子宮内膜症

Chapter 8 子宮内膜症に似た病気

子宮内膜症に似た病気

子宮内膜症には似た病気があります

 子宮内膜症に似た症状があるものの、子宮内膜症とは違う病気があります。それぞれ治療法が違うことが多いので、しっかりした診断を受けることが大切です。

子宮筋腫

 子宮の筋肉の一部が「こぶ」のように大きくなる病気です。月経痛があるときもありますが、子宮内膜症ほど強くないのが普通です。
こぶは1個のときもあり、複数のときもあります。形の上では子宮内膜症と区別がつきにくいときもありますが、超音波検査でおおよその区別がつきます。それでも区別がつきにくいときは、最終的にMRI検査で診断することもあります。また子宮内膜症と筋腫が一緒にできている場合もあります。
 子宮筋腫は女性4〜5人に1人の割合で存在するといわれていますが、子宮筋腫があるからといって必ず手術をすすめられるということはありません。子宮筋腫の大きさ、貧血の有無、月経痛の程度、妊娠を希望するかなど、いろいろな条件を考慮したうえで治療方針が決定されます。
 子宮筋腫を薬で小さくすることも可能で、子宮内膜症の治療薬と同じ薬をすすめられることもあります。

月経困難症

 子宮や卵巣が腫れて大きくなるということがなく、ただ月経痛が強いという病気です。婦人科の診察や超音波検査で異常が認められることもありません。腫瘍マーカーも正常です。
 若い年齢のときに起こる事も多いのですが、年齢的には20〜25歳くらいでピークを迎え、30歳を過ぎると自然によくなることが多い病気です。
 痛みの原因は、子宮内膜で生産されるプロスタグランジンという物質(ホルモンのようなはたらきをする物質)が多く分泌されるためという説があります。このプロスタグランジンは子宮の筋肉を収縮させて強い痛みを感じさせたり、吐き気、嘔吐などの胃腸症状を起こすことがあります。
 痛みが強いときは鎮痛剤を使用しますが、だんだん鎮痛剤を必要としなくなる方が多いようです。
月経困難症では、一般的に「プロスタグランジン合成阻害剤」という鎮痛剤が最初に使われます。代表的な鎮痛剤は、以下の3つです。

成分名:アスピリン(主な商品名:アスピリン、バファリン)
成分名:インドメタシン(主な商品名:インダシン、インテバン)
成分名:ジクロフェナクナトリウム(主な商品名:ボルタレン)

 さらに、あまりにも月経痛が強い場合には、子宮内膜症の治療薬のうち、比較的穏やかに効くものをすすめられることがあります。
主に、子宮内膜症の偽妊娠療法に用いられる薬剤(黄体ホルモン製剤、ピル)が使われます。

心因性の婦人病

 月経痛があり検査を受けたものの、子宮や卵巣に子宮筋腫や子宮内膜症のような異常があるわけでもなく、また月経困難症でもないという方がいます。
 こうした方からよく事情を聞くと、「仕事が忙しい」「精神的なストレスが溜まっている」「睡眠不足がある」……など、肉体的、精神的、あるいは双方に重圧がある方が少なくないようです。
 こうした方の月経痛は、月により痛みが強かったり、逆に楽だったりすることが多く、鎮痛剤の服用がある程度有効というケースが目立ちます。
 治療方法としては、ストレスがある場合は、原因となっているさまざまなストレスを解消するように心がけていただくことが第一ですが、症状や状況に応じて鎮痛剤の処方を受けたり、精神安定剤や抗不安薬による治療を受けたりすることもあります。
 また「心身症」といって”心の持ち方”に原因があって、身体にいろいろな症状が出てしまう方がいます。その症状は例えば、頭痛、胃潰瘍、喉の痛み、異物感、不眠などで、こうした症状のひとつに月経痛が出る方がいます。心身症と診断された方には、心身症に有効な医薬品が用いられます。

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