婦人科の病気.

【9】避妊

避妊については予め知っておいた方が良い知識

避妊の方法 赤ちゃんを希望していない時は正しい避妊の知識が大切です。
あらかじめ正しい知識を頭に入れておきましょう。

避妊にはいろいろな方法がありますが、100%避妊が出来るものではないものや、副作用があるものもありますので注意しましょう。

避妊を希望される方は幾つかの方法のうち最適の方法を選ばれる事が大切です。


1.日本で許可されているお薬(例えばピルなど)の他、日本以外で使用が認められている方法があります。
日本で使用されているお薬は厚生労働省の安全基準をクリアしている他、使用中の注意事項についても一定の指示があり、比較的よく知られるようになっています。
ピルの項目をごらん下さい。
日本以外で使用を許可されているお薬については、副作用についてお薬ごとにご自分でチェックされる必要があります。
2.避妊の方法は、お薬の他、避妊リングや、コンドーム等いろいろありますが、それぞれ長所と欠点があります。 よく理解されてから使用される事をおすすめ致します。

避妊のしくみ

1.月経周期のいつ頃が妊娠し易いのでしょうか。

  • 排卵(最も妊娠し易い時)は、予定月経の14日位前の方が多い!
    (但し月経周期が28〜30日型の規則的な方)

2.排卵日は一定しているのでしょうか。
ⅰ)月経周期が28日型〜30日型で、定期的に来る方では、排卵日は普通は月経の開始日から14日目頃、次の月 経の予定日から14日前位に起こる事が多く、一定の日に来る事が多いと考えて良いでしょう。ただし、普通は一定でも何らかストレスなどがあると排卵日が変 わり思わぬ日に妊娠する事があります
ⅱ)月経が28〜30日型ではない方、特に不順が方は月経周期だけでは正しい排卵日が分からない時があります。 上の基礎体温で低温期が短い方は、早目に排卵がおこります。低温期が長い方は遅くに排卵がおこります。また高温期が短い方は排卵日が予測しにくくなります。
3. 精子が思ったより長く生きていて妊娠する時があります。
月経の直後で排卵までまだ時間があると思っていたのに、精子が長生きをして妊娠する時があります。
月経の周期からみると、月経直後から高温3日目までは妊娠の可能性があると考えた方が良いでしょう。 4. 排卵日以外のセックスは安全でしょうか。
排卵日をずらしてセックスをしたつもりでも意外と精子が長生きしていて妊娠される事があります。
5. 月経周期からみて、安全日というのは分かりますか。
基礎体温が高温になって4日目以降であれば、次の月経が来るまでは安全日と考えて良いでしょう。
最近手軽に、電子式で体温を測り記録してくれるタイプのものがあります。多くの方が利用されています。

避妊の方法=1.基礎体温をつけて安全日を確認する方法

基礎体温をつけて安全日を確認する方法

前のページをごらん下さい。 基礎体温をきちんとつけていない限り不確実です。

  • 基礎体温で安全日は意外と短い期間だという事が分かります。
  • 排卵日はいつも決まった日にある訳ではなく、通常よりも早くおこる事も、遅くおこる事もあります。体調が影響することもあります。
  • 精子が意外と長生きする事があり、稀に1週間位活動する事もあると言われています。例えば排卵日より1週間も前だからと言って安心はできません。
  • 本当に安心日と言えるのは、基礎体温をつけていなければ分かりません。
オギノ式(荻野式)
オギノ式という避妊方法があります。基礎体温で分かる安全日を利用する方法です。月経の10日位前ならば、妊娠しない時期と考 え、次回の月経予定日前から計算する方法です。しかしいつも月経が順調であるとは限りません。その時の体調で早くなったり遅くなったりする時があります。 このためオギノ式だけに頼ることはあまりすすめられません。他の方法と併用される方が良いでしょう。

避妊の方法=2.ピル(経口避妊薬)

ピル(経口避妊薬)

最近は低用量ピルが主体です。内服するお薬によって幾つかのタイプに分けられます。

  1. 内服する期間により2種類あります。
    • 21日間内服するタイプ
    • 28日間内服するタイプ
  2. 内服を開始する日により2種類に分けられます。
    • 月経の1日目から開始する。
    • 月経の始まった週の日曜日から内服開始する方法があります。
      これを サンデーピルをいいます。

      (例)木曜日に月経が来たとすると、その週の日曜日から内服を開始します。]

      サンデーピルの利点と注意点

    • サンデーピルは、土・日の週末に月経があたらないようにするものです。
    • サンデーピルは内服し始めた最初の1週間はピルの効果がまだ出ない可能性があるので、この1週間だけは他の避妊方法と合わせて避妊する事が大切です。

28日型の場合、最後の1週間分にはピルの成分が入っていません。 偽薬といいます。連日お薬を内服する習慣のある方が、飲み忘れないだろうと考えられたものです。
この内服の開始日を日曜日としたのが、サンデーピルです。

4. お薬を飲む時期を忘れた時

  • 内服するのは1日中いつでも良いのですが、大まかな時間を決めて内服する習慣をつけられると良いでしょう。
  • もしお薬を飲むのを忘れた時
    1. 1日のみ忘れたと気がついた時
      24時間以内なら気がついた時に内服しましょう。
    2. 4時間以上経っている時は
      忘れた分を含めて2日分内服しましょう。
    3. 2日以上経った時は、ピルとしての効果が大幅におちる可能性があるので、一度止めて月経が来るのを待って、また1から始めた方が良いでしょう。
    4. 内服するのを忘れて出血した時は
      医師と相談しましょう。
5.ピルの副作用について
  1. 内服すると吐き気など胃腸症状が出る時があります。
  2. 少し体重が増える時があります。またむくみが出る時があります。
  3. 肝臓の機能が悪くなる時があります。
  4. 血液がかたまりやすくなる病気になる時があります(血栓症といいます)
  5. 長時間用いると、用いない人に比べて乳癌になる比率が高くなるという研究があります。
    乳がんになる確率が高くなるかも知れないという事は大事な問題です。
    今の時点ではがんとの関係があるという見方と、確定的ではないという見方があります。しかし長い女性の生涯におこり得る副作用の可能性があります。
    少なくとも長期間の服用は考えるようにした方が良いかも知れません。
    またピルを服用している時は乳癌検診をうける事をおすすめ致します。
  6. 長期間用いると、狭心症など血管系の異常が高くなる可能性があるとの研究があります。
6.ピルを内服してはいけない方、あるいは内服するにしても注意しながら用いなければいけない方がいます。
  1. 乳がん、子宮がんにかかった事のある人、現在その疑いのある方は用いてはいけません。
  2. 授乳中の方はピルは使えません。母乳を通してピルが赤ちゃんの方にいってしまします。
  3. 肝臓の悪い方はさらに肝機能を悪化させる事があります。
  4. 血栓症にかかった事のある方、あるいは疑いのある方も内服はしてはいけません。
  5. 高血圧の方、脳血管障害や狭心症など血管に異常のある方、または疑いのある方も用いてはいけません。
  6. タバコとピルの組み合わせは狭心症などの原因になることがあります。喫煙者はあまりすすめられません。
  7. 子宮筋腫や乳腺症と言われている方は、これを悪化させる事もあります。
  8. 35才以上の方は注意して(医師の慎重なチェックをうけながら)、40才以上の方はあまりおすすめできません。
  9. その他にも注意の必要がある方がおられます。詳しく医師とお話しましょう。
7.ピルを用いることで他の病気や症状を改善させることができる時があります。
  1. 月経痛が改善する事があります。
  2. 月経過多が改善する事があります。

    ※ⅰ、ⅱの効果を利用して子宮内膜症の治療に使うことがあります。

  3. 低用量ピルはにきびに効くことがあります。

    にきびのページをごらん下さい。

  4. 多毛症に効くことがあります。

    多毛症のページをごらん下さい。

  • 緊急避妊ピル(アフターモーニングピル)
    6章の「避妊に失敗したかなと思った時」の項目をごらん下さい。

  • 避妊の方法=3.コンドーム

    男性用と女性用があります。両方とも薬局に行くと買う事が出来ます。男性用も女性用もきちんと装着すれば、避妊効果が高いのですが、装着時期がずれると、妊娠の可能性があります。また破損したり、とり出すときにうまくいかない時もありますので注意しましょう。なおコンドームは射精後は出来るだけ早目にとりはずす事にしましょう。またコンドームのもう1つの利点は性病の予防になることがあります。

    避妊の方法=4.殺精子剤

    セックスの前に精子を殺す作用を有するお薬を入れる方法があります。しかしこれは正しい位置に入れる事が大切な事と、あまり時間が経過すると作用がなくなる事があります。薬局で売っておりますが予め使い方をよく聞きましょう。

    殺精子剤は単独で用いないで、コンドームや膣外射精を行ったが心配な時があった時にあとから入れる事もあります。

    殺精子剤は単独で用いないで、コンドームや膣外射精を行ったが心配な時があった時にあとから入れる事もあります。

    避妊の方法=5.ペッサリー

    精子が入らないように膣内に装着するものです。いろいろなサイズがあるので産婦人科医の診断をうけてから用いるのが普通です。

    避妊の方法=6.避妊リング

    避妊リング(IUDといいます)には幾つかのタイプがあります。子宮の中に入れるものですが、時期をみて交換するのが普通です。また原則的にはお産を経験された方が対象となります。ピルのように毎日お薬をのむなどの面倒さはありませんが100%の避妊効果ではありませんので御注意下さい。 入れた後不整出血がおこる方もおられますが、ホルモン剤を内服する事で出血を止めることが出来ます。しかし出血がとまらない時、腰痛が強い時、発熱があった時などは除去しなければいけない時があります。 IUDを入れる時期や、入れている期間、副作用の可能性、費用などは産婦人科医と相談することが必要です。

    避妊の方法=7.避妊手術

    女性では卵管を、男性では精管をしばる手術(結紮手術といいます)があります。 ほぼ100%に近い避妊率ですが、稀ですがしばった所がまた再開通して妊娠する事もあると言われています。女性の卵管結紮手術はお腹を切ったり、穴を開けて行う手術と、膣の方から行う手術があります。女性では数日の入院が必要ですが、男性の精管を結紮する手術(いわゆるパイプカット)は外来手術が普通です。 またお産の際に入院している事を利用して、お臍のくぼみを少し切開して結紮をうけることもあります。

    結紮手術をしたものの、また赤ちゃんが欲しくなり、結紮した所を元に戻して下さいと言われる事もあります。再手術で元に戻すことがありますが100%改善する訳でありませんので、結紮を決心する時はよく考えてからにしましょう。

    避妊の方法=8.その他の方法

    膣外射精などがありますが、確実ではありません。

    避妊に失敗したかなと思った時

    緊急の避妊が必要な方のために事です。 * アフターピル(アフターモーニングピル)とは中用量ピルをセックス後72時間以内に内服する事をいいます。 * 普通はお薬を4錠処方してもらい、早目に2錠、その12時間後に残りの2錠を内服するものです。 * 注意点は必ずしも100%の避妊にならない事です。有効率はだいたい75%位です。 * お薬を内服しても生理が来ない時は妊娠していないか婦人科での検診が必要です。 2. 膣内をビデで洗浄する事も少し役に立つ事があります。膣内の精子の数を少しでも減らす事が出来るからです。 3. コンドーム(男性用、女性用)以外に殺精子剤を予め用意しておくと良い時もあります。(殺精子剤の項目をごらん下さい) セックスの後に用いると膣の中に残っている精子を殺す事が出来ます。

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