子宮内膜症

Chapter 1 女性生殖器のしくみ

Section 1 女性生殖器のしくみ

身体のしくみについて

 女性の身体の中で、子宮や卵巣(女性生殖器という)がどういう形をしているか、どういう位置にあるかをまず確認しておきましょう。

子宮

 女性特有の性生殖器のひとつで、胎児を宿す臓器です。西洋梨を逆さにしたような形で、L〜LLサイズの鶏の卵くらいの大きさがあり、子宮漿膜、子宮筋層、子宮内膜の3層で構成されています。子宮の外側を包み込んで子宮を保護しているのが子宮漿膜。子宮筋層はその内側にあり、さらに子宮筋層の内側にあるのが子宮内膜で、受精卵が着床する場所です。

卵巣

 女性ホルモンを分泌する器官で、卵胞とよばれる数多くの細胞とそれを支える組織から構成されています。この卵胞細胞の中に、それぞれ1個ずつ卵子が入っています。

卵管

 子宮の横から卵巣に向かって左右に伸びている細い管で、長さは10〜14㎝程度あります。卵巣から出てきた卵子が子宮に向かう”道路”で、この道の入り口のところで(卵管膨大部という)精子と出会い、受精します。

卵巣固有靭帯

 卵巣と子宮との間をつなぐヒモ状の結合組織です。固有卵巣索ともよばれています。

膣 

 子宮から体外までの管で、普段は月経血などの排出管として機能していますが、このほかにも交接器、産道としての役割を果たします。

Section 2 子宮内膜のしくみ

子宮内膜のしくみ

 子宮内膜とは、子宮の内側を覆う膜のことで、受精卵が着床する場所です。月経直後の子宮内膜は厚さ1㎜程度ですが、月経から排卵までの間にはその10倍の厚さになります。排卵後は、着床(妊娠)に備えて栄養たっぷりのやわらかい状態に変化します。着床しなかった場合は、厚みを増した子宮内膜が不必要になるため、血液と一緒に体外に排出されます。これが月経です。

Section 3 子宮内膜のはたらき

子宮内膜のはたらき

 子宮内膜は身体の中でどのようなはたらきをしているのでしょうか?子宮内膜は周期的にその形を変えます。月経周期に伴い、膜が厚くなりますが、妊娠しなければ剥がれ落ち、体外に排出されていきます。こうした子宮内膜の変化は、脳下垂体→卵巣→子宮内膜へと伝わるホルモンのはたらきによって起こります。

子宮内膜と妊娠

 子宮内膜は、妊娠したときに大切な役割を果たします。妊娠に向けた子宮内膜の変化のプロセスは、以下のようになります。


卵子は卵巣から排卵された後、卵管に取り込まれます。

卵管で卵子の中に精子が入り込みます。これを受精といい、赤ちゃんができる一番最初のステップになります。

この受精した卵(受精卵)は細胞分裂をくり返しながら卵管を進み、約4〜5日間経って子宮内膜に達するといわれています。

子宮内膜に達した受精卵は2〜3日くらいかかって成長しながら子宮内膜に付着し、その後、子宮内膜にもぐり込むと考えられています。これを着床といいます。
※このとき、子宮内膜が十分準備できていなければ、赤ちゃん(この時期の赤ちゃんは胚という)は着床することができません。

着床すると、子宮内膜とそれを支える組織(間質という)は脱落膜という膜に変化し、赤ちゃん(胚)を迎え入れるためのよい環境をつくります。また、赤ちゃん(胚)に十分な栄養や酸素を供給するはたらきをします。

Section 4 脳下垂体 - 卵巣 - 子宮の関係

ホルモンはどう働くのでしょうか

ホルモンの中枢である脳下垂体と、その影響を受ける卵巣、子宮の関係を見てみましょう。

ホルモンを分泌する脳下垂体

 脳下垂体とは、脳の下側の中央にある直径1㎝以下の小さな内分泌器官です。
 脳下垂体は、性腺刺激ホルモンを分泌する視床下部からの指令を受けて、さまざまなホルモンを分泌します。このホルモンが血液の流れにのって体内の隅々に送られ、卵巣を含めた各種のホルモン器官が適切に機能するようになっています。つまり脳下垂体は、身体をコントロールするホルモンの「貯蔵庫兼配送センター」のような役割を担っているわけです。

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