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その他の女性のがん

鎮痛剤を使いすぎると癌? -アスピリン以外の鎮痛剤と腎臓がん-

 鎮痛剤はどこの国でも手軽に利用される傾向があります。 日本も例外ではありません。 さて、もともと一部の鎮痛剤には、泌尿器系のがんを発生し易いのでは、という研究がありました。  最近鎮痛剤の長期使用と腎臓がんが関係するのではないかというアメリカの研究機関の研究結果が出ました。  腎臓がんは日本でも増えているがんです。日本では男性の方が女性の3倍と言われています。 アメリカでは男性が罹るがんの7番目、女性の罹るがんの9番目だそうです。  1986年から研究を始めた25年間、薬と腎臓がんの関係を追跡したそうですから、長い研究です(対象は女性77,525人、男性49,903人との事です)。 今回の結果では、 ①鎮痛剤のうちアスピリンとアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ等)の使用と腎臓がんの関連はなかった。 ②アスピリンを除く、他の非ステロイド抗炎症薬(これをNSAIDといいます。ボルタレン、インダシン、ロキソニン等)と腎臓がん発生の間には関連があった。 ③NSAIDを常用していた人(非常時は別という事です)は、使用量が多い人程、腎臓がんになる人が増えた。 ④鎮痛剤を4-10年常用していた人は36%腎臓がんになる確率が上昇し、10年以上用いていると、ほぼ3倍になったそうです。  これらの結果から、アスピリンを除いた鎮痛剤の手軽な利用、特に常用する事には、十分な注意が必要になるだろうと言う事がわかります。

カンジタの薬ががんにも効くかも知れない

 がんに対する研究はいろいろな角度から進められています。その研究の広がりはとても一口では言い切れません。  日本の統計をみると、国民の2人に1人は一生のうちに1回は、何らかのがんに患かります。そして3人に1人はがんで亡くなっています。がんに対する研究が1日も早く、そして一歩でも進む事を祈りたいものです。  さて、がんをやっつける対策はいろいろな方面で進められています。  今回も注目すべき研究の結果が出ていました。 カンジタ症という真菌(カビの一種です)に効く薬(抗真菌剤といいます)に強い抗がん作用があるというものです。  ドイツの大学の先生の研究結果ですが、もしこれが本当なら、がんではない正常の細胞に悪い影響を与えずに(副作用が出ずに)がんに効果がありそうです。 ただ、今の所どのがんにどの程度効くか、効果のある量はどの位か、他の病院で試したら、やはり同じ程度の効果が出たか等については、まだ次の情報が出ていません。  抗真菌剤を長く用いて、もし真菌に感染した時に今度はその真菌剤が効くかの問題もあります。  しかし、とても重要な情報に違いはありません。 さらに一層の研究が待たれています。

睡眠時間と関係するがん−その2−寝不足は乳がんになる確率が上がる?

 睡眠不足は身体のいろいろな機能に影響を与えます。 免疫力等、病気に対する抵抗力を低下させる可能性もあると考えられています。 2009年日本疫学会(疫学というのは一言で言えば病気の原因をいろいろな角度から研究する学問をいいます)では、睡眠時間が少ないと、乳がんになるリスクが高まるのではないかという研究の結果が出ていました(東北大学−柿崎真沙子氏ら)。  平均睡眠時間が6時間以下の女性は、睡眠時間がそれ以上の人に比べると、1.62倍危険率が高まるというものです。 これには催眠物質であるメラトニンが関係している可能性があるそうです。 メラトニンが十分に出る(睡眠が十分にとれる)と、乳がんの発生と関係する女性ホルモンの分泌が減るという考えと、メラトニン自体ががん細胞の成長を抑えるという考えがあるようです。 これは前回お話した前立腺がんの研究とほぼ同じ傾向と言えるでしょう。

睡眠時間と関係するがん−その1−前立腺がん、卵巣がん、子宮体がん、乳がん

 睡眠時間と関係するがんがあるらしい事が分かってきました。 睡眠時間と健康にはいろいろな調査や研究があります。 その中で分かってきたのは、その人に適当な睡眠時間には個人差があるとの事です。ただ睡眠時間が極端に短いと、健康に良くないという考えが多いのは言うまでもありません。 今のところ健康に害があるのは、5時間以下とか6時間以下との説があります。  さて睡眠時間が長くなると、メラトニン分泌時間が長くなります。 このメラトニンというのは睡眠と関係する物質です。 このメラトニンの効果の1つに、十分に出ると性腺刺激ホルモン(男性や女性の性腺を刺激します)の働きを抑える作用があります。 その結果、性ホルモンが関係するがんの発生が少なくなる可能性があるという考えがあります。  女性では 乳がん、子宮体がん、卵巣がん など、  男性では 前立腺がん など。 メラトニンのもう1つの効果は、がん細胞の成長を抑える効果があるという事です。  さて、このメラトニン−睡眠時間と前立腺がんの関係を調べた研究があります。 これによると、2万人以上の人を追跡し、睡眠時間と前立腺がんの発生を調べた所、睡眠時間が9時間以上の人は、前立腺がんの発生率が低く、6時間以下の人は発生率が高くなるという結果が出たそうです。  なお睡眠時間があまり短いと免疫力が落ちるという研究もあります。睡眠時間とがんの関係については単にメラトニンだけではないかも知れません。  そう言えばナポレオンは、胃がんだったという説がありますね。 睡眠時間が3時間だったというナポレオンは、メラトニンの分泌が少なく、胃がんになり易かったのかも知れません。

女性では背が高い人ほど、がんになり易い?

 身長とがんの関係についていろいろな調査があります。 現在の所、女性では幾つかの種類のがんについて、身長が高くなる程、がんになる危険率が上がるというデータがあります。  そこで、英国の研究グループがそれらのデータが正しいか詳しく調べたそうです(Lancet誌)。 対象になった女性は、1996年-2001年の間の130万人弱との事ですから、大規模な調査と言えます。 そのうち9万7,000人位ががんになったとの事です。  その結果、調べた17のがんのうち、15のがんで身長とがん発生に関係がありそうとの結果が出たと報じております。 なかでも結腸、直腸、悪性黒色腫(皮膚のがん−皮膚のがんの中で最も死亡率が高いがん)、乳房、子宮内膜、卵巣、腎臓、リンパ腫、白血病では、特に身長との関係が出たそうです。  これらのデータは、ヨーロッパ、アメリカ、アジアでほぼ差がなかったとの事ですが、日本人にそのまま当てはまるかどうかは分かりません。  ただし、念のため身長の高い女性は「がん検診をうけておく」という姿勢は必要かも知れません。

ピルを飲んでいると発がん率が減る?—但し8年以上使用する事は注意?−

 ピルを服用すると乳がんになる確率が少し高くなるかも知れない等、ピルの服用と将来のがんの発生の関係が注目されています。ピルは欧米を中心に約50年前から使用されてきております。これまで推定約3億人の人が使用してきたという事です。  ところで最近のデータをまとめると、ピルを長期間使用していると、だいたい乳がんの発生する比率が20%位上昇するのではないかという研究があります。  最近イギリスの代表的な医学雑誌(BMJ)に36年間にわたって蓄積されたデータをまとめた研究が出ていました。 これによると、ピルを用いた人では、癌全体を考えると、がんの発生率はむしろ減少したという事です。 だいたい3〜12%位低下するのではないかという事で、特に結腸直腸がん、子宮体がん、卵巣がんの発生比率が減ったそうです。 これらのがんは、いずれも最近増えているがんです。特に結腸直腸がんは、女性のがん死の第3位になっていますし、近い将来、第1位になる可能性もあると考えられています。  一方、この研究では、もう1つ大切な事を指摘しています。それは、ピルを8年以上使用すると発がんリスクが増える可能性がある事です。 ピルは使用中の検査が必要であると同時に、使用期間にも注意が必要という事になりそうです。

ビタミンCの大量投与ががんに効く理由

 高い濃度でビタミンCが投与されると、幾つかのがんには効果がある可能性があるという研究があります。  実際世界中の病院で、ビタミンCの大量の投与が試みられています。 大量投与の方法は点滴だそうです。 内服薬だと、いくら飲んでも効果のある量までいかないからだそうです。  また点滴で大量のビタミンCの投与をうけて大丈夫かとの考えがあります。 ビタミンCは点滴で血管の中に入ると、速やかに血管の外に浸み出し、最終的に活性酸素を作り、この活性酸素が腫瘍を攻撃するのだそうです。  しかし活性酸素は、血管を傷つけたり、発癌にも関係があるというデータもあり、それ自体気をつけなければならない物質です。 ところが腫瘍の周囲の正常細胞には、活性酸素を分解する酵素があるため、分解酵素をもっていない腫瘍細胞にだけ活性酸素があつまり、これが腫瘍細胞を殺すのだそうです。 一方血液中に大量に入ったビタミンCは、血管の中で副作用を起こさない酵素(還元酵素といいます)が働くため、こちらの副作用も考えにくいのだそうです。  この様に、ビタミンCの大量の投与は副作用が少なく、腫瘍細胞だけをやっつける効果的な治療になるとの事です。    さて2008年にも世界的に認められているPNASという医学誌に、ネズミを使った実験結果が出ていました。  卵巣がん、膵臓がん、脳腫瘍を人工的に作ったネズミに大量のビタミンCを投与した所、腫瘍の大きさや重さが改善したとの事です。 人間でも膀胱がんやリンパ腫等に実際に効果が出ているというデータもある様ですが、さらに本格的な効果の検証が俟たれる所です。

大腸癌と診断された後、アスピリンを定期的に飲むと死亡率が減る?

◆大腸がんは最近増えているがんです。 女性ではがんによる死亡率の第2位で、女性ホルモンとの関係も推測されています。 ◆ところで世界で最も読まれている医学雑誌の1つであるJAMA(2009年8月)によると、大腸がんの診断後、定期的にアスピリンを飲むと死亡率が減るというデータが得られたそうです。 調査チームは、遠い部位に転移のない大腸がんの人1,279人を集めて調査したとの事です。 ◆その結果 1. 大腸がんの診断の後にアスピリンを飲まなかった人730人のうち、287人が死亡(39%)、そのうち141人(19%)が大腸がんによる死亡だったそうです。 2. アスピリンを定期的に飲んだ人549人は、193人が死亡(35%)、そのうち81人(15%)が大腸がんによる死亡だったそうです。 3. これらから、アスピリンを診断後定期的に飲む人は大腸がんによる死亡率が29%減ったそうです。 4. 大腸がんの診断前からアスピリンを飲んでいなかった上に、診断後もアスピリンを飲まなかった人に比べると、定期的に飲んだ人は大腸がんによる死亡率が47%も低下したとの事です。 ◆ところで、このアスピリンが効いた大腸がんの人は、特にシクロオキシゲナーゼ(COX)-2という物質が過剰に発現する人に、より効果が高かったそうです。 ◆今後、なぜアスピリンが大腸がんの死亡率を下げるのか、詳しい調査結果が出るのが待たれます。 ◆また同時に、同じような効果が他の癌にも認められないのかも興味がもたれます。

卵巣がんの早期診断のために −自分で感じる症状から−

 卵巣がんの早期診断は、どこの国でもいろいろな努力がなされています。しかし、子宮がん検査のような信頼度の高い検査法は見つかっていないのが現実です。  日本では 1. 超音波検査    子宮がん検診の時に、一緒にチェックをうけるよう、すすめられる時があります。 2. 超音波検査+血液検査   ・超音波検査にCA-125などの腫瘍マーカーの検査を組み合わせる。   ・あるいは超音波検査で異常があった時に幾つかの腫瘍マーカーの検査を行う。 3. PET、MRI、CTなどの映像上の検査 などがすすめられているようです。  アメリカでは、血液検査(腫瘍マーカー)でCA-125の値が上昇してきたら超音波検査をうけるというシステムを試みている所があります。 1. これは、多分アメリカでは婦人科医と超音波検査専門医が別々という、医療システムの違いがありそうです。 2. アメリカ癌学会では、自分で感じる症状に重点をおいた指標を出しております。 次の通りですが、これらはある程度卵巣がはれた状態でなければ出てこない症状の可能性があります。 a)腹部の膨満(お腹がはれている状態をいいます) b)骨盤の痛みや腹痛 c)腹満感(お腹がはる感じをいいます) d)頻尿(はれた卵巣が膀胱を圧迫するためと考えられます) e)嚥下障害(消化器に影響を与えている可能性があります)

卵巣に腫瘍がある時は?悪性を早くみつけるには

 卵巣のがんの女性が少しずつ増えてきています。このため卵巣がんの検診も広まりつつあるようです。 しかし卵巣がんによる死亡率はあまり改善していません。 その理由は、卵巣がんが「がん」として認識された時は進行がんになっている事が多いからとされています。しかし一方で早い段階で発見された時は、その治癒率が高い事が知られています。そのため、もし卵巣に異常があっても、それが「がん」や「がんの疑い」が無いか早い段階での診断が大切とされています。  さて卵巣がんの検診にはいろいろな検査法があります。 その1つに超音波検査があります。ただ超音波検査と言っても、この検査で卵巣が腫れていると判断される人は、意外と多いようです。 そこで、卵巣が腫れているとしても心配のないタイプか、あるいは注意した方が良いタイプか区別しようという研究がすすんでいます。  その結果、次の様な点が診断のポイントになりそうです。 1. 年齢    更年期以降の女性の卵巣の腫れは要注意 2. 両方の卵巣が腫れている時。 3. 腹水がある時。 4. 超音波検査で見えた像が大切。    中味が複雑な形をしているかなど。 5. 血液検査(腫瘍マーカーの検査)。    CA-125という値が高い時。  これらの条件の中でも、4と5の両方がある時は、卵巣がんに注意が必要になる可能性が出てくると言われています。 このような時は担当の先生と十分に話し合う事が大切になるでしょう。 但し卵巣チョコレートのう腫がある人(卵巣の子宮内膜症のある人)は、良性でも血液検査で非常に高い値が出る時があります。 このような時は、良性のものか、注意が必要なものか、さらに慎重なチェックがすすめられる事が多いようです。

女性とがん(女性のかかるがん、死亡率の高いがん)

この頃がんが増えているそうですね。女性がかかる癌のうち死亡率の高い癌は何でしょうか。 またかかる率の高い癌も教えて下さい。 答 2000年の統計ですが、がんによる死亡率は男性で34.1%、女性で26.7%でした。 部位別にみると女性では 胃がん 肺がん 大腸がん 肝臓がん 乳がん     です。 男性では 1.肺がん 2.胃がん 3.肝臓がん でした。 死亡率ではなく、がんになった人(羅患率といいます)を部位別にみてみると(1998年のデーターです) 女性では 乳がん 胃がん 大腸がん 肺がん 子宮がん     でした。 男性では 1.胃がん 2.肺がん 3.大腸がん の順です。 これらのデーターから、女性のかかる率の高い代表的な病気は乳がんですが、他のがんに比べると死亡率がやや低くなります。 子宮がんも同じ傾向があります。(がん統計白書 篠原出版新社) 乳がんや子宮がんは、がんの性格にもよると考えられますが、検診が早くから行われその成果が出ているとも考えられます。 やはりがん検診をうけられた方が良いという事でしょう。

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