子宮内膜症

Chapter 3 子宮内膜症の症状

Section 1 子宮内膜症の症状

症状がなくても子宮内膜症の人がいる

 子宮内膜症は、生理痛や過多月経などの症状があるのが普通です。
でも何も痛みなど無い人でも子宮内膜症があり得ると考えられています。

 子宮内膜症は、どの程度の人にあるのかという調査があります。
1.何も症状のない人でも → 約4%の人に子宮内膜症がある。
2.不妊症の人では → 20%-40%の人に子宮内膜症がある。
3.若い女性で慢性の骨盤痛のある人 → 最低50%の人に子宮内膜症が認められるらしい。
4.年齢に関係なく骨盤の中の痛みを訴える人 → 5%-20%の人は子宮内膜症が認められる。

という調査があります。
子宮内膜症は痛みや生理の時のトラブル以外に不妊症の原因になったりする事があります。
この状態が疑われる時は早期の治療が必要になると考えられます。

子宮内膜の症状はいろいろあります。

 月経痛、下腹痛、腰痛など、子宮内膜症を発症した場合、多くの方が子宮を中心とした下半身に痛みを感じることが多いようです。ただこうした痛みを伴う症状以外にも、疲労感や消耗感が激しくなる、お腹がはる、便秘や頻尿に悩まされるなどといった症状が出てくることもあります。以下、子宮内膜症でよく見られる症状について解説しましょう。

月経痛

 月経痛が強いのがこの病気の特徴です。子宮内膜症の方の約90%は月経時に強い痛みを訴えているとされています。しかし、月経の前後や月経とはまったく関係のないときに痛みを感じることもあります。子宮内膜症の方の70%程度は、こうした月経時以外の痛みを感じているようです。
 加えて腰痛が強く出ることや、頭痛などの症状が気になることがあります。

性交痛

セックスのとき膣の奥のほうが痛んだり、セックスの後、お腹全体がジワーッと痛くなるときがあります。

月経量の増加

 子宮全体が腫れる子宮腺筋症の方は、月経量が増加したり、長期間にわたって出血が持続するなどの症状が強く表れる傾向があります。もともと自分の月経量が多いのかどうかは、他人と比較しにくいだけに判断が難しいものです。自分の月経量が多いかどうかは、次のようなことを参考にするとよいでしょう。

①若い頃に比べて月経の量が増えてきた
量が増えるとその分の出血を外に出そうという子宮の収縮力が強くなるために、月経痛も強くなるのが普通です
②月経時に血のかたまりが出てくるようになった。あるいはレバー状のものが出てくるようになった
③大きいナプキンを使わなくてはいけなくなった。短時間に頻繁にナプキンを取り換えなくてはいけなくなった
④夜間はオムツのようなタイプのナプキンでなければ安心できなくなった

貧血症状

 目まい、立ちくらみなど貧血症状が起こることがあります。顔色が黄色くなったり、極端なときは青白くなることがあります。他人から貧血では?といわれたり、健康診断で指摘されることもあります。

胃腸症状

 月経前後(月経時を含む)の吐き気や嘔吐、下痢、便秘などの胃腸症状が出ることもあります。またこの時期はお腹がはる(膨満感)という症状が出る場合もあります。

排尿痛、頻尿、排便痛

 子宮内膜症が周囲の膀胱や直腸に影響を及ぼすと、これらの症状が出ることがあります。
 また、まれではありますが、子宮内膜症のできる場所により、次のような特別な症状が出ることもあります。

・血尿 … 膀胱に子宮内膜症ができた場合
・血便 … 腸に子宮内膜症ができた場合
・血痰、気胸 … 肺に子宮内膜症ができた場合
・帝王切開や会陰切開部の痛み、出血 … お産後に子宮内膜の組織ができた場合

不妊症

 子宮内膜症の症状が、「不妊」である場合があります。赤ちゃんを希望され、病院を受診し、子宮内膜症が見つかることがあります。
不妊症で通院されている方で、痛みなどの症状がなくても、お腹の中を検査する「腹腔鏡検査」という方法で調べてみると、約半数の方に子宮内膜症が見つかるといわれています。
 子宮内膜症の方は、なぜ妊娠しにくくなるのでしょうか?子宮内膜症が原因の不妊症には、いくつかの原因が考えられています。
 例えば排卵された卵の受精能力が落ちてしまうという考え方があります。また、卵巣にできたチョコレートのう腫が周囲の組織と癒着し、その結果、卵管の通りが悪くなってしまうことも考えられます。
 さらに、子宮内膜症自体がお腹の中に出す物質−マクロファージ、サイトカイン(免疫反応などで細胞から体液中に分泌される蛋白質)など−が卵のはたらきを悪くするということもあると考えられています。同時の精子にも悪い影響を与える可能性があります。
 また、子宮の筋肉の中にできた子宮内膜症組織が着床障害の原因になる可能性もあります。

卵巣腫瘍の破裂

 卵巣チョコレートのう腫は、まれに破裂することがあり、その際は重症となる場合があります。
 破裂すると、それまで下腹部が痛かったのに急に胃のあたりが痛くなったり、上腹部に痛みが出ます。また、破裂して出た血液の影響で腸の動きが悪くなり、腸閉塞の症状や、貧血症状などが出ることもあります。めったに起こらないことですが、逆に、起こると重症になりやすい病気です。
 チョコレートのう腫と診断されている方で、急にお腹の痛みが強くなったり、お腹がはる、熱が出たという方はなるべく早く、かかりつけの医師に相談することが大切です。

Section 2 症状チェックリスト

以下の症状があれば子宮内膜症が疑われます。

☆:子宮内膜症の可能性がより高い方
△:子宮内膜症が疑われる方
○:注意が必要となる方

☆月経痛がある
 ○だんだん強くなってきた
 ○鎮痛剤が効かなくなってきた、また最近鎮痛剤の量が増えてきた
 ○仕事を休まなくてはならなくなった

☆赤ちゃんがなかなかできない

☆性交痛がある

☆以前、子宮内膜症といわれたことがある、あるいは疑いがあるといわれた

☆月経量が多くなってきた
 ○最近特に増え、血のかたまりが出てくる
 ○ダラダラと長く続く
 ○貧血ぎみになってきた
 ○検診で貧血を指摘された

△月経時に吐き気や嘔吐がある

△月経時の腰痛がつらい

△排便痛がある

△月経時に頻尿になる、排尿痛がある、あるいは明らかな血尿がある

△月経以外のときもお腹が痛くなる

△不正出血がある

△お腹にしこりがある

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