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子宮がん

腺がんの原因になるHPV 18型だけではありません。

 子宮頸がんは扁平上皮がんと腺がんがあります。 どちらかというと腺がんの方が診断がむずかしく、また転移も起こり易いと考えられています。 運悪くがんになってしまった場合でも、赤ちゃんを希望する年齢では、扁平上皮がん程、きめ細かな対策を取れない可能性もあります。  さて子宮頸がんの原因がHPVである事が分かってから、HPVのタイプによって、扁平上皮がんになり易いタイプと、腺がんになり易いタイプがある事も分かってきています。  腺がんになり易いタイプの代表的なものは、18型ですが、この他45型も関係する事が多いとの事です。 このため18型や45型が出た場合は、子宮の出口のがんが出来易い部分の他、腺がんの出来易い子宮頸管部の検査が必要となるでしょう。 これらの点については、主治医の先生と詳しくお話をする事が大切です。

子宮がん検診   検査陽性→即治療で効果 但し十分な検査が出来ない国での話題

 婦人科がん検診体制が充実している日本などとは違って、アフリカの一部等では、がんの検診体制が十分とは言えない国々があります。  これらの国々では、日本では普通に行われている子宮がん検診の「細胞診検査」が出来なかったり、出来ても定期的検診のシステムが無い所が沢山あります。  そこで、米国コロビア大学のWright博士達は、子宮がんのHPV検査を行い、陽性だったら直ちに治療するという方法をとってみました。 その結果、子宮がん検診の異常発見率が減る事が分かり、検診体制の整っていない所では、子宮がんを減らすには良い方法だろうという事が分かりました。  その方法とは、HPV検査を行って陽性が出た人に、すぐに冷凍療法(これは治療法の1つです)を行う方法です(これを「screen-and-treat」と言います。 言葉のscreenとは検査、treatは治療の意味です。  この方法を、何の検査をしなかった人に比べると、この方法を利用した人は、36ヶ月後子宮の出口に異常が出た人は1.5%だったそうです。 しかし検査も治療もしなかった人では、5.6%の人に異常が出たそうです。  この方法は、医療水準が低い国で効果がある事が分かりました。 しかし医療先進国で試みる事も可能かも知れません。 つまりある一定以上の異常が出た人に、ある決った治療(治療を受けるのに負担の少ない治療ですが)を行ったら、将来の子宮がんの発生率が減る可能性があるという事です。 但し、その条件づけはかなり難しい事は確かでしょうが。(JNCI 2010)

子宮内膜ポリープって知っていますか? 子宮体がんの前がん状態の時も

子宮の中(内腔といい、生理が出る所、赤ちゃんが入る所でもあります)に、ポリープが出来る事があります。 子宮の出口に出来る子宮頚管ポリープとは違い、出来る確率は少ないと考えられていますが、悪性との関係が注目されています。 子宮内膜ポリープの症状は、ポリープが小さい時は、あまり表に出て来ないようです。 しかし生理のある時は生理以外の出血、生理の量の増加、長期間の持続などの症状が出る時があります。また閉経後の時は出血が主な症状になるそうです。 さて子宮内膜ポリープの人1,242人を調べた所 ・92.5%の人は良性ポリープ ・1.3%の人が前癌状態 ・3.5%の人が悪性だったというデータがあります。  これらをさらに調べてみると、①年令がいくにつれて、②閉経している場合、③異常出血のあった場合、④高血圧がある時などは、前癌状態や悪性と関連がある可能性があったそうです。(G.Baiocchiら AJOG 2009.11)

もし卵巣がんが進んでしまったら

 卵巣がんを早期に発見し、早期に治療したら、その再発率や死亡率は、他の早期がんと変わりはありません。高い治癒率が期待できます。  しかし、もしがんの再発があったりすると、御本人や家族の方の気持ちはとてもつらいものになります。(経験したくない事ですが…)うつ気分になる人も多く、その気持ちは一度経験しなければ分からないでしょう。  現在どの部位のがんでも、標準的治療という方法が行われています。 これはかつての様に、本当に効果があるかどうか明らかでなかった治療( 自分の病院ではこんなに効果があったと言っても、それが正しいかは証明されていなかった時代がありました)が行われる事の無い様に、はっきり効果があると科学的に証明されている治療を全国的に行おうというものです。  本当に効果のある治療を、全国どこの病院でも標準的に行おうと意味です。  しかし、この標準的治療はその治療を行っても再発した時などは、患者さんに失望感を与える事があります。  一方で、この標準的治療を超えて、さらに先進的治療を行い、効果がある事が分かれば、この先進的治療を標準治療にしようという試みもあります。  先進治療については、各大学の先進治療のホームページが親切です。  さらに民間の病院の中には、各種免疫療法、ビタミンC投与療法、薬剤療法等、まだ標準療法とは言えないものの、ある程度の効果があると期待される治療が行われている所もあります。 これらの治療は、再発した人、再発を予防しようという人が利用し、現実には相当数のがん患者さんが通院していると考えられています。  ところで、最近信頼出来る医学誌に、再発した卵巣がん(がん性腹膜炎)に対して、新しい治療法の試みが次々と発表されています。 1. 肝炎の治療等に用いるインターフェロンを腹水の中に入れると効果がある(Gynecol Oncology) 2.モノクローナル抗体であるCatumaomabを腹腔内に入れたら96%の人に何らかの効果があった(Eur J Cancer) 3.以前から用いられているピシバニールという薬剤は、細胞性免疫(がんをやっつける免疫を細胞性免疫といいます)の力を増すものですが、これを腹水に入れると効果がある可能性がある(Surgery)などです。  再発と言われて、気分が落ち込む事があっても、いろいろな対策が考えられている時代です。 がんと闘わないという考えの方もおられるでしょう。 しかし、もしがんと徹底的に闘おうという方は、現在たくさんある情報を徹底的に調べてみる必要がありそうです。

細胞診クラスⅢb(HSIL)、高度異形成上皮と言われた人は専門医と相談を

 最近は子宮頚がんの発生にヒトパピローマウィルス(HPV)が関係している事がよく知られています。 子宮頚がんの検診の結果の説明の時も、HPVの事を説明しながらのお話が多くなったようです。  以前からがん検診CIN-3と言われた人(細胞診クラスⅢb 、Ⅳ、ベセスダ分類HSIL、組織検査で高度異形成上皮と言われた人が、これに当ります)は、円錐切除を含む何らかの治療をすすめられる事が多かった様です。  これらの異常が出た人の中から、将来子宮がんになる人の確率が分かってきたからです。  最近これらの異常に関する注目すべき調査結果が出ました(BMJ)。 1958-2002年までの間にスウェーデンで230万人余りの人の経過をみた調査結果です。 この230万人余りの人は子宮頚がん検診でCIN-3と言われた事のある人(細胞診クラス:Ⅲb・Ⅳ、ベセスダ分類:HSIL、組織検査:高度異形成上皮・上皮内癌に相当-詳しくは当ページ子宮頚がん:細胞診をごらん下さい)は、そうではない人に比べ、浸潤性の子宮頚がんが発生する比率が高かったそうで、それまで何も異常がなくても25年後でもがんが発生する確率が高かったというデータが出ていました。 また特に50才以上の女性では危険率が高くなったとの事です。  これはCIN-3と言われた人が、どんな治療をうけたかが分かっていません(何せ50年前からのデータですから)。 もしかしたら、何も治療をうけなかった人も多勢含まれてるかも知れません (CIN-3でも検査を受けているうちに、正常に戻る事があるからです)。  しかしこの調査ではとても大事な事が含まれています。 1.CIN-3と言われたからにはHPVの感染があったと考えられます。 とすると、その後の検査で異常が見つからなくても、このHPV感染が何らかの影響を与えていた可能性があります。そのため、一度要注意が出た時は、その後も注意を払いつづける必要があるという事になります。 2. 50才過ぎてから危険率が上がるという事は、それまで何でもなくても、放っておいてはいけないという事にもなります。 特に「若い頃がん検診を受けていなかった人」は逆に検査を受ける習慣が大切になるという考えもありそうです。

子宮頚がん検診の時はウイルス検査をした方が正確?

 子宮頚がん検診の時は、まず細胞診検査という検査が行われます。     詳しくは当ネット 子宮頚がん をご覧ください。 しかし、子宮頚がんの原因がヒトパピローマウイルス(HPVと略します)であろうと考えられるようになってから、がん検診に、このHPV検査をしたらどうかという研究が、日本を始め各国で盛んに行われるようになりました。  その結果は、だいたい一致した様なデータが出たようです。 1. 異形成上皮という異常な状態を見つけるには、HPV検査の方が優れているようだ。 2. 但し異常がどの程度のものかの判断は、細胞診検査の方が優れていそうだという事です。 3.しかしこれには幾つかの問題があります。  a)HPV検査はお金がかかる  b)ウイルス検査でも見落としがある。但し細胞診とウイルス検査を組み合わせると100%近くの精度がある。 理想的には、細胞診検査とウイルス検査を一緒に行うと良いという事になりますが、費用の面での問題点が残るという事になるでしょう。

子宮がん手術にもロボットが使われる

 現在いろいろな手術にロボットが使われるようになってきました。 がんに対してもロボット技術を使った手術を行おうという試みがあります。 勿論ロボットが人間のかわりに手術範囲を決めたりするものではありません。 あくまで人間=医者が主体です。  さて子宮がんに対してもロボット技術を使って手術を行おうという試みがあります。 ダ・ビンチ ロボットという名前だそうで、ロボットの名前からして能力がありそうですね。  このシステムを使うと、子宮頚がんⅠb期とⅡa期では平均手術時間6時間半。 平均の出血量が300ccだったとの事です。 驚きはこの次で、何と100%の患者さんが、手術翌日に退院したそうです。 勿も、これには1日入院当たり、何十万とかかる医療事情もあるかも知れません。 手術後は少し休みたいものです。  肝腎の再発率は今のところ普通の手術と変わらないようです。

子宮体がんは若い女性に少ない。 また死亡率も低い?

 子宮体がんは40歳以上の人に多いがんです。 しかし子宮頚がんと同様、その発生年齢が少しずつ低くなっていく傾向があります。  さて最近の調査で40歳以前に見つかった子宮体がんの人と、40歳以上の子宮体がんでは死亡率に差がある事が分かってきました。 その原因として、 1.若い人の方が早い段階で分かる事が多い 2.若い人の方が悪性度が低い傾向がある などが考えられています。  しかしさらにその背景を考えると、若い女性の方が産婦人科を受診する機会が多い。あるいは手術に対する体力が強い。何らかの病気に対する抵抗力がある等があるかも知れません。  ただ、どの年代の方も生理以外の不正出血があった時は、一応婦人科を受診される方が良い事は確かのようです。

若い女性の子宮頚がんの死亡率が上昇しています

 がんの発生率や死亡率は年々変化しています。女性の場合増えているのは乳がん、大腸がん、胃がん、卵巣がん等です(まだまだいろいろな傾向がありますが)。  子宮がんで言えば、子宮頚がんの人は減っていますが、子宮体がんは増えてきています。 がんによる死亡率も子宮頚がんは統計上だんだん減ってきています。  ところが若い女性の子宮頚がんの死亡率だけが上昇しているようです。 これにはいろいろ原因が考えられています。 1. がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)であろうと考えられている。 2. このHPVは20代で最低40%位の人が感染しているらしい(この感染率は調査データにより差があります)。 3. 若い女性のがんが多くなっている。 4. 一方で、若い女性のがん検診の人が増えていない。 などです。 若い女性こそ、子宮がんの検診が必要のようです。

ベセスダシステムについて

ベセスダシステムの御紹介  新しいがん検診の診断基準が出来ました。 子宮がんやその前の状態と考えられる状態(異形成上皮)がHPVというウイルスが原因と考えられるようになったため、子宮がん検診の新しい分類方法が採用されました。これをベセスダシステムといいます。

ベセスダシステムの御紹介

毎年子宮がん検診を受けていても、突然子宮がんが見つかる事があります。

統計的にみると、毎年子宮がんの検診をうけていても、子宮がんと言われる事があります。 子宮がんの専門家によっての統計でも、3年つづけて検査が大丈夫と出ても、次の年にがんが出る可能性があると言うデーターが出ていました。 子宮がんの原因になると考えられるウィルスが、静かにしている時は、がん細胞が出なかったのが、ある日突然活動を開始するのかも知れません。 また女性の側のウィルスに対する抵抗力(免疫力といいます)が弱くなる何らかの原因があったのかも知れません。 ただし1回だけ検査が陰性で、その次の年はがん細胞が出た時は、見つけにくいがんだったり、がん細胞をたまたま見落とししている事も無いとは言えません。 実はがん検診の中で、細胞診検査はがん細胞を見つけにくい時があります。

子宮癌検診でウイルスは陽性だが、まだ異常がでていないと。

子宮頚癌検診をうけた所、細胞診でひっかかりました。 専門医の所での検診をすすめられたため、婦人科に行った所、子宮の癌の出来やすい部分を見る検査(コルポスコープというのだそうです)では異常が無いのですが、パピローマウイルス検査では、16型というのが出ていて危険なタイプなのだそうです。 定期的な検診をすすめられましたが、定期的にチェックをうけるのだけで良いのでしょうか。 答 子宮頚癌の検診は、まず細胞診検査を行い、異常が出たら、コルポスコープによる検査(膣拡大鏡検査といいます)を行います。このコルポスコープによる検査で異常な所があれば、その部分を切りとって詳しく顕微鏡でチェックします。 これを組織検査と言って癌の最終的な診断になります。 今回これに加えてヒトパピローマウイルス(HPV)を調べられた様ですが、16型というのは将来癌になる可能性のあるタイプと考えられております。その意味では要注意なのですが、コルポスコープ検査で異常が認められないとすると以下の3つの事が考えられます。 1. ウイルスの感染があり将来癌になる可能性があるのですが、まだ癌が出来やすい所に異常が出ていない。 2. 普通癌が出来やすい場所があるのですが、子宮頚管と言ってコルポスコープ検査で見にくい所に癌がある。 3. HPV感染があったが癌にならず、感染が治まる可能性がある。       などです。 これらのどれかである事を、はっきりさせる為には、やはり定期的に検診をうけるのが基本でしょう。 ただHPV陽性がつづく様なら、非常に分かりにくい部分に癌がある、あるいはその前段階があるという事も考えられます。円錐切除を含めたより詳しい検査をうけたり、治療をうけるという選択もでてくるかも知れません。 いずれにせよ今専門医と御相談しているようですから、よく話し合われて幾つかの選択肢の中から適切な方法を選ばれると良いと思われます。

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