婦人科の病気.

子宮外妊娠

子宮外妊娠とはどんな病気でしょう。

子宮外妊娠とは、本来赤ちゃんが入る部屋(子宮腔内)に赤ちゃんが入らず、それ以外の場所に赤ちゃんがいる事をいいます。 卵管に妊娠する卵管妊娠が多いのですが、それ以外の場所に妊娠する時もあります。

子宮外妊娠とはどんな所に妊娠するのでしょうか。

いろいろな所に妊娠する可能性があります。

症状

  1. 自分で感じる症状(自覚症状といいます)
    1. 腹痛
      自然の痛み、圧迫される痛み。
    2. 出血
      量が少ない時も、流産の様な出血の時もあります。また出血が長期間つづく時が多いようです。
    3. お腹の中に出血して気持ちが悪くなる、貧血症状が出る。さらに進行すると意識を失う事もあります。
  2. 検査で分かる症状
    1. 尿中の妊娠反応が陽性になります。
    2. 診察で部分的に痛みの強い所がある。
      特に子宮外妊娠の部分。
    3. 超音波検査
      1. お腹の中にいるはずの胎のう(GSと言います・・・赤ちゃんが入る袋)が子宮の中に見えない。
        あるいは胎のう(GS)らしいものが見えるがはっきりしない。
      2. お腹の中に出血している。特に子宮の周囲や子宮の後。
      3. 卵管の中に胎のうが写る時があります。
      4. 血液中の赤ちゃんが出すホルモン(HCGホルモン)の異常が出る事があります。
      5. 貧血になる時があります。また貧血が急速に進行する時があります。この貧血は血液検査で分かる事があります。また貧血が強い時は顔色をみただけで分かる時もあります。
      6. お腹の中に出血し、それが増えるとお腹が膨れてくる事があります。
  1. 自分でおかしいと思った時はどうしたら良いでしょう。

    1. 妊娠が分かっている場合で、腹痛や出血があった時は、殆どは流産の危険があるというサインです。しかし子宮外妊娠の時もありますから早目に婦人科の診察をうけましょう。
      ⇒子宮外妊娠の場合早く診断がつけばつく程、治療が楽になるのが普通です。
    2. 妊娠に気づかなかった方でも、月経が少し長くつづいていると思って診察をうけたら妊娠していた、しかも子宮外妊娠だったという方もおられます。+ こうした時は月経と思っていたのが流産や子宮外妊娠の出血と言う事になります。いつもと違う出血だと感じたら婦人科を受診する事は大切です。
    3. いきなり腹痛(主に下腹痛)が出てくる時もあります。痛みが強い、だんだん悪化する等の時は病院を受診しましょう。

      この病気だとしたら、診断の早さが大切な病気と言えます。
      おかしいと思ったら早目に病院を受診しましょう。救急病院を受診する事が必要な時もあります。

治療

診断が早くついたかどうかで治療法に差がある時があります。

  1. 注射による方法
    子宮外妊娠でも早期に診断がついた時は、注射だけで治療が可能な時があります。成長が早い部分だけに集まって、この部をやっつけるお薬があります。抗癌剤 の一種ですがメソトレキセート(MTX)と言うお薬がそうですが、子宮外妊娠の部分はこの成長の早い部分のためこのお薬が有効です。
    1日1回で5日間位連続して用いるのが普通ですが、間をおいて再度使用をすすめられる時があります。
    白血球の数が減るため、入院でお注射をすすめられる時もあります。
    お腹に傷がつかないという利点もありますが、お薬の副作用に気を使わなければいけない事がある、あるいは治療期間が長くなる可能性があるという欠点があります。
    この治療がすすめられる場合はこの治療をうける価値があるか、薬剤の効果や副作用等はどうか医師から詳しくお話があるのが普通です。
  2. 腹腔鏡下の手術
    お腹の数ヶ所に小さな穴をあけ、そこから治療する方法があります。
    1. 子宮外妊娠の部分に先程のメソトレキセート(MTX)を直接注射する方法があります。しかしこの方法だけだと、治療後の慎重な通院が必要になります。
    2. 子宮外妊娠の部を切開して、中の赤ちゃんや赤ちゃんをつつむ袋を切除する方法があります。
    3. 子宮外妊娠の卵管を切除する方法があります。
    4. その他子宮外妊娠の出来た場所、重症度に応じていろいろな治療法があります。また幾つかの治療を組み合わせる事あります。
      医師から治療法について詳しくお話があるでしょう。また治療後の通院や次の妊娠についてのお話もあるでしょう。
  3. お腹を切る手術(開腹手術)
    子宮外妊娠が進んでお腹の中に大量の出血が起ってしまった時などは開腹手術をすすめられる時があります。
    開腹してお腹の中をきれいにした後、どんな方法で子宮外妊娠の部を治療するかは医師からお話があるでしょう(腹腔鏡下手術と同じ事が行われる時もありま す)。よくお話をする事は大事ですが、もしかすると、この時は緊急の手術になっている時もあります。その時は手術後にお話を聞きましょう。
  4. 間質部妊娠、子宮頚管妊娠の時は、特別な治療が必要な時があります。時間的余裕のある時は医師から治療法について詳細な説明があるのが普通です。 また治療を開始してからこれらの異常が分かる時もあります。この時は後から詳しいお話があるでしょう。

子宮外妊娠について注意しておきたい事

  1. 以前クラミジア感染があって子宮外妊娠になる方がおられます。
    クラミジア感染があった方は必ず治癒したと言われるまでは治療をうけましょう。
  2. 1回子宮外妊娠を経験された方は、次回妊娠時約、10%の確率で子宮外妊娠になる可能性があると考えられています。
    次回の妊娠時は、子宮外妊娠ではないと確認出来る迄は定期的な検診が必要です。
  3. 子宮外妊娠で仮に片方の卵管がなくなっても、次回の妊娠の確率が半分になるという訳ではありません。その理由は、片方の卵管がなくなっても、残っ ている卵管に左右どちらの卵巣から排卵された卵が入り込む可能性があると考えられているからです。残った卵管が2本分の働きをする可能性があるという事で す。
  4. 子宮外妊娠後なかなか妊娠されない方、両側の卵管の切除をうけた方(左右の卵管の子宮外妊娠など)でも妊娠は可能です。
    もともと体外受精というのは、卵管に異常がある方のために考えられた治療方法です。 このため赤ちゃんを希望される方に、体外受精がすすめられる時があります。

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