最新健康情報

HPVとHPVのワクチン

子宮頸がんの原因のHPVは、感染してどの位でがんになるのか?

−今回は質問形式で− 質問 ヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸がんの原因になると聞きました。私も癌検診で細胞診クラスⅢaと言われHPVが原因でないかと言われました。  HPVが原因だとすると、いつ頃感染したか、また感染してどの位経つと子宮がんになるのか分かっているのでしょうか。  子宮頸がんの原因の殆どがHPVの感染による事が分かっています。 しかしそのHPVにもたくさんの種類があります。   現在の所、ハイ・リスクグループという将来癌になる可能性があるタイプと、ロー・リスクグループという癌にならないタイプがある事が分かっています。問題となっているのはハイ・リスクグループに感染した人達です。  さらに今HPVに感染しているとしたら、ハイ・リスクかロー・リスクのものか分かりますから、一度調べてもらうと良いでしょう。 さらにハイ・リスクの中でも、将来がんになる率が高くなるタイプ(これを型といいます。例えば16型とか18型など)と、そうでないタイプがあります。これを調べると、さらに何%の確率でがんになるかが分かってきます。より詳しく将来が見通せるという事ですね。  なおHPVの感染は、1つにセックスが関係すると考えられています。現在までの研究では、相手の人にウイルスがいるとその人との最初のセックスで感染する可能性があるのではないかと考えられています。 ただ既に感染している人が、いつ頃感染したのかはまだ判定するシステムは無いようです。     平均するとハイ・リスクグループのHPVに感染した場合は7−15年位で癌になると考えられています。 もし「危険だったかな」という記憶があったら、その時から逆算する方法があるかも知れません。    ウイルス感染と症状の出現には、ウイルスの強さも問題ですが、感染した方の抵抗力(免疫力ともいいます)も関係します。何らかの免疫力が落ちる状態(長期間のストレスも関係する場合があります)があれば進行が早くなる事も考えられます。  この病気については、心配な事があったら医師とよく相談する事が大切です。

HPVはどのタイプが危険か、16型と18型の他に。

 子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられています。 現在膣内に40種類位のウイルス(HPV)の感染の可能性がありますが、そのうち15種類位が、がんの原因になると考えられハイリスク・グループとされています。  しかしハイリスク・グループの中でも将来がんになる可能性の比較的高いグループと、それ程でもないグループがある事が分かってきました。 それ程ではないグループを中等度の危険なグループと分ける考えもあるようです。   当ネット 女性の病気:婦人科の病気 子宮がんの項目をご覧下さい。  さてハイリスク・グループではどのタイプが危険なのでしょうか。またその危険度はどの程度と推定されているのでしょうか。 1.危険なタイプはよく知られているように16型と18型です。     日本と欧米では感染するタイプに差があるとの考えがあります。  欧米では16型、18型の感染が多く、日本では16型が多いとの事です。    さて子宮頸がんになるリスクが高いタイプは現在の所順番みてみると、  ①16  ②18  ③31.33.45 だと考えられています。    日本人は31型、33型の感染の人が欧米に比べ多い可能性があるとのデータがあります。  このタイプが出た人は慎重な検診が必要になるでしょう。 2.現在の所、子宮頸がんの人で16型が関係している人が約50%、18型が関係している人が約20%と言われております。 HPVで16型や18型が出た人は早目の円錐切除手術をすすめられる時があります。

HPV予防ワクチンによる失神に注意情報

 HPV予防ワクチンの投与が広まっています。 現在若年女性に対しては国による後押しがあり、対象女性の約70%の人が予防注射をうけたそうです。    さて予防注射の効果は十分な期待が持てますが、その副作用にも注意が必要です。 注射部位の腫れ、発赤等、少し時間が経つと良くなる程度の副作用もありますが、注射後の「失神」に強い警告が出ています。  製薬会社には「失神」についての報告が幾つか伝えられている様で、最近医師に向けて、注意するよう警告が出ています。  今のところ「失神」の原因は迷走神経という神経が過剰に反応したもので、命に懸る異常が起る訳ではないと考えられています。 しかし、突然気を失う訳ですから、倒れた時に、ケガをする可能性があります。  外傷や、歯が折れる等の経験が報告されていますので、注意が必要です。  この「失神」は10代の女性に多く、注射の恐怖心が強い人に出る傾向があるようです。 しかし、突然起る症状ですので、予測出来ない事です。 また1回目の注射で何でもなくても、2回目の注射で発生した事もあるそうですので、前は大丈夫だったからと油断は出来ません。  さて、これを予防するためには ①注射後30分間は、座って様子をみる。 ②背もたれのない椅子には座らない。 ③接種後に移動する時は、看護師さんや保護者に付き添ってもらう。 ④気分が悪くなったら、すぐ周囲に知らせる。 ⑤気分が悪くなったら、しゃがんだり、横になる。 等がすすめられています。  なおこれらの注意事項については、病院側も慎重に対応してくれると思われます。

ヒトパピローマウィルスはどの位の人が感染しているのでしょうか。

 最近子宮頚がんの95〜99.9%がヒトパピローマウイルス(HPV)による事が分かってきました。  では実際の所どの位の人がHPVに感染していると考えられているのでしょうか。  米国疾病管理センタ(CDC)の発表によると、14〜59才の米国女性を対象にした検査結果では、対象女性の26.8%の人が感染していたそうです。 さらにこれを詳しく見てみると、 1.20〜24才の女性の感染率が高く 44.8% 約2人に1人 2.14〜19才の感染率は 24.5%  約4人に1人 3.感染率は24才をピークに1才度に上昇し、その後は少しずつ感染率が低下している事が分かりました。  これまでの日本の統計では、子宮頚癌やその前段階と考えられる異常は、いつも数年後にほぼ同じ傾向になる事が知られています。 このデーターは数年後の日本の状態を暗示しているのかも知れません。

ピルとHPV感染の関係 最近の調査から

 最近ピルとHPV感染について興味深い調査結果が出ました。  1つは、長期間ピルを使用した人に子宮頸がんになる人が多いという事、しかも進行したがんになる可能性が高くなるというものです。  もう1つは、ピルを使用している時期によって(月経周期によって)、ウイルスの検出率が違うという事です。 1.長期間ピルを使用している人は、子宮頸がんになり易いという調査があります。 今の所、子宮頸がんになり易いグループの人がいると考えられています。 それは、 (1)HPVハイリスクグループに感染している人、 (2)喫煙している人 (3)性感染症に何回もかかる人 (4)ピルを長期間服用した人 だそうです。 なおピルについては、5年以上ピルを服用している人は、そうでない人に比べ、約1.9倍子宮頸がんになる確率が高くなるとのデータがあります。 一方ピルを止めて、10年以上経過すると、子宮頸がんになるリスクはピルを飲んだ事のない人と同じになるとの事です。 2.ピルを服用していると、月経周期の時期におって、HPVの検出率が違う?  最近の調査では、HPVの検査は、月経周期のどの時期にあたるかで、ウイルスの検出率に差が出ると言うものがあります。 この調査によるとピルを服用している人では、月経周期の後半(生理の14日目以降)の方がHPVの検出率が高くなったそうです。  これは何を意味するのかは分かっていません。 しかし、もしこれが本当だとすると、HPVの感染があってもウイルスを検出し易い時期と、しにくい時期がある可能性があるという事になります。  これが単にピルによってウイルスの検出率に差が出てくるだけなのか、ピルがウイルスの進行と関係があるのかは、まだまだ調査と研究が必要なようです。

リスクの高いHPVは若い人ほど多い。

 子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)と考えられ、その中で子宮がんになり易いウイルス(ハイリスク)と、なりにくいウイルス(ローリスク)がある事が分かっています。  ハイリスクの中でも16型と18型は特に危険なタイプで、子宮がん検診で、がんになっていなくても、16型と18型のどちらかがいるだけで、がんの広がり易い子宮の出口を切除する円錐切除をすすめられる時があります。  さて日本ではHPVの16型の感染が多く、18型は欧米に比べて少ないと言われています。 今のところ検出されるHPVは16型と18型を合わせて60%-70%と言われていますが、日本の若い女性では、この16型と18型の感染率が高いと考えられています。 HPVの感染者で 20代では 90%         30代では 75% という調査があります。  さて今回許可になるHPVワクチンは16型と18型に効くものです。 このデータから言えば、20代では90%、30代では75%の人のがんを予防出来るという事になります。

HPVワクチンは何年有効か?

 子宮頚がんを予防するためのワクチンHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)予防ワクチンの接種が広がりをみせています。 ウイルスによって起ると考えられている、子宮頚がんを予防するという意味では、大変意義があると考えられます。  さてこのHPV予防ワクチンがどの位効いているかが問題になります。 日本を含め、世界中では9〜13歳までをワクチン接種の推奨対象としています(WHOによる)。 一方感染する可能性が高いのは、やはり20歳過ぎです。 この事を考えると、ワクチンは長く効いてくれなければ困ります。 現在の所、研究室レベルでは20年もつと考えられています。もし9〜13歳の年代で日本中の女性全員にワクチンを打つ事が出来ると、将来日本から子宮がんが無くなる計算だそうです(まだ推測のレベルのようですが)  しかしワクチンの効果が短ければ、この計算もただの計算に過ぎなくなってしまいます。 ワクチンが世界で使われるようになって、約7年位経ちました(2010年現在)。 これまでは効果が無くなった、あるいは減ったという調査は無いようです。  最近もLancet誌に、最長6.4年追跡調査をした研究結果が掲載されていました。それによると、これまでの期間で、血液中のウイルスの抵抗力(抗体の値といいます)は十分保たれ、HPV感染の予防になる事ははっきりしたという事です。 研究室内の推測は大切ですが、ワクチンの本来の目的である子宮頚がん発生予防に関して、どの位の間ワクチンの効果があるか、実際の調査データが毎年積み上げられる事が大切でしょう。

HPVワクチンは投与する年齢によって効果が異なる

 HPVワクチンは子宮頚がん予防に有効である事は広まりつつあります。 現在日本で用いられているワクチン(サーバリックス)は、HPV16型と18型に有効です。 近々使用が可能になるだろうと考えられているワクチンは、16型と18型の他に、尖圭コンジローマの原因と考えられる6型と11型の感染予防にもなります。  尖圭コンジローマは性行為で感染する病気のため、これを予防出来るワクチンを用いると、女性だけでなく、男性の尖圭コンジローマの発生も減少するという調査結果が出ています。  さて子宮頚がんの原因がHPV感染であるという事は、性行為で感染すると言う事になります。 この為9〜13歳位までの女性を対象にすると、その効果が高いと考えられ、WHOもそれを推奨しています。 一方14〜26歳までの女性に接種する事もすすめられています(WHO)。 さらに45歳位まではワクチンの効果があると考えられ、希望があれば接種した方が良いとの考えが多いようです。  さて、このワクチンは9〜13歳の年代に接種すると、ほぼ100%近くの効果があるだろうと考えられています。 その理由は、この年代ではワクチン投与前のHPV感染の可能性が無いと考えられるからです。  しかし15〜25歳を対象にしたワクチンの接種では、約70%位の有効率ではないかと考えられています。 これはワクチン投与前にHPV16型か18型に感染していた可能性が出てくるからです。  さらに年齢が進むにつれて、HPV感染の可能性が高くなるため、有効率がさらに低下する事が予測されます。 しかし、それでもHPV感染予防としての効果は期待出来る為、希望する人には積極的にワクチンを投与するという考えがあるようです。

HPV予防ワクチンは男性にも!

 HPV(ヒト パピローマ ウイルス)が、女性の子宮頚がんの原因にもなる事が分かってきました。 しかし子宮頚がんだけではなく、他の部位のがんの原因にもなっている事も明らかになってきています。 一方、男性も女性も一生の間に80%の人が、HPVに感染しているだろうというデータがあります。これは重大な意味をもっています。 最近ものど(咽頭)に出来るがんの中で、HPVが関係するがんが増えてきているという調査がありました。 これらの事実は、HPVワクチンは女性を対象にするだけではなく、男性に投与する事も意義があるという事になりそうです。 例えば、男性にワクチンを投与すると、 1. パートナーの女性に対して、ウイルスを感染させなくなる。 2. 尖圭コンジローマの原因となるHPV6、11にも効くワクチン(日本では2010年9月の段階では、まだ使用許可が出ていませんが)、は今多くの人が悩んでいる尖圭コンジローマを明らかに減らす事が出来る。 3. 男性の性器のがんを予防出来る。 4. 一部の肺がん、肛門のがん等も予防出来る等があげられます。 これらのメリットを考え、女児だけでなく、男児にもワクチンを投与する国も出てきました。 我が国でも近い将来、女性だけでなく、男性にもHPV予防ワクチンを投与する時代がくるだろうと考えられます。

お母さんが子宮頚がん検診の時に、HPVワクチンのお話を聞くと良い!

 子宮頚がんの予防ワクチンを受ける事が拡がっています。 CDC(米国疾病予防管理センター)では、11〜12歳でのワクチンの投与を勧告しています。 日本でも地方自治体が公費負担でワクチンの投与をする所が増えています(2010年の段階)。 さらに最近は、国のレベルで11〜12歳の女性全員を対象にワクチンを投与しようという動きがあります。  ただ現在の所、若い女性全てを対象にして、ワクチン投与が公費負担になる可能性は少ないように思われます。 どうせ予防するなら、早いうちにワクチンをと思うのですが、中学生、高校生が自分からワクチン投与を受けたいとは、なかなか言い出せないものです。 これにはお母さん(お父さん)から話を切り出す方が良いという議論があります。 しかしお母さん(お父さん)にしても、HPVワクチンの意義がどの程度あるか分からない事があります。 例えば(1)100%子宮がんが予防できるか、(2)効果はどの位つづくのか、(3)注射の回数は、(4)副作用は (5)費用は 等々です。これら予め話を聞いておきたい事は沢山あるでしょう。  これらについては 当ネット:子宮がん をご覧下さい。 こうした事を解決するために、子宮頚がんの検診や乳がん検診を受けた時に娘さんのワクチン投与について聞いてみようという運動があります。  これは確かに良い方法だと思います。 専門家にしっかりワクチンについての説明を聞く事で、安心してワクチンの投与をうける事ができると思います。

HPVが関係する「のど」のがんが増えてきた?!

 日本の話ではありませんが、最近HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因と考えられる咽頭(のど)のがんが増えてきているそうです。 のどの部分は、上から下までをまとめて頭頚部といいます。この頭頚部に出来るがんは、世界で6番目に多いがんで、毎年64万人の人が新たに発生しているとの事です。 この頭頚部の最中くらいにあたる咽頭という所に出来るタイプのがんが増えてきているとの事です。 一方、同じ頭頚部に出来るがんでも、他の部分に出来るがんは減ってきています。 もともとこの部分に出来るがんは喫煙や飲酒が引き金になると考えられてきており、喫煙や多量の飲酒の習慣が改善してきている事が原因かも知れません。 しかし増えてきている咽頭のがんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)が関係しているからだろうと考えられています。 アメリカでは1999年−2006年までの咽頭がんの発生率は、その前25年間に比べて22%増加、イギリスは1989年−2006年に51%増加しています。 スエーデンでは咽頭がんと診断された人で、HPVが検出される人の割合が1970年から、70%も増加してきているとの事です。 多分国によって多少の差があるものの、HPVが原因の咽頭のがんが増えてきているのは確かなようです。 この咽頭のがんの特徴として 1.比較的若い年齢の人に多い。 2.子宮頚がんと同じ扁平上皮がんというタイプである。 3.HPVが関係しない咽頭がんに比べて、治療効果が高い。 4.過去の性交渉のパートナーが6人以上の人に多い。 5.男性では初めての性交渉の年齢が低い人程がんになる率が高い。 等があげられています。 HPV感染が原因の病気は少しずつ広がりつつあるようです。

HPV検査の必要性 −国別にみてみると分かる事

 子宮頚がんは、全体的には減る傾向にあります。 しかし一方で若い女性の子宮頚がんが増え、この年代の死亡率が高くなりつつあるのも事実です。  これは子宮頚がんの原因がHPVであると考えると、納得出来ます。 HPVの感染者が若い女性に多いからです。 若い女性の子宮頚がんが増えるのは、勿論がんによる死亡も増える事になります。しかしそれだけではありません。死には至らないでも若い年代に子宮の手術を受けなければならない女性も増えているという事になります。  ここで少し外国と比較してみましょう。 日本ではだいたい年間3500人の人ががんで亡くなっています。 しかしオーストラリアでは年間250人だそうです。しかし両国ともHPVの感染率に差がありません。 日本人の若い女性のHPV感染率が20〜25%位、オーストラリアの女性は約30%と言われています。 しかし死亡率には大きな差があります。  その1番の理由は、がん検診率にあると考えられています。 オーストラリアを含め欧米では20代女性のがん検診率が70%を越えています。 日本では僅か5%と言われています。  日本のがん検診の精度はとても高いと評価されています。 しかし検診を受けなければ、その高い技術も宝の持ち腐れです。 また従来の検査にHPV検査を加えると、検診の精度がさらに高まると考えられています。 これからは 1.若い女性こそ癌検診をうける事 2.高い費用がかかるHPV検査の費用を低くする(公的な負担増になるかも知れませんが)ことが必要とされるでしょう。

HPVワクチンで尖圭コンジローマが減った!

 HPVワクチンはよく知られた様にHPVの16型と18型だけに効く2価ワクチンと、これらの他にも6型と11型にも効く4価ワクチンがあります。  日本では現在前者の2価ワクチンの使用が認可されておりますが、近い将来4価ワクチンも許可になると考えられています。  さてこの2価ワクチンと4価ワクチンの違いですが、これは4価ワクチンに含まれる6型と11型に対する効果の差です。 これら6型や11型は外陰部に出来る尖圭コンジローマの予防になると考えられています。  実際オーストラリアでは26才以下の女性に無料で4価ワクチンを投与する試みがなされていますが、その効果は早くも出ている様です。 1.それまで毎年増えつづけていた尖圭コンジローマの患者さんが減ってきた。 2.しかも、その効果はHPVワクチンを投与した人に限って表われた。 3.さらに興味深い事は、28才以下の男性の尖圭コンジローマの患者さんも減ったという事です。  尖圭コンジローマは性行為で感染するものです。若い女性に対して予防のワクチンを投与すると、パートナーの男性にも恩恵が行くという事を意味します。予想されていたとは言え、驚くべき事でした。  なお尖圭コンジローマはウイルス感染のため、再発する事が多い病気です。病気にもならない、再発に悩む事も無いというのは嬉しい事です。

若い女性のヒトパピローマウイルス(HPV)感染

 外来で診察していると、最近子宮がん検診で要注意と言われる人が増えてきているような気がします。 今のところ2つの理由が考えられそうです。 1.実際にがん検診をうける人が増えた。あるいは何らかの理由で婦人科に行ったら、たまたま癌検診をすすめられた等の理由で検査をうける人が増えた。 2.検査をうける人の中で、要注意の人が増えている可能性がある。  実は1と2は関連があります。 子宮頚がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが関連していますが、このウイルスが若い人に感染している可能性がある事から、子宮癌やその前のレベルの異常が、若い女性に見つかるようになってきたという事実があります。 もともとは生理不順や、おりものが気になって婦人科を受診した女性にHPV感染があり、その結果、異常と言われる比率が高くなった可能性があります。 因に、現在の日本でHPVが最も高い比率で見つかるのは20代女性、次いで30代です。その後少しずつウイルス保菌の比率が下がっているようです。

HPV予防ワクチンの有効性にはいろいろな意見があります。

 HPV予防ワクチンの投与が広がりつつあります。 最も有効な年齢は11歳〜12歳位の人達に投与する事だと考えられていますが、成人の女性に投与しても、その効果がある事が分かっています。  11歳〜12歳位の子供達に投与する事については、その効果は十分に予測されていますが、成人女性の効果については少し意見の違いが見られる様です。 1. ワクチン投与前にHPV16型や18型に感染してない女性に対する有効性は98%である。   2. しかしHPV検査を行わないで予防接種をした場合は有効率が44%に落ちる。 3. 一方で、HPV検査をしないで予防注射をした際、仮にHPVに感染していても、その感染している期間を短くし、その結果がんや前がん状態になるのを予防するという研究もあるようです。  まだ子宮がん予防にこのワクチンが使われる様になって7年しか経っていません(我が国では数ヶ月です…2010年3月の段階)。 ワクチンの効果などについては、今後データが積み重ねられる事で、新しい事実が分かってくるかも知れません。

HPV検査に保険が使える 但し一部だけですが。

 子宮頚がんの原因の大部分がHPVによる事が分かっています。 ただ残念な事に、そのHPVの検査には保険が使えません。 このため検査のために、多額の費用がかかっていました。  今回2010年4月中旬頃から、がん検診のうち細胞診検査でASC-US(Atypical squamous cells of Undetermined Sigmificans=判定がむずかし異常な細胞が出た場合という意味です)という異常が出た時だけは保険が効くようになりそうです。 このASC-USという分類は、今まで使われていた(説明しやすいため、今も用いられている病院も多いのですが…)クラス判定とは異なり、ベセスダ法という新しい判定の基準で判断されたものです。    ベセスダ法については当ネット:婦人科の病気 子宮がんをご覧下さい。     このベセスダ法というのは、今までのクラス分類より、より詳しく異常を説明しようというものですが、よく分からない時は担当の先生から説明を聞くと良いでしょう。  今のところHPV検査で保険が効くのは、ASC-USだけで、これに該当する人はあまり多くありません。 しかし、これを機会にHPV検査に保険が効く対象が広がる可能性もあると考えられます。

妊娠中のワクチン投与は…

 子宮頚がん予防のために、HPVワクチン投与をする事が広がりつつあります。 日本でも諸外国にならって、地方自治体で公費による小中学生のワクチン投与が始まっています。  さて、このワクチンは妊娠中の投与は勧められていません。 アメリカのFDA(食品や薬剤の安全性に関する専門機関)では、カテゴリーBに分類されています。 これは、動物実験では胎児に異常を起こす事はないけれど、人間では実験が行われていないという意味です。  最近アメリカの産婦人科専門雑誌OB-GYに相次いで妊娠中のHPVワクチンの影響についての論文が出ました。 ワクチン投与中に妊娠と分かった人 517人を調べた調査では、①自然流産の比率も ②胎児奇形の比率もワクチンを投与しなかった人達に比べて差はなかったそうです。  またワクチンの効果や副作用についての試験を行っていた時の調査では、ワクチンを投与中に1796名の人が妊娠したそうですが、やはり自然流産率、胎児死亡率、奇形率に差がなかったそうです。  ただし、これらの数だけでは、まだ結論的な事は言えないとの事です。 妊娠中に使用した経験がもっと集まらなければ、科学的な証明とは言えないからです。 今の所、 1. 妊娠中のワクチンの投与は勧められないという事は変わらないようです。 2. また3回目のワクチン投与後1ヶ月間は妊娠しない方が良いとされています。 3. しかしもし妊娠した時は、妊娠中絶をしなければならない理由はないとされ、この事は日本の産婦人科の専門医の会でも確認されています(日本産婦人科医会)。

がん検診とHPV感染 年代別の感染率は?

 子宮がんの検診はいろいろあります。 最も代表的なものは、①細胞診検査です。 細胞診検査で異常がでた時は ②コルポスコープ検査、コルポスコープ検査で異常がでた時は、③組織検査とすすみます。 組織検査が最終診断で、今異常な状態があるか、あるとしたらどの程度の異常か分かります。  これに対してHPV(ヒトパピローマウイルス)検査は、将来がんになる可能性がある、ウイルスがいるかどうかの検査です。 細胞診検査と一緒に検査をする事で、がん検診としての正確度を増す事が出来ます。 ただ費用が若干かかるという欠点があります。  一方まず細胞診検査をして異常が出たら、そこでHPV検査をするという方法もあります。 細胞診は国を始め各自治体で補助がありますから、それをまず利用してという方法です。 どんな検査をすると良いか?。費用は? 等については、各病院で相談にのってくれるでしょう。  さて子宮がんの原因になるHPVは、欧米では女性の一生の間で約80%の人が感染すると考えられています。  日本での研究では10-20代の女性で約20.6%の人が、30代以降では9-10%の陽性率という研究があります。 この中で将来がんや要注意になる可能性のあるウイルスは大よそ5%位の陽性率だったそうです。 (金澤浩二ら.産婦人科治療 89・2004) しかし、これは調べた時に、たまたまウイルスがいた確率がそれだけで、一生の間には、もっと感染率が高く、実際には欧米に近い感染率の可能性もあります。  ただ幸いな事に、これらのウイルスは、他のウイルス感染と同様、自然に良くなる人が圧倒的に多いとの事です。このため、実際に感染した事のある人は、もっと多いと考えた方が良さそうです。 このため、若い時期からの「がん検診」の大切さは、やはり重要なようです。

若い女性とHPV感染② —若い女性こそワクチンが効く(90%という数字)—

 日本では若い女性の子宮頚がんが増えています。全体的に子宮頚がんの女性が減っているのにも拘らずです…。  この増大の理由は、子宮頚がん検診を最もよく受けるのは60代女性であるのに対して、20代女性の子宮頚がん検診率が極端に低い事にあります。一説によると5%との事です。  さて、HPVワクチンのお話ですが、このワクチンは将来がんになる可能性のあるHPVのタイプのうち16型と18型に効くものです。  このHPVの型は国により多少の差があります。これはウイルスには、それぞれ地域による(人種による)差があるからではないかと考えられています。  さて日本人には、欧米人に比べて、がん化率が高いと考えられる16型と18型は比較的低いと考えられています。 HPV感染の人の約60%程度の感染率と考えられています。  ところが、日本で最近問題になっている若い女性の子宮頚がんは、16型と18型が多く、両方を合わせると20代で90%、30代で75%との推測があります。 これは欧米とほぼ同じで、明らかに年配の女性がかかる子宮がんと、若い女性がかかる子宮がんではHPVの型が違ってきている事が分かります。  この点を考えると若い女性ほど、16型と18型に効果のあるワクチンの接種をうけるべきだという事が分かります。 今使われているHPV予防ワクチンはこの16型と18型に効果があるものです。 費用が少しかかるのは難点ですが(病院により違います)、将来子宮がんになるのを予防出来るというのは大きな利点だという事を考える必要がありそうです。

若い女性とHPV感染① —ワクチンの効果—

 御存知の様にHPV予防ワクチンの接種が広まりつつあります。 埼玉県朝霞市では小学生に公費でワクチン接種を行う事になったという報道もあります。  さてもし11歳〜12歳位の女性全員にHPV予防ワクチンを投与したら、将来子宮がんが何%減るかという試算があります。 それによると約70%の割合で子宮がんが減るとの事です。 しかし、もし接種率が半分だとその効果は大幅に減るそうです。 その意味では、近い将来学童期の女性全員に、公費で予防ワクチン投与がうけられる様になる事が期待されます。  因に国によっては女児のみだけでなく、男児にも予防ワクチンを投与している所もあるそうです。これは将来性行為でパートナーに感染させないようにという意味と、男性のがん予防(HPVによる)を兼ねているものです。

HPV感染は性感染症とは言いきれないかも?

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染は子宮頚部の前がん状態、子宮頚がん、尖圭コンジローマや、一部の外陰がん、大腸がんの原因になると考えられています。  HPVは人間に約100種類、女性の膣の中には約40種類のタイプが感染する事が分かっています。 感染の原因は性行為と考えられており、最近開発されたHPV予防のワクチンも、世界的には、そろそろ性行為があると考えられる年令を考慮して、投与開始の年令が考えられています。  しかし、本当に性行為感染だけが、感染のもとなのかは疑問の点があります。 1. そもそも80%の女性がHPVに感染する可能性があると考えられています。80%の確率で感染力がある性病は少し考えにくい所です。 2. 膣以外にいるHPVはどこから感染したかという問題も考えなければなりません。 3. 最近は、性行為が考えられない、小さな子供にもHPVが見つかったという調査があります(小さい子は4才)。その中には将来がんになる確率の高いハイリスクグループのHPVの感染があった子供もいたそうです。 これらの事を考えると、HPVの感染については、まだまだ研究が必要になってくると思われます。 その結果、予防ワクチンの投与の方法も違ってくる可能性もあります。

多分円錐切除の後にHPVワクチン投与の時代がくる?

HPVワクチンはヒトパピローマウィルス(HPV)のうち16型、18型(子宮がんの原因になるウィルス型)6型、11型(尖圭コンジローマの原因になるウィルス型)に効果があると考えられています。 しかし実際にはHPVのうち、将来がんになる可能性のあるタイプは沢山あります。 特に日本人には16型が多いが、欧米の人に比べ18型が少なく、むしろ30番代、50番代のウィルスが多いと考えられています。 ただ今のワクチンは多少他のタイプに効果があるとの研究もあり、ウィルスの働きを抑える効果が期待できない事もありません。  特にHPV感染が原因で高度異形成上皮や上皮内癌になり、円錐切除を受けた人を対象に、ワクチンを投与しておくという考えがでてくる日が来るかも知れません。 原因のHPVを手術で0にした時、あるいは限りなく0にした時のワクチンの効果が期待出来るからです。 また手術後に新たにHPV16や18に感染する可能性だってあるかも知れません。これらを予防するという意味もあります。

子宮頚がんHPVハイリスクグループについての最近の新しい見解−ハイリスクでも本当にリスクの高いものと、それ程でもないグループに分ける考えがあります−

子宮頚がんには将来がんになる可能性のあるハイリスクグループと、そうではないローリスクグループに分かれています。 さらにそれぞれのグループは幾つかの型がある事が分かっています。 最近文部科学省の研究によると、今までハイリスクと分類されているもののうち、 16型、18、31、33、35、52、58 はハイリスク(高リスク) 39型、45、51、56、59、68    はインターメディエイトリスク(中等度リスク) と分ける考えが出てきています。  これは新しい意味のハイリスク(高リスク)は、中等度リスクに比べ、自然に消える確率が低く、進行するリスクが高くなる可能性がある事から分けようとしたと考えられます。 その意味ではHPVはハイリスクかローリスクかを知るだけでなく、その型も知る必要が大切になるかも知れません。

EU各国で子宮頚がん予防のワクチンが販売される事になりました。

このワクチンの使用は、まだパピローマウイルスに感染していない人にのみ有効です。 日本人の女性のかなりの方は、このウイルスに感染していると考えられていますので、ワクチン投与の対象者は、セックスの経験のない人など若い人になると思います。 近い将来、個人輸入の形で薬剤が入ってくる可能性は否定出来ません。 当ホームページ〔コミュニティ〕の中にあるように、この薬剤がどの期間効果がつづき、副作用がどうかについては、まだ分かっていない部分があります。十分な注意が必要でしょう。

ヒトパピローマウイルス(HPV)検査が広まってきました。

子宮頚がんや、尖圭コンディローマなどの原因の大部分と考えられるヒトパピローマ・ウイルスの検査が急速に広がっています。 検査可能な病院が広まっているという事ですね。 HPVウイルスは、将来がんになり得る危険率の高いグループ〔ハイリスク・グループ〕と、危険率の低い〔ロー・リスクグループ〕に分かれます。 検査した結果がハイ・リスクグループなら、より早目の対策が立てられます。 今の所、がん検診で細胞診クラスⅢa以上と言われた方、尖圭コンディローマのあった方、クラミジア等性感染症の疑いのある方は積極的に調べられる事をおすすめします。 ただ検査はまだ保険が適用になっておりませんので、病院により異なります。予め電話などで問い合わせておいた方が良いでしょう。

ヒトパピローマウィルス(HPV)が子宮がんの原因の大部分である事が分かってきました。

ヒトパピローマウィルス(HPV)が子宮がんの原因の大部分である事が分かってきました。 しかしそれ以外のがんの原因にもなっている可能性があります。 子宮がんの95-99%はヒトパピローマウィルスが原因であろうと考えられています。 ではその他の臓器に悪い影響を与えている可能性はないのでしょうか。 今の所子宮頚がん程高い確率ではありませんが、HPVが幾つかの部位のがんの一部の原因になり得る事が考えられています。 外陰部のがん 大腸がんの一部 食道がんの一部 頭頚部がんの一部 男性の生殖器のがん 前立腺がん

子宮頚がん予防ワクチンについて

先日新聞で、アメリカで子宮頚癌を予防するワクチンが出来、使用する事が出来るようになったと出ていました。 このワクチンが使われると、子宮頚癌は将来なくなるのでしょうか。 また日本でも使用が許可される見込みがあるのでしょうか。 答 子宮頚がんを予防するワクチンは世界中で研究されており、Eu諸国の一部では既に使用が許可になっています。 今回アメリカの食品医薬品局(有名なFDA)が、HPV予防のためのワクチンを使用しても良いと承認しました。多分アメリカの一部では使用が進むと考えられます。 日本でもこのワクチンの研究はつづけられており、使用許可が出る日が来るのではないかと考えられています。 しかし注意しなければいけない事が幾つかあります。 1. ワクチンとはウイルスが感染しないように予防の為に用いられるもので、既にウイルス感染している人には効果がありません。日本人では既にHPVに感染している人がかなりいると考えられています。 従ってワクチンを投与される条件がある人は、セックスの経験が無いだろうと考えられる若い世代(HPVはセックスで感染する可能性があると考えられているからです)か、実際のウイルス検査で感染が無いと分かっている人です。 2. 今のところこのワクチンは沢山あるHPVのうち4種類の型(6、11、16、18型)にしか効果がありません。 従って今の所100種類以上の型が分かっているHPVのうちこれ以外の型のHPVには効かない事になります。 但し16と18型だけを予防するだけで子宮頚癌の約70%が予防出来ると考えられています。(16型と18型だけで子宮頚癌の原因の70%と考えられているからです) 3. 今の所ワクチンを投与した人ではほぼ100%の人が有効である事は分かっているのですが、一生予防効果がつづくのかは分かっていません。また長い目で見て、将来重大な副作用が出る事はないのか等については分かっていない所もあります。 4. 主に宗教的な理由で、セックスに厳格な規範を求めている国あるいは、地域によっては強い拒否反応をしめしている所もあるようです。

ログイン ID・パスワードを忘れた方