卵巣がん

Chapter 5 がんの組織型

がんの組織型

がんの組織型

卵巣がんは顕微鏡でみた形(組織型といいます)が問題になります。
この組織型により進み方に差があったり、薬剤の効き方が違ったりします。
卵巣がんにはその組織型により明らかな卵巣がんと境界型悪性腫瘍があります。

卵巣の腫瘍は大きく次の3つのタイプに分かれます。

・良性腫瘍
・境界型悪性腫瘍
・悪性腫瘍(がん)

この組織型により ①どんな治療が望ましいか ②赤ちゃんが欲しい方では赤ちゃんが望めるか等が分かります。

代表的な組織型をあげておきましょう。

1.悪性腫瘍

①漿液性腺がん
卵巣がんの中で最も多い型です。
卵巣の中に水のような内容が入っているものです。
卵巣がんの40−50%がこれです。

②粘液性腺がん
卵巣の中にヌルっとした粘液が入っているがんです。全卵巣がんの10−15%位です。

③類内膜がん
子宮内膜に似た形をしたがんです。卵巣に出来た子宮内膜症
(チョコレートのう腫)が、がん化したような形をしています。
(子宮内膜症のページをごらん下さい)

④明細胞がん
顕微鏡でみると細胞の中が明るく見えるがんです。卵巣に出来た子宮内膜症
と一緒に出来る事があります。最近日本で増えている事が要注意です。

⑤未分化がん
顕微鏡で見た段階で卵巣のどこから出来たか分からない、上のどのタイプに
も似ていない(これを未分化といいます)がんを言います。

⑥未分化胚細胞腫
以前は後にお話する境界型悪性腫瘍に分類されていました。
全卵巣腫瘍の約1%と言われておりますが、若い人におこりやすいと考えられています(20−30 代)どちらか片方の卵巣に出来ている事が多く、手術の他放射線療法や抗癌剤の治療がよく効きます。赤ちゃんを希望される事が多い事から妊娠を希望される方は、医師とよく御相談下さい。後のページをごらん下さい。

⑦悪性の奇形腫(未熟奇形腫)
奇形腫の中には油の成分や、骨歯、髪の毛などが入っている良性腫瘍(皮様のう腫…デルモイド腫瘍といいます)の他、悪性に分類されるものがあります。これを悪性の未熟奇形腫(G3)といいます。この他境界悪性腫瘍に分類される未熟奇形腫(G1、G2 といいます)があります。これらは全て顕微鏡レベルの診断で判定されます(分化度といいます)。

⑧悪性ブレンナー腫瘍
良性と考えられているブレンナー腫瘍という腫瘍の中に悪性と判断される部分がある事があります。

⑨その他、卵巣に出来るリンパ腺のがんの悪性リンパ腫、肉腫など卵巣にはいろいろな種類のがんが出来ます。それぞれで手術の他、放射線療法や抗がん剤の効果が違うことがあります。詳しくは医師と相談しましょう。



2.境界悪性腫瘍

①漿液性のう胞性腫瘍
漿液性腺がんに似ているけれど顕微鏡レベルで悪性度が低い→低悪性度と考えられる腫瘍です。

②粘液性のう胞性腫瘍

③類内膜腫瘍

④明細胞腫瘍

⑤ブレンナー腫瘍(境界悪性タイプ)

⑥未熟奇型腫(G1、G2):①-⑥まではいずれも悪性腫瘍の項目をごらん下さい。顕微鏡でみた形で悪性とはいいきれず、境界型に分類される事があります。

⑦顆粒膜細胞腫:卵巣の中の顆粒膜というホルモンを出す所から出来る腫瘍です。境界悪性腫瘍には多いタイプです。

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