子宮体がん

Chapter 2 子宮体がんの診断と検査

Section1  がんがあるかどうかの検査

①細胞診検査

子宮の中にブラシのついた細い棒を入れて、子宮内面の細胞をこすりとったり、穴のあいた管をいれて、強い圧で、子宮内の細胞を吸い取って検査するものです。
この細胞診は子宮頚がんの結果に合わせてⅠ—Ⅴの5段階に分ける事があります。
医学的には正式にはⅠ—Ⅴの5段階に分ける考え方はありませんが、やはり説明するためには便利ですので、この分類が使われる事が多いようです。

ⅢaⅢb
異常なし気をつけてがん
全く異常がありません基本的に異常はないのですが、ホルモンのバランスのくずれなどで少し活動力のある細胞が出る場合。多くは念のため6ヶ月後の検診がすすめられます子宮内膜増殖症という病気が考えられる時。リングが入っている時など、がんが疑われるのではありませんが、少し活動力のある細胞が出ている時。この細胞が消えるまでは定期的にチェックが必要です。子宮内膜増殖症(より複雑なタイプ)という病気が考えられる時など。 医師の指示に従って検診をうけることがすすめられます。初期のがんが疑われる進行したがんが疑われる

細胞診Ⅰと言われた時は何でもありませんがⅡ以上の時は、驚かれる人、これはどういう意味だろうと疑問をもたれる人が多勢おられます。これらのクラス分類は子宮頚癌の時の分類に似ている事がありますので、子宮頚がんのページをごらん下さい。

②子宮鏡検査

子宮の中に細い管(子宮鏡)を入れて子宮の中を診察するものです。
直接子宮の中がよく見えます。
予め何も用意をしないで検査をうける場合と、子宮頚管部が細いため、ラミナリアと言って子宮頚管を開く器具を入れてから検査する方法があります。

③組織検査

◆検査の方法
子宮の中の組織をとって顕微鏡の検査を行う方法です。幾つかの方法があります。

a)細胞診検査の時に一緒に検査を行う時があります。
b)細胞診検査の後 精密検査として行う事があります。

・子宮の中にキュレットという小さな器具を入れて検査を行う方法があります。
   …麻酔を使う程痛くはありません。
・子宮内膜全面ソウハと言って子宮内膜全面を軽くけずりとって検査を行う方法があります。
   …痛い時がありますので静脈麻酔など痛みを感じないような麻酔を使います
・子宮鏡で観察しながら要注意部分を検査する方法があります。
   …軽い麻酔を使う事があります。

c)検査後の感染を予防するため抗生物質をすすめられる時があります。
d)検査の方法によっては当日シャワーだけにする方が良いと言われる事があります。

◆検査後の副作用
子宮の筋肉は厚いので副作用は殆どありません。
a)極く少量の出血がある時もあります。
b)後から痛くなる事は殆どありません。

◆結果
この組織検査の結果は 
①異常なし 
②子宮内膜増殖症(単純型、複雑型) 
③子宮内膜異型増殖症(単純型、複雑型) 
④子宮体がん(0期−Ⅳ期の5 段階)に分けられます。

子宮内膜増殖症、子宮内膜異型増殖症(いずれも単純型、複雑型に分けられます)
子宮内膜増殖症そのものは子宮体がんではありませんが将来わずかですが、がんに進行する可能性があると考えられています。定期的な検査が必要です。期間については医師からお話があります。子宮内膜異型増殖症はがんの0期とも考えられています。約8−29%の方が将来がんに進まれる可能性があると考えられています。この時点で手術をすすめられる方もおられます。但し、赤ちゃんが欲しい方は医師とよく相談しましょう。(後のページをごらん下さい)

a)子宮内膜増殖症
 単純型
 複雑型
b)子宮内膜異型増殖症
 単純型 8%の方が将来がんになるという研究があります。
 複雑型 29%の方が将来がんになるという研究があります。
c)子宮体がん(がんは大きく5段階に分かれます)治療の項目をご覧下さい。

0期…子宮内膜異型増殖症
Ⅰ期…がんが子宮体部のみにできているもの(a.b.cに分かれます)
Ⅱ期…がんが子宮体部から頚部におよぶもの(a.bに分かれます)
Ⅲ期…がんが子宮の外に広がってるもの。
あるいはリンパ腺にがんが進んでいるもの(a.b.cに分かれます)一部略
Ⅳ期…がんが膀胱や腸粘膜まで達しているもの(a.bに分かれます)一部略

Section2  がんであると分かったら行う検査

手術を行う前の診断

手術を行う前の診断→主な治療方法が決まります。

a)どの位がんが進行しているのかを判断します。

臨床進行期分類といいます。
0期−Ⅳ期に分かれます。

b)顕微鏡でみてどのような形をしているかを判断します。これを組織型といいます。

子宮内膜から出来るがんですから、元の子宮内膜の組織ががん化したものが多いのですが(内膜腺癌)元の組織と全く別の顔つきをしているものもあります。別の顔つきをしている子宮体がんの多くはやや進行しやすい傾向があります。この組織型で手術などの治療方針が決まります。(漿液腺癌 粘液性癌 明細胞癌など)

c)一番多い内膜腺癌をさらに顕微鏡でみて、がん組織がより正常に似た形(分化型といいます)かそうでないかを判断する方法があります。これを組織分化度といい3つの型に分けます。

・高分化型(G1)
・中分化型(G2)
・低分化型(G3)

一般に高分化型の方が治療しても効果が高い傾向があるようです。

d)癌が子宮の内(内腔)をこえて、子宮頸部まで進んでいないか判断する事が大切です。

頸部浸潤といいます。

手術を行った後で分かる診断

手術を行った後で分かる診断→後療法が決まります。

a) 癌が子宮の筋肉の中にどれだけ侵入しているかが大切です。
これを筋層浸潤といいます。

b) 子宮の側にある卵管や卵巣に直接浸潤しているかが大切です。
 これを付属器浸潤といいます。

c) 子宮下方血管が主に入り込む部分に浸潤があるかどうかが大切になります。
 これを頸部浸潤といいます。

d) リンパ節転移

e) お腹の中に癌細胞が出ているかどうかも大切だという研究もあります
 腹腔細胞診といいます。

f) 手術後の進行期分類というのがあります。FIGO手術・病理進行期分類といいます。
手術など治療方法を決定するのはあくまで手術前の検査で方法を考えなければいけません。しかし手術後に切除された子宮やリンパ節等を詳しく調べて、手術後実際にはどの程度進んでいたかを確認します。その程度で再発する可能性が何%位あるか、どこに再発しそうか、後療法が必要か、必要だとしたらどんな方法が適切か決まります。手術後医師から詳しくお話があるのが普通です。

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