という膜があります。 この膜はがんが進行しないようにする防衛線みたいなものです。 この基底膜を越えないものを0期…上皮内癌といいます。
    • Ⅰa期とⅠb期 がん細胞が基底膜を越えて、5mm以内の侵潤ならⅠa期、5mm以上ならⅠb期です。
    • Ⅰa1期とⅠa2期
      がん細胞が基底膜を越え3mm以内 しかも横の広がりが7mm以内の時はⅠa1期 がん細胞が基底膜を越え3〜5mm以内あるいは横の広がりが7mm以上の状態をⅠa2期といいます。

    ⑥子宮頚がんの治療は主に手術療法、放射線療法、抗がん剤の治療があります。

    これらの治療は1がんがどの程度進行しているか、2何か大きな合併症がないか、3特殊なタイプのがんで治療法に制限があるものではないか、4赤ちゃんを望 んでいるか などを考えて決定されます。治療法の決定には医師から詳しくお話があるのが普通です。治療をうける側としてはその内容がよく理解できるまでお話を聞く事が大切です。


    a)手術療法
    1. 円錐切除(ループ法、レーザーメス法、コールドナイフ法 など) 子宮そのものは残りますので将来赤ちゃんを生むことは可能です。
    2. 単純子宮全摘術
    3. 準広汎子宮全摘術
    4. 広汎子宮全摘術

    ※リンパ腺郭清術

    がんの進行の程度によってはリンパ腺の切除が必要になります。 リンパ腺の切除の範囲は転移の程度により変わります。

    b)放射線治療法

    放射線療法は最近非常に良い治療効果が得られるようになってきました。
    以前は手術が出来ない程進行した方や、高齢者で手術が不可能な方にこの治療を行うというイメージでしたが、最近はより積極的に使用がすすめられるようになってきております。
    放射線治療がすすめられる時は、婦人科医の他、放射線専門医から詳しくお話があるのが普通です。

    c)抗がん剤治療

    進行度が進み手術の対象にならなくなったり、放射線あたる部分以上に広がった方に用いる方法です。
    また再発された方で抗がん剤治療、あるいは抗がん剤+放射線治療で完全に治ったと判断される方も出ており、明らかに効果的な治療法と考えられるようになってきました。

    d)手術と放射線

    手術と抗癌剤などの組み合わせがすすめられる等いろいろな治療法が考えられてい ます。

    ⑦子宮頚部腺がん

    子宮頚部腺がんは最近増えてきています。 子宮頚がんは、扁平上皮がんという癌と腺癌に分かれますが(正確にはこの他にもあります)この扁平上皮がんと腺がんの割合が変わりつつあります。 具体的には1960年代には子宮頚がんのうち腺がんが4%位でした。1993年のデータでは14%でした。最近は約20%と言われています。このように腺がんの人が多くなっているのですが、扁平上皮がんの様にまだ研究や調査が進んでいません。  しかし少しづつ腺がんも対策がとられるようになってきております。


    (A)頚部腺がんの問題点 1. 診断そのものがむずかしい。 2. 病気があると分かっても、膣拡大鏡検査で分かる病気の広がりや、深さが判断しにくいため、正確な診断のためには、子宮の出口を円錐切除をしなければならない時がある。 つまり正しい診断に手間取る可能性があるという事になります。 3. 子宮頚管という場所(子宮の入り口から奥に入った所)に異常がある事が多いため子宮を全部とる手術が多くなる可能性があります。 4. 進行するとリンパ節の転移率が高くなる事がある。また放射線治療の効果が低い事が多い。これらの事を考えると広めの手術が必要になる時があります。 5. Ⅰ期がんやⅡ期のがんに対しては、放射線治療に比べて手術の方が効果的であるとの考えがあります。
    (B)頚部腺がんの分類 1. 腺異形成 がんとは診断出来ないものの、顕微鏡検査のレベルで異常があると考えられるもの。 上皮内腺がんという最初期のがんになる事もあるため、定期的な検査を必要とする状態です。 2. 上皮内腺がん 悪性の腺がんがあるものの、間質といって腺の周囲にまでは広がっていないもの。 扁平上皮がんの0期に相当するもの。転移の可能性が少ない事から、赤ちゃんを望む人は、円錐切除だけで済む事もあります。しかし診断がむずかしい時を考えて子宮の全切除をすすめられる時もあります。 このため手術の方法については主治医との相談が必要になります。 3. 微少浸潤腺がん 本来正常の腺組織がある所にだけ癌があるものの、腺組織から芽が出たように周囲(ここを間質をいいます)に、がんが広がりかかったもの。 扁平上皮がんのⅠa期に相当します。 しかし扁平上皮がんはⅠa1期とⅠa2期に分けますが、腺がんでは分けません。これは腺がんの診断がむずかしい事と、転移が起こりやすい事などによります。 この状態では手術で子宮をとる事がすすめられるでしょう。 この手術は精密検査をうけた上で、リンパ腺を切除する事を含めて、広めの手術をうける事がすすめられる場合があります。 4. 腺がん 3の微少浸潤腺がん以上の状態を言います。 この分類については子宮頚がんの進行期の分類というのがあります。 担当の先生から詳しいお話があるはずです。 主な治療法は手術ですが、リンパ腺を含めた大き目の手術がすすめられる事が多いでしょう。

    ⑧Q & A

    QandAは良くある質問のページにまとめました。
    下のテキストをクリックしてご覧ください。
    >>良くある質問

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