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睡眠と健康

やっぱり睡眠中に記憶される。

 睡眠の大事な作用の1つに、記憶が脳の中に固定化されるという説が沢山でてきています。  これは目が覚めている間に経験した事を睡眠中に記憶するという事です。 どのようにして、睡眠中に記憶を行うのかという事についてはまだはっきり分かっていません。  脳の表面にある大脳皮質(物事を認識したり、感じたり、考えたりする大切な所です)にある神経の細胞から、記憶を管理する所に連絡が行くのでしょうが、どこで、何が、どの様に働いているかは今研究中のようです。  しかし睡眠と記憶が関連する事は確かのようです。 睡眠不足は記憶力の低下を起す事は経験的に分かっています。これは若い人にも当てはまります。年齢が進んで年とともに睡眠時間が短くなると、記憶力が低下するのは、この事が関連しているかもしれません。 試験勉強中のお子さんにとって、短期の睡眠不足(勉強)は別としても、長い目でみると十分睡眠時間をとる事が大切かと思います。

睡眠不足は高血圧、糖尿病の原因になる

 睡眠不足が身体に良くない事は簡単に想像出来ます。 医療の立場から言うと、睡眠時間が十分にとれると、手術時のミスが少なくなるという恐ろしいデータがあります。  睡眠不足は思考回路など精神面で悪い影響を与える事が考えられる他、身体面でも負担をかけそうです。 心臓血管に異常を与えたり、免疫力を落とし感染症を起こし易くしたり、将来の悪性腫瘍の発生を高めたりする可能性もありそうです。  最近も高血圧や糖尿病の原因になるだろうという調査の結果がありました。 例えば睡眠不足の人(平均6時間より短い人)は将来高血圧になる確率が、睡眠不足のない人に比べて3.8倍だったとの事です(Fernandez-Mendoza J.ら) また睡眠不足は、血糖をコントロールするホルモンであるインシュリンに対する反応が悪くなり、将来糖尿病になるリスクが高くなるというデータもあります。  睡眠時間は3時間で大丈夫と言ったナポレオンは、胃がんだったという説があります。 しかし同時に肖像画からは肥満気味だという説もあります。  実は睡眠不足が原因で、肥満、高血圧、糖尿病があり、彼の人生に影響を与えていたとしたら大変な事ですね。  睡眠は歴史をも変える力があるという事になりますものね。

人間は睡眠中に記憶を整理する?

人間は、覚えた事を睡眠中に記憶するのではないか、あるいは記憶を整理するのではないかという考えがあります。 勿論、起きている時にも記憶するメカニズムもあるでしょうが…。 最近はその記憶をする、記憶を整理するのは、睡眠が浅い時ではなく、むしろ熟睡している時に起こっているのではないかという考えがあるようです。 実際幾つかの脳の実験も行われています。 夜熟睡している時に、学習した事が脳に記憶されるとすると(記憶力の全てではないにしても)、熟睡する事がいかに大切かという事が分ります。 受験生であれば、昔のように睡眠時間を削って勉強するのではなく、十分な睡眠をとる事が成功の鍵になるかも知れません。 また仕事が忙しくて、睡眠時間の少ない人は、忘れてはいけない事を忘れる等、記憶を含めた脳の働きにハンディが起る可能性もあります。 長期間の睡眠不足は、重要な仕事の遂行上問題が起り易くなってくるかも知れません。 もう1つ。睡眠前に憶えておくべき事と、それに関連する何らかの音の刺激を与えておき、熟睡中にその音の刺激を与えると、その事をとてもよく記憶しているそうです。 小児期、例えば語学など言葉と一緒に音の刺激を与える。昼寝をしている時に、その音を静かに流してあげると、記憶力が上がっている可能性があるとの事です。 ただし、これは今のところ、1つの研究レベルで出てきたお話です。 100%効果があるとの保証ではありません。念のため!!

昼寝は身体に良い

最近、外来でこんな質問がありました。  私の夫は自営業ですが、友人にすすめられてお昼の食事後昼寝をするようになりました。 その方が“仕事がはかどる”というのですが、“身体が楽だ”とも言っています。何か理由があるのでしょうか。  最近昼寝については肯定的な意見がたくさん出ています。本来の睡眠の妨げにならない限りは、身体にとても良いと考えられてきていまるようです。 1 特に昼食後の昼寝は胃腸の保護になるそうです。 2 食事直後は、脳に行っていた血液が胃腸の方に行くため自然に眠気が出てきます。そんな時は無理に頭を働さない方が良いとも言われています。 3 定期的に昼寝をする人は、そうでない人に比べ、約30%以上心血管系の病気になる確率が低くなるという研究があります。 4 「シエスタ」といって昼寝を習慣にする国があります。 スペイン、イタリア等ですが、これらの国では肉食が多いのに、心血管系の病気が少ない事が知られています。 理由の1つは赤ワインの効果と考えられていますが、シエスタ(昼寝)もその理由になっているとの事です。 皆さんもお昼に眠くなったら、無理せず昼寝を試みられてはいかがでしょうか。

睡眠が十分でないと糖尿病になる可能性が?

 睡眠を十分にとる事は身体のいろいろな面で大切です。 逆に睡眠が十分でないと、いろいろな面で障害が出る可能性がありますが、十分な睡眠をとれないと、糖尿病と関係するインシュリンというホルモンに悪い影響が出る可能性があるかも知れないという事です。  睡眠にいろいろなタイプがある事は知られていますが、その最も深い睡眠が十分にとれないと、糖尿病のコントロールに必要なインシュリンというホルモンの働きの質が悪くなる可能性があるという事です。 この考えをすすめると糖尿病になり易いという事にもなります。  睡眠については、病気に対する抵抗力との関係もありそうです。 これからもいろいろな研究のデータが出てくるものと考えられます。  肥満の人に睡眠時の呼吸障害が起る事がある事は知られています。 こういう人達は血糖をコントロールするホルモン−インシュリンの働きを悪くする可能性があり、糖尿病の発症を高める可能性があるとされています。 しかしこのインシュリンの働きは、呼吸障害がなくても単に肥満の人でも抑えられる事があるそうです。 どうしても肥満の人は、十分な睡眠をとる事が出来なく、その事がインシュリンの効果と関係があるそうです。  同じ意味で、お年寄りや仕事が忙しくて十分な睡眠をとれない人、うつ症状があって睡眠が十分にとれない人、更年期障害があって眠りが浅いと感じる人は注意が必要かも知れません。  勿論眠りが浅い時、十分な睡眠がとれないと感じた時は、十分な考えが出来なくなったり、動作が緩慢になる事もあります。身体のいろいろな面に影響が出る可能性があります。

睡眠中の大声は? 将来の認知症と関係?

 睡眠中に大声をあげたり、手足をばたつかせる人がいます。 睡眠中にこうした行動のある人は、将来認知症やパーキンソン病などの神経の働きに関係する病気と関連がある可能性があるそうです。  睡眠中に夢を見る時期があります。 これをレム睡眠の時期といいます。 このレム睡眠に入った時に、行動に異常が起る事を行動障害といいます。 本来この時期は身体の筋肉がリラックスし、ゆるんでいる時なのですが、反対に筋肉が活動する事があるそうで、これを睡眠行動障害と言うのだそうです。  この時期、夢の中で起った事が実際の身体の動きになってしまい、大声で叫んだり、殴ったり、蹴る動作を起こしてしまう人がいます。  カナダでこうしたレム期の睡眠行動障害があった人93人を対象に長期間の観察を行ったそうです。 その結果5年間のうちに28%の人に認知症やアルツハイマーの症状が出たそうです。 また10年間追跡すると何と42%の人に症状が出たとの事です。  これらの点から、睡眠中に異常行動があったら、①将来起こるであろう事態をある程度予測する事が出来る。 ②さらに症状の出現や進行を予防する可能性も出てくるだろうと考えられています。  しかし同時に、他に何か原因がある時はレム期の睡眠障害があっても、将来の認知症やアルツハイマーの発生と関係がある訳ではないとも考えられます。 つまり、こうした行動があっても、全てが将来の認知症やアルツハイマーと結びつくとは言いきれないとの事でしょう。

やせるのには十分睡眠をとるのが一番かも

最近の研究で食欲そのものは脳からの刺激が関係するらしい事が分かってきました。 まずお腹がすいたというのは胃から出るグレリンというホルモンが脳に働くそうです。このグレリンは食事をする前に高くなり、食事をすると低くなるそうです。 一方、食事をすると脂肪細胞から出るレプチンというホルモンが血液の中にたくさん出て、お腹がいっぱいになりました、という刺激を脳に伝えるそうです。その結果満腹感を感じるとの事です。 ところが睡眠不足だと、この満腹感を感じるレプチンの値が低くなり、結果的に食べる量が多くなるそうです。 しかもこの睡眠不足が長くつづくと、最終的には摂取カロリー数が相当増えるそうです。さらに睡眠不足の人が欲しがる食べものも、甘いものや炭水化物等、肥満と関連するものが多いとか。 ウエストオーバーを気にしている人は、お金のかかるダイエット食品より十分な睡眠の方が大切かも。

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