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高脂血症

高脂血症と言うのは血液の中の脂質の成分が高くなる病気です。

LDLコレステロールが低すぎると脳出血が起こりやすくなる?

 LDLコレステロールと言えば悪玉コレステロールという有難くない名前をつけられています。 確かに善玉コレステロール(HDLコレステロール)と比較してLDLコレステロール値が高いと、動脈硬化が起こり易くなり、狭心症や脳梗塞の発生率が高くなるという調査があります。  しかしLDLコレステロールが多いと言われるバターや動物性脂肪(飽和脂肪酸といいます。)を摂る量が少ないと、脳出血が起る可能性が高くなるのではないかという考えが以前からありました。 実際人口動態統計という日本人の原因別の死亡率をみたものでは、50年前の1960年に比べて、脳出血の死亡率は約1/5になっているそうです。 これは食事が欧米の影響をうけ、コレステロールの値が高くなった為と考えられています。  最近茨城県内の住民9万人を対象にした健康調査の結果から興味深い結果が出ました。 それによると血液中のLDLコレステロールの値が低い人は、そうでない人に比べて脳出血が起る確率が高くなるようだとの事です。 具体的には、LDLコレステロール値  100mg/dℓ以上の人に比べ  80‐100mg/dℓの人 約1.5倍  60‐80㎎/dℓの人  約2倍  60㎎/dℓ以下の人  約3倍 の脳出血発生率だったそうです。 つまりLDLコレステロールの絶対値の少ない人は100mg/dℓを境に脳出血が起る確率が高くなると言えそうだという事になります。  なお逆にLDLコレステロール値が140㎎/dℓ以上の人や、HDLコレステロールとLDLコレステロールの比率が高い人は、狭心症や心筋梗塞になる確率が高くなる事が推測されていますから、動物性脂肪を含めた飽和脂肪酸を食べれば良いという訳でもなさそうです。  これらの研究は、しかし今も調査中の事のようです。さらに詳しいデーターが出る可能性があります。  

高脂血症って何でしょう。

1.高脂血症って何でしょう。 高脂血症という言葉はよく聞きますね。 高脂血症と言うのは血液の中の脂質の成分が高くなる病気です。 この脂質の中では、コレステロールと中性脂肪が代表的なものです。 医学的に問題になるのは 1. コレステロール値が高くなるタイプ 2. 中性脂肪が高くなるタイプ 3. コレス;テロールと中性脂肪の両方が高くなる 3つのタイプがあります。 それぞれの予防と治療については、後からお話しましょう。

高脂血症は身体にどんな影響を与えるのでしょうか。

高脂血症は動脈硬化の原因になります。 その結果→心臓に影響を与えると、心筋梗塞や狭心症の原因になります。     →脳の血管に影響を与えると脳梗塞の原因になります。

高脂血症の人は増えています。

高脂血症はもともと日本人には少なかった病気です。 なぜ日本人に増えてきたか?これはよく知られている様に、食生活の変化が原因です。 日本人が昔から食べていた魚を中心とする和食は実は高脂血症の予防に大変役に立っていたのです。 この事はつい最近のデーターを見ても明らかです。 40〜49歳と50〜59歳の人を例にとりましょう。   1980年の コレステロール値 1990年の コレステロール値 (単位 ㎎/dl) 40〜49歳 187.5 200.0 50〜59歳 202.7 218.0 (厚生労働省調査 1990年) この結果をみても、1980-1990年のたった10年の間で、日本人女性で総コレステロールが約15(mg/dl)も上がった事が分かります。 このまま上昇がつづけば、近い将来の日本人の血中脂質がどれ程上昇するか心配になります。

高脂血症の診断基準

よく知られたように高脂血症には診断の基準があります。 高コレステロール血症  総コレステロール値     220mg/dl以上 高中性脂肪血症(高トリグリセリッド血症ともいいます)  中性脂肪値         150mg/dl以上 高LDLコレステロール血症   140mg/dl以上  ※LDLとは悪玉コレステロールの事です。 低HDLコレステロール血症   40mg/dl以下  ※HDLコレステロールとは善玉コレステロールの事です。 日本動脈硬化学会2002の基準 • しかし、これだけが基準になるだけではありません。 1. 年齢(男性45歳以上、女性55歳以上) 2. 高血圧+糖尿病+喫煙 3. 冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞のこと)に罹った事があるか、あるいは家族にいないか等により、この基準が変わる事があります。 例えば狭心症や心筋梗塞になった事がある人は、総コレステロール値は180以下を管理の目標の値にした方が良いと、考えられています。 • しかし、一方で総コレステロール値が220(mg/dl)以上の人は全て危険で、薬を内服しなければいけない、あるいは内服した方が良いと言う訳でもなさそうです。 • 日本動脈硬化学会では2007年にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を対象にした新しい基準の作成を考えているようです。

高脂血症だと将来どのような異常が考えられるのでしょうか。

1. 現在考えられているのは、総コレステロールが220以上の人は心臓病のリスクが1.5倍高くなる可能性があるという事。 2. 高コレステロール血症の人がコレステロールを下げる薬剤を内服すると、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)を約30%軽減出来るとの研究結果が出ています(2005年)。 3. しかし、この事は、「4.高脂血症の診断基準」の所で述べた通り、総コレステロール値が220以上の人は全て危険域に入っているという事を意味しているのではありません。 1つの目安が220という事で、他の病気の有無や、男性か女性か等いろいろな状況をみて医師が適切なアドバイスをするでしょう。 4. 高脂血症は検査をすると異常な値が出ますが、心臓や脳の血管に何らかの変化が出るまでは、日常何も症状がない事が多い病気です。そういう意味で「沈黙する病気」とも言われています。

高脂血症の中には家族性のものもあります。

家族性高コレステロール血症という症状があります。今のところ遺伝子レベルの異常と考えられています。 1. 診断 診断は医師によるチェックが必要になります。 1. コレステロールの値 2. 黄色腫というコレステロールのかたまりが眼瞼やアキレス腱などの腱に出来る時があります。 アキレス腱に出来るとアキレス腱の所が厚く(肥厚といいます)なる時があります。 3. 家族性に高コレステロールのある人で、すでに狭心症、心筋梗塞の人がいる時はさらに注意が必要です。

高脂血症の治療

高脂血症の治療 高脂血症の治療は食事療法、運動療法、薬剤による治療などです。 1.食事療法 ひとくちに食事療法と言っても、長いお付き合いが大切。自分に合った無理のない食事の管理が大切です。また高脂血症といっても治療法は個人によって微妙な差があります。(年齢、体重、合併症、高脂血症のどのタイプか など)。 このため食事指導は、出来れば専門家とお話をして、個人個人に合った指導をうけるのが理想的です。 ここでは一般的なお話を。 a)カロリーのとり過ぎに注意しましょう。適正なカロリーは医師とよく相談しましょう。 b)脂質をとり過ぎないようにしましょう。 c)糖質にも注意しましょう。 ご飯、パン、めん類 d)蛋白質は主に魚、大豆製品から摂るようにするのが理想的 魚の中では、イワシ、サンマなどの青魚はコレステロールを下げる作用があると考えられています。 e)砂糖、お菓子、果物の摂り過ぎに注意しましょう。 f)炭酸飲料は良くありません。 g)アルコールも高脂血症の方は控える方が良いでしょう。 h)野菜や海草は十分に摂取しましょう。 これらに含まれている食物繊維にはコレステロールが身体に吸収されるのを防ぐ働きがあります。特に緑黄野菜。 i)タコ、イカ、貝類は中性脂肪やコレステロールを下げる作用があります。 j)ストレスも高脂血症の原因になり得ます。 少数の食品に偏らず、なるべく幅広く摂取するようにする事も大切です。 食べ物と言えば卵がよく話題にされます。卵1個に含まれるコレステロールは食品の中でトップです。しかし考えられている程悪さはしていないという研究もあるようです。それより小さくてもかたまりで食べる魚卵の方が問題と言えそうです(イクラ、数の子、子持ち…など)。 卵は1日1個まで位としておいたら・・・。 2.運動療法 適切な運動でコレステロールで10%中性脂肪は20%低下させる事が出来ると言われています。 運動では何か趣味で行う運動があれば良いですね。 水泳、ジョギング、テニスなど、特に趣味がなければ散歩をしましょう。(骨粗鬆症、肥満の予防にもなります) 理想は1日3km。1時間位といった所です。 3.薬剤による治療 a)薬剤の種類と効果 お薬には主にコレステロールを下げる薬剤と、中性脂肪を下げる薬剤があります。 それぞれ、症状に合わせてお薬がすすめられます。 • 主にコレステロールを下げる薬剤 • 主に中性脂肪を下げる薬剤 • 薬剤は1種類だけではなく、複数を併用するようすすめられる時もあります。 • 薬剤は食前に内服するものと、食後に内服する方が効くタイプがあります。 b)薬剤の副作用 薬剤には副作用が出る時があります。 薬剤による副作用は使用する薬剤により差があります。 一般的には • 胃腸障害、吐き気、嘔吐 • 下痢、便秘 • 口渇感 • 稀に筋肉障害という重症な症状が出る薬剤があります。 筋肉痛が出てきた時は主治医に伝えましょう。 • その他個人の体質により幾つかの副作用が出る時があります。 c)薬剤とアルコール 高脂血症のお薬を内服している時はアルコールには注意が必要です。 どのお薬も同じですが、アルコールとの併用はお薬の思わぬ副作用を起こす事があります。

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