過活動性膀胱
過活動性膀胱とはどんな病気でしょうか。
過活動性膀胱というのは国際的にも認められている異常(Abrams Pら:Neuronol Urodyn 21:167、2002)で、次のような症状のある方をいいます。
- 急激に我慢出来ないような尿意がおこる(これは膀胱におしっこが少しずつ貯まってきて、少しずつ尿意が強くなるという症状ではない)というのが主な症状です。
- 頻尿(昼間8回以上、夜間1回以上)が起こるものを言います。
- 尿失禁(切迫性尿失禁)が起こる方も起らない方もおられます。
- 日本ではだいたい約5人に1人位おられるのではないかと考えられておりますが、大ていは1人で悩まれるか、膀胱炎の症状で泌尿器科、内科、婦人科に通院される方が多いのが現状のようです。
原因は何でしょうか。
1つの原因ではなさそうです。今のところ考えられている原因の幾つかは次のような事です。
- 排尿に関係する神経の異常がある時、脳にある排尿を支配する神経に問題がある時が考えられています。例えば脳血管障害・パーキソン病・アルツハイマー病・脳の腫瘍などに出る時があります。
- 年令によるもの、骨盤の筋肉などが弱くなった時など
- 原因が不明な時もあります。
どんな治療があるのでしょうか。
いろいろな治療が試みられています。悩まれている時は専門医と相談される事が大切でしょう。
主に泌尿器科の医師が相談にのってくれます。もし身近に内科を含め主治医の医師がいればまず相談されると適切なアドバイスをもらえる時もあります。専門医から主に次のような治療法・指導をうける事が多いようです。
- 生活指導 むやみに水分摂取をしない。 適切な水分摂取の指導。
- 体操やトレーニングをすすめられる時があります。
腹圧性尿失禁の時のトレーニングと同じような訓練をすすめられる時があります(腹圧性尿失禁の項目をごらん下さい)。 - 行動療法というのをすすめられる時があります。
医師や専門家からお話があるのが普通ですが、排尿の記録などを書いて、きめ細かな指導をうける事をいいます。 - お薬がすすめられる時があります。
- 切迫性尿失禁のお薬が主に用いられます。 (切迫性尿失禁の項目をごらん下さい)
- 抗うつ剤がすすめられる時があります。
- 膀胱の中にお薬を入れる治療法も役に立つ時があります。 しかしこの方法は医師からお薬の説明を聞いて、指導をうけてから治療をうけましょう。